2014-06 Twitter 140字で作文(BL仕様)
「捨てるの忍びなくて、そのまま置きましたよね? 持ち帰り容器に移しましょうか」カフェで買ったばかりのジュースを残した僕に店員の男が話しかけた。「助かります。緊急の呼び出しがきて」「すぐに飲めないでしょ?氷抜いておきます」僕が首をかしげると「いつも見ていますから」と男が微笑んだ。
2014-06-06 07:17:29海岸で夢中になって遊んでいるうちに、彼と離れてしまった。「ホテルが小さく見える。随分歩いたんだな」振り返ると、息を切らし彼が走ってきた。「途中で足跡消えてたから焦ったぞ」「途中から水に足つけて歩いてたから」「心配した」ホテルへ帰るまで彼は僕の手をぎゅっと握って放さなかった。
2014-06-09 15:30:47カクテルの給仕にでたプールで視線を感じ僕が振り返ると、カウチでくつろぐ男と目があった。「ご注文ですか?」「体の線が奇麗だな」この手の輩は多い。微笑みかけ踵を返すと男が続けて言った。「否定も肯定もしないか。愛され慣れている感じだな」「酔うと危険ですよ」僕が呟くと男が目を見開いた。
2014-06-12 15:51:12「学校へ持ってくるなよ。持ち検、俺が担当じゃなかったら危なかったぞ」廊下で泣く僕を彼がいさめた。「やっと二人きりになれた。先生、それ使ってよ」「泣きまねか。このためにゼリー持ち込んだのかよ」「忙しいってかまってくれないから」「仕方ない。おまえだけ特別のお仕置きだぞ」先生が笑った。
2014-06-13 06:54:36公園で彼と待ち合わせた。「待ったか」「いえ、ベンチに座ったら。話って何」「これ」目の前に掲げられた鍵に僕は目を見開いた。「いいの?」「ああ。同居でもいいぞ」「嬉しい!」「おいおい、部屋へ帰ろうぜ」「待てないよ」「積極的なお前も貴重だし、頂くか」僕らは初めて夜空の下で結ばれた。
2014-06-16 02:33:20夕方の図書館の窓辺で空を見上げる彼を僕は隠れ見た。今日も手元に本はなく一番星を見つけると帰ってゆくというのが、僕の観察の結果だった。「星好きならこの本いいよ」勇気をだして話しかけてみると彼は笑った。「別に好きじゃない」「え?」「君こそ俺を観察しているだろ?」彼に迫られ僕は俯いた。
2014-06-19 09:15:55「花摘み500円だって」遊歩道の花々を摘みながら彼が笑った。「沢山摘んだな。ちょっと貸してみろ」俺はさっき買った土産からリボンを外し、花束を飾った。「ほら、プレゼントだ」「僕が摘んだのに変なの」「いいからそのまま持ってろ」喜ぶ彼を俺はすかさずカメラで捕らえた。
2014-06-23 04:24:13教室で泣きじゃくる彼を男共が囲んでいた。「委員長としていじめは許さないぞ」「違うよ慰めていたの。トランプ占いなんか気にするなよ」「そんなことで泣いたのか」俺がため息を漏らすと彼の顔が歪んだ。「原因は委員長なんだぞ」「なら、おまじないしてやるよ」額に軽くキスすると彼が目を見開いた。
2014-06-24 01:48:23