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アンダー・ザ・ブラック・サン #4
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「な……グワーッ!?」ディプロマットは巨大な質量に抑えこまれ、困惑しながら呻いた。「これは……!」「アイエエエエエ!」「グワーッ!」ディプロマットにむしゃぶりつく影は、不気味に長い軟体じみた首と、濁った目を持っていた。目はヒカリゴケめいて光っていた。そしてメンポをつけている。66
2014-07-01 23:19:50![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「ディムライト!よくぞ来た」ボロゴーヴは後ずさりながら歓喜した。「やってしまえ!そいつは敵だ!ギルドの敵だぞ!」「アイエエエエエ!ギルド!アイエエエエエ!」「ヌウーッ!」「しっかり押さえつけろ!」「アイエエエエエ!」ボロゴーヴはメンポの下で舌なめずりし、首刈りナイフを抜いた。67
2014-07-01 23:27:50![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
ナムアミダブツ……この者の名はディムライト。背骨にそって霊的キノコを生やす、キノコ・ニンジャ・クランのニンジャソウル憑依者の中でも特に極端な発現のかたちをとった存在だ。そしてこの者はディプロマットの知らぬニンジャだ。ギルドには居なかったニンジャである。これは何を意味するのか!68
2014-07-01 23:43:01![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
然り!ギルドは生きている!滅び行く残党の寄せ集めではなく、生きて、組織の血液を循環させ、何らかの目的のもと、版図を拡げつつあるのだ!「アイエエエ!」「グワーッ!」ディムライトの霊的な涎が滴り、ディプロマットの顔の横の砂に染み込んだ。69
2014-07-01 23:53:55![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「押さえておれ!押さえておれよディムライト=サン!」ボロゴーヴが命じた。「この裏切り者を斬首するゆえに、グワーッ!」ボロゴーヴの叫びがディプロマットから遠ざかった。ディプロマットのニューロンにアンバサダーの視界がフラッシュバックした。ジャンプパンチを叩き込んだ瞬間の光景が! 70
2014-07-01 23:56:27![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
ディプロマットは不意に重みから解放された。「アイエエエエ……」ディムライトの唸り声が遠ざかった。アンバサダーに襲いかかったのだ!ディプロマットは身を起こし、ぞっとするような霊的キノコをまばらに生やした巨体の背に向かっていった。「イヤーッ!」「アイエエエエ!」 71
2014-07-02 00:03:10![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
こちらザ・ヴァーティゴ!ユカノ=サンはグリフォンにヤリめいたサイドキックを当てたが、すかさずスパルトイが側転しながらカバーに入りやがった。有効打が決められないんだ。そりゃそうだぜ。スパルトイのクソ野郎、あの台車蹴り野郎、あの野郎のクソ位階がどうだか知らないが、他の二人は相当だ!
2014-07-02 00:09:46![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
クソッ、せめて俺が自由なら……俺が自由ならネンリキを使ったり色々して助けに入るってのに……とにかく自由じゃないから助けられない。鎖があるからな。ああッ!ユカノ=サン!ニンジャ大剣が彼女のブリッジ回避をかすめたぞ!ヒヤヒヤさせてくれるなよ!そこへスパルトイ!ヤメローッ!ウオオーッ!
2014-07-02 00:13:04![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「イヤーッ!」「アイエエエ!」「イヤーッ!」「アイエエエエ!」ディプロマットが今度はディムライトの上からのしかかり、脇腹を殴りつける!殴りつける!「よせ!ディムライトは貴重な存在だ!」ボロゴーヴが訴えた。「それ以上の狼藉は許さん」「イヤーッ!」「グワーッ!」 72
2014-07-02 00:15:47![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
アンバサダーの蹴りがボロゴーヴの顔面を捉えた!彼は地面で受け身を取り、すぐさま手近のブレイズに襲いかかる!首刈りナイフが恐るべき速度でブレイズを狙う!「イヤーッ!」「イヤーッ!」ブレイズの目が燃える!その肘が火を噴き、燃える拳がボロゴーヴのメンポに叩ここまれた。「グワーッ!」73
2014-07-02 00:21:51![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
ボロゴーヴは火の粉を散らしながら白砂を転がった。「多勢に無勢!許せん奴らだ……ウヌーッ!」「アイエエエエ!」しゃにむに振り回すディムライトの長い腕がブレイズ達を繰り返し襲う。まともに受ければ骨が折れるだろう!ディプロマットはすかさずディムライトをチョークした!「イヤーッ!」74
2014-07-02 00:27:23![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「アバーッ!」ディムライトは狂ったように跳ね回り、ディプロマットを振り落とした。両腕を振り上げ、振り下ろし、地面に叩きつける。ディプロマットは後ろに転がって起き上がると、アンバサダーとブレイズを促した。「こいつらにトドメを刺すのは後でいい。ユカノ=サンが先決」三人は身を翻す!75
2014-07-02 00:29:54![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
……「イヤーッ!」「ンアーッ!」グリフォンのサイドキックがユカノの肋に命中した。彼女のガードがやや下がる。そこへスパルトイが空中から襲いかかった。「イヤーッ!」「イヤーッ!」ユカノはクロスガードで耐えた。マストダイ・ブレイドで反撃すれば、続くベオウルフの攻撃に対応できない。76
2014-07-02 00:41:54![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「イイイイヤアーッ!」ベオウルフは二回転ののち、大振りの横斬撃を繰り出す。自然災害じみた圧倒的質量と速度!これは他のニンジャ達の攻撃にかかりきりにさせてこそ得られる隙の大きい攻撃であり、まさにフーリンカザンといえよう!77
2014-07-02 00:42:18![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「「イヤーッ!」」セットプレーじみて、予めこの斬撃を予期していたスパルトイとグリフォンは同時に跳躍退避。だがユカノは避けきれない!「ンアーッ!」赤い装束が斜めに裂け、血が噴き出た。ほんの少し、ほんの少しだけ、切っ先のその端がかすめただけなのだ。それだけで胸元に斜めの裂傷! 78
2014-07-02 00:45:02![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
バランスを崩して片膝をつくユカノの背に、後光めいた炎の輪が出現した。「トドメは俺がもらった!イヤーッ!」スパルトイがユカノの肩口にヘビ・クリスを突き刺しにかかった。ユカノが反射的に左手をかざした。ヘビ・クリスがユカノの左掌を貫いた。スパルトイは目を見開く。ユカノの後ろ……。79
2014-07-02 00:50:17![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「グワーッ!」スパルトイはワイヤーで背中を引っ張られたように吹っ飛び、枯山水をバウンドし、ピンクのニンジャが括りつけられた台車に叩きつけられた。「グワーッ!」カトン・テレポートで一気に距離を稼いだブレイズによる決断的アンブッシュだ。グリフォンとベオウルフが一瞬動きを停めた。80
2014-07-02 00:54:04![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
ブレイズがグリフォンとベオウルフを睨んだ。それからユカノを見た。「間に合った?ダイジョブか」「ええ」苦痛に青ざめながら、ユカノはにっこり微笑んだ。そして掌のクリスを一息に引きぬいた。「……平気です!」「寄ってたかってやってくれたじゃねえか、お前ら!」 81
2014-07-02 01:00:01![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「ドーモ。ベオウルフです」「ドーモ。グリフォンです」「ブレイズ」ブレイズはユカノを庇うように立った。向こう見ずとも言える度胸であった。ベオウルフ、グリフォン、どちらもかつてのギルドにおけるマスター位階に匹敵するカラテの持ち主だ。82
2014-07-02 01:04:57![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「双子もすぐ来る」ブレイズはユカノに言った。ユカノは装束を裂き、素早く左手に巻きつけた。「……その後ランチハンドのおっさんも来るけど」「急ぎましょう」「お前は……」ベオウルフが小首を傾げた。ブレイズは留めた。「さっきやったンだ、そういうの。話してやンない。それより、あいつ何」83
2014-07-02 01:07:21