80年代アニメにおける「喧騒」感

80年代のアニメの中にある、群像劇の「喧騒」について書きました。
18
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

80~90年代のマクロスを通して劇場で観たので、 何が現代と違うと言えば、 80年代のSFアニメには、喧騒感というものがって、 こう主人公の周りで騒がしく人や事態が進行している感じ、がある。

2014-06-08 18:31:03
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

ヤマト(70年代)もそうだけど、特に80年代は、 999 の劇場版でも、マクロス劇場版でも、ガンダムでも、 たくさんの人がワーと時代に流されて、その中で主人公が 懸命に頑張りながら、時代を拓いて行く。

2014-06-08 18:31:10
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

マクロス劇場版の最後はわーという歓声で終わるけれど、 ああいうのは、今、SFアニメ作ってもないだろうなあ、と思う。 そもそもSFアニメ自体めずらしくなったけれど、 シドニアの騎士は、群像劇のはずが、とても寂しい空間。

2014-06-08 18:31:17
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

ヴァルブレイブもバディーコンプレックスも群像劇なのに、 寂しいのは、人と人の距離のとり方が、昔よりずっと遠くなっているからだろう。 フォッカーみたいなキャラクターも、今では、理解されないかもしれない。 アニメというのは、そんな人間の距離感にとても敏感だ。

2014-06-08 18:31:25
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

アニメが基本的に、感受性の高い若い人に向けて作られて来たからだろう。 エヴァ~化物語、を見ても、人と人の距離の取り方がどんどん広くなる。 ガールズ&パンツアーとか、一連のラブコメとか、妙に距離の近い取り方は、 あれは、一種の視聴者の願望の現れだろう。

2014-06-08 18:31:47
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

あんなふうに近くて、 友人と、うまく行けばいいなあ、という。 リトルバスターズなんかは、ああいった理想的なグループで、 強力な恭介みたいなリーダーがいたらいいなあ、という。

2014-06-08 18:32:00
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

そういったアニメを共有できるということは、 やはり、同じ悩みをみんな持っているということなのかな。 アニメを観ながら、僕みたいにそんな人と人との距離を考える人は、 多いのではないかな。

2014-06-08 18:32:11
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

なんとなく、そういう人の方が、たくさんアニメを観ている気がする。 だから、同じ問題を抱えて、同じアニメを好きになって、 アニメで仲良くなるということもあるのだろう。

2014-06-08 18:32:16
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

化物語は、人と人とが向かい合って、さあ、あなたは誰ですか、みたいな、ことを延々と語っている。あそこで(化)物語が成立するのは、お互いの化かし合いのヴェールを一枚一枚はいで行くからだろう。

2014-06-08 18:42:10
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

だって、ヤマトだったら、甲板の上で夕陽の下で殴り合って、最後笑い合うで良かった。だからそこから、もっと大きな民族同士の平和という大きなテーマを描けた。ヤマトの中の人間関係が不思議だったら、ああいったSFは成立しない。

2014-06-08 18:44:38
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

今はその人と人との間の空間を描くだけで、そこから出ることができない。もし、大きなスケールにしようと思ったら、キャラクターを少し堅くする必要がある。最近だと、スペースダンディみたいに、内面的にややこしくないキャラクターを出すしかない。

2014-06-08 18:48:21
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

エヴァとかハルヒの面白いところは、そういった内面的な、人と人の間にあるややこしい関係と、世界全体の命運をリンクさせてしまったところだろう。内面と対人的な問題が突き詰められるほど、世界全体の命運もきわどくなって行く。

2014-06-08 18:48:42