「税と社会と格差是正」 第9回 聞いて、話して、考える―ポストMDGsナイト・カフェ

2014年6月20日、文京シビックホール会議室1で開催された「「税と社会と格差是正」 第9回 聞いて、話して、考える―ポストMDGsナイト・カフェ」に関するツイートをまとめました。
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「税と社会と格差是正」
(第9回 聞いて、話して、考える―ポストMDGsナイト・カフェ)

この4月日本では、消費税が8%になりました。日本の消費税は、もともと厳しい財政を見越して社会保障費捻出のために設けられたものですが、増大する社会保障費を支えるために今回の増税となりました。

国際社会に目を向けてみると、税に関する政策的な流れに変化が起こっています。例えば最近国際通貨基金(IMF)は、所得に比例して税負担も大きくなる累進的な税を再強化すべきという提言を行っています。そこには、近年ますます拡大し、経済や社会への悪影響をおよぼしている格差の問題があります。

特に大きな格差で苦しむのが途上国ですが、ここにも変化が見られます。貧困削減等を目指しているミレニアム開発目標(MDGs)の後継目標となる「ポスト2015開発アジェンダ」(ポストMDGs)に関する国連での議論では、ODA(政府開発援助)に頼らず自前の資金である税金で貧困・格差の是正に取り組むべきという意見も出ており、税に対する注目が高まりつつあります。

今回のナイトカフェでは、このような税の国際的な動向を途上国の開発問題や日本も含めた先進国の社会的課題の解決手段の一つとして結びつけながら考えてみたいと思います。日本に暮らす一納税者としての私たちにとって、税の問題は身近な問題だと思いますが、国際的な動向や開発問題とつなげて考える機会はあまりありません。また、途上国支援に携わってきた人たちにとっても、開発問題の中で税を意識することはほとんどありません。

今回、「動く→動かす」では、この2つを結びつけて考える機会を設けました。「ポスト2015開発アジェンダ」が単に「途上国のための取り組み=他人事」ではなく、「日本を含むすべての国の全ての人にとって等しく重要なもの=自分事」であることを、ゲストのお話、そして議論を通じて考えてみましょう。

【こんな方に聞いてほしい内容です】
・タックスヘイブンに関心がある方
・税金の社会的な役割や可能性を知りたい方
・貧困問題解決に必要な開発資金の行方が気になる方

※講師のお話を聞いた後に会場からの質疑応答の時間をとり、その後20時頃からお菓子をつまみながらの交流会を行います。

【イベント詳細】
日時:2014年6月20日(金)18:00-20:00(この後に同じ場所で交流会あり)開場は17:45
会場:文京シビックホール会議室1(文京シビックセンター3階) 地図
参加費:一般1000円 学生500円(お菓子・ドリンク付き)

【協力】
特定非営利活動法人オックスファム・ジャパン

【主催・お問い合わせ】
動く→動かす
〒110-0015 東京都台東区東上野1-20-6 丸幸ビル3階
特定非営利活動法人アフリカ日本協議会 気付
電話:03-3834-6902 FAX:03-3834-6903
office@ugokuugokasu.jp
http://www.ugokuugokasu.jp

Yoshinori Endo(脱原発派) @GJ_j24

文京シビックホールなう。本日は gcapj.blog56.fc2.com/blog-entry-311… のイベントに来ています。 #sdgsjp でつぶやきます。

2014-06-20 18:02:23
Yoshinori Endo(脱原発派) @GJ_j24

始まりました。本日の司会は、開発教育協会の西さん。本日のイベントは、ポストMDGsカフェの9回目です。今までの国際貢献の知識・経験でカバーできない分野について知らなくてはいけないという観点から始まった勉強会。今日は「税と社会」から見てみようという趣旨です。 #sdgsjp

2014-06-20 18:05:42

1.「税と公共性」

山田 太雲氏
特定非営利活動法人オックスファム・ジャパン
アドボカシー・マネージャー
世界90カ国以上で貧困・人道問題に取り組むOxfamの日本法人で、貧困層の人権の観点から政府開発援助(ODA)や税の公平性に関する政策提言を担当。主要国首脳会議や国連などの国際プロセスをウォッチし、経済危機後のグローバル・ガバナンスの機能不全について警鐘を鳴らす。
共著に『ミレニアム開発目標:世界から貧しさをなくす8つの方法』(合同出版)
2000年、英国立セント・アンドリュース大卒
(国際関係学修士)

Yoshinori Endo(脱原発派) @GJ_j24

オックスファムの山田さん。「アドボカシー」には弁護するという意味合いがある。国会議員やメディア向けの講演をしている。途上国開発からなぜ税の問題が語られるのか簡単にお話したい。税金は取られるというイメージが強いが、専門家は「税金がなければどうなるか」といわれる。 #sdgsjp

2014-06-20 18:09:43
Yoshinori Endo(脱原発派) @GJ_j24

警察・消防・国防・道路等公共サービス,教育・介護・社会保障なども税がないと立ちゆかない。政策手段としての税金(炭素税)もいる。富裕層・企業も税の恩恵を受けている。質のいい教育を受けた労働者の有無は、企業運営に大きな影響を与える。 #sdgsjp

2014-06-20 18:11:48
Yoshinori Endo(脱原発派) @GJ_j24

税金がないと、すべてが「自己責任」と「市場原理」で決まる。誰が負担するのか?これが不公平だと大変なことになる。行政サービスを使う人が払うべき(応益負担)か、支払い能力がある人が払う(応能負担)かによってシステムを構築するのか?市民は租税をコントロールできるか? #sdgsjp

2014-06-20 18:13:42
Yoshinori Endo(脱原発派) @GJ_j24

MDGs(ミレニアム開発目標)の期限内達成は絶望的。開発援助は減少傾向にあり、途上国の間でも、格差・不平等が広がる傾向にある。低所得国→中所得国になると、援助金額も減る。低所得国は約8割、中所得国は63%しか徴収できていないから、税の累進化が必要。 #sdgsjp

2014-06-20 18:17:18
Yoshinori Endo(脱原発派) @GJ_j24

多国籍企業が税金を払わないとどうなるか?ニカラグアでは、教育予算の2倍、ザンビアでは2倍、タンザニアでは教育予算相当が徴税できていない。これらの途上国が欧州並みの累進課税体制を敷いたら、現在の75〜400%も徴税額が増える。 #sdgsjp

2014-06-20 18:19:50

2.「企業が納税を逃れる理由」

宮嵜 雄仁氏
国際会計事務所KPMGの東京事務所にて7年間、税務コンサルタントとしてタックスヘイブン(以下TH)を利用した投資スキームへのアドバイザリを担当。
現在は広告/人材/出版等のサービス分野で国内最大手の企業グループにて、国際税務分野の対応整備&制度構築を担当している。コンサルタント、企業実務担当として、企業の立場からTHに関わってきた実体験から、企業によるTHの利用のあり方に問題意識を有している。
1999年3月、一橋大学経済学部卒。

Yoshinori Endo(脱原発派) @GJ_j24

コンサルタントの宮嵜雄仁さん。もともとは国際税務事務所で節税のコンサルタントをしたのち現職に就いた。コンサルタントをしながら、心の中で矛盾を抱えながら仕事をしている。会社にいると、どうしてもタックスヘイブンを使いたいから、どういうポジションを取ればいいのか悩む。 #sdgsjp

2014-06-20 18:23:07
Yoshinori Endo(脱原発派) @GJ_j24

企業はタックスヘイブンをどう見ているのか?企業にとって一番技術的な問題は、経営判断をする時にいろんな選択肢があるが、一番考えるのは税金の問題。これを押さえながら合併・配当・配当管理をさせるか。これらのことをする度に課税を考えないといけない。 #sdgsjp

2014-06-20 18:25:17
Yoshinori Endo(脱原発派) @GJ_j24

これらの判断をするのは非常に難しい。海外子会社の配当を本社に吸い上げる場合、タックスヘイブンを使うと税金が安くなる。これは税金の二重課税を阻止する条約をうまく使っている。これらの会社は基本的に「存在するだけ」の会社。これは税金を押さえるための発想である。 #sdgsjp

2014-06-20 18:27:55
Yoshinori Endo(脱原発派) @GJ_j24

これらの動きは、株主の要求も大きい。高税率国から低税率国に、どうやって所得を移すか?関連者間取引価格を使うと、低税率国への所得移転が可能になる。親会社は、海外関連会社間の取引操作をして利益を増やす。グーグル等IT企業は、無形資産を大量に持っている。 #sdgsjp

2014-06-20 18:31:33
Yoshinori Endo(脱原発派) @GJ_j24

海外の子会社にサブライセンスが会社を設立し、無形資産の帰属国と事業体課税をうまく操作させることで、課税を逃れている。グーグルは実際はアメリカではなくアイルランドで事業している。子会社が海外に子会社をつくることで、ライセンス料を得ている。 #sdgsjp

2014-06-20 18:33:53
Yoshinori Endo(脱原発派) @GJ_j24

グーグルは、登記所の本店はアイルランドになっているが、実際バミューダで経営していると主張している。そのため、アメリカ税務当局は徴税できない。日本でも旺文社が、テレ朝の株をオランダ子会社に売却することで、租税を回避しようとした。結局、裁判で負けた。 #sdgsjp

2014-06-20 18:36:11
Yoshinori Endo(脱原発派) @GJ_j24

オリンパスは、日本で所有する現金・有価証券を担保に借金し、ルクセンブルクの銀行に口座を開設し、それを減資に粉飾決算をしていた。多国籍企業は知恵を働かせ、なるだけ税金を払わないようにしている。租税回避なのか脱税なのか、外から判定しにくい。 #sdgsjp

2014-06-20 18:38:51
Yoshinori Endo(脱原発派) @GJ_j24

私自身もこれらの動きを見てきたし、今の会社もやっている。その背景にあるのは、利益のために税金を抑えろという株主からの圧力。株主の価値観が変わらないと、これらの動きは今後も続くだろう。 #sdgsjp

2014-06-20 18:40:23

3.「民主主義と税:日本の課題」

湯浅 誠氏
社会活動家。法政大学教授。
1969年東京都生まれ。東京大学法学部卒。
2008年末の年越し派遣村村長を経て、2009年から足掛け3年間内閣府参与に就任。内閣官房社会的包摂推進室長、震災ボランティア連携室長など。
政策決定の現場に携わったことで、官民協働とともに、日本社会を前に進めるために民主主義の成熟が重要と痛感する。

Yoshinori Endo(脱原発派) @GJ_j24

湯浅誠さんの話。税金の話は難しい。「節税は市民の嗜み」という言葉もある。私自身格差・貧困も第二関わっているが、もともとはホームレス、生活保護受給者支援など、税金で見てもらっている人たちの支援。自分の関わっている雑誌「はるまち」で、元生活保護受給者の話題を掲載。 #sdgsjp

2014-06-20 18:43:35
Yoshinori Endo(脱原発派) @GJ_j24

年間200万人の小さい団体だが、雑誌等を撃っていると見かけ上黒字になり、税金がかかる。「これ何とかならないか?」と編集スタッフの間で話題になる。やっぱり税金は納めたくない。税金は、払わないに越したことはないという認識。政府の税金調整能力は弱まるのも当然。 #sdgsjp

2014-06-20 18:45:23
Yoshinori Endo(脱原発派) @GJ_j24

私が持っている1万円を税金として払うのと、NPOに寄付するのとどちらがいいだろう?後者の方がいいという人は多いだろう。手応えはあるし、使い道はわかるし。自分で選択したいのなら後者がいい。税金は取られるものであるから、とられないに越したことはない。 #sdgsjp

2014-06-20 18:47:22
Yoshinori Endo(脱原発派) @GJ_j24

私自身は「社会的排除」を問題にしている。一番大きいのは「介護離職」。年間で50万人が退職している。彼らは意欲も能力もあるが、介護保険ではカバーできない。今は企業の中核的立場の人も辞めていく。このままでは、全体の3割が介護離職する。保険料を上げるか、増税するか? #sdgsjp

2014-06-20 18:49:39
Yoshinori Endo(脱原発派) @GJ_j24

介護料1%増やすためには、500億円必要。多くの人は「自分以外の誰かから徴税してくれ」という。日本は世界一の高齢化社会。20年後には、老齢人口が37%になる。財政赤字も1,000億円を突破した。GDPの倍以上の財政赤字を、戦争以外で解決した国家はない。 #sdgsjp

2014-06-20 18:51:45
Yoshinori Endo(脱原発派) @GJ_j24

日本は高齢化比率が高いのに、社会保障費はアメリカ並みに低い。税金の手の届かない部分を家族で補ってきたが,欧州並みの体制にするには400兆円の資金が必要。現在の社会保障費の4倍だから、NPOなどをうまく使っていく必要がある。 #sdgsjp

2014-06-20 18:56:16