「理不尽」の教育

人格者の親が人格優れた子どもを育てた場合でも、皮肉なことに不登校になることがある。親が理解ある大人であるために、世の中は「理不尽」であふれかえっていることを知らずに育ってしまうケースがある。残念ながら、世の中には理不尽があることを教える必要がある。
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shinshinohara @ShinShinohara

不登校になった子どもや親御さんを見ていると、目に付くパターンがある。親御さんは優しく包容力があり、子どもの気持ちに寄り添える理想的な人格者。子どもは聞き分けがよく、心優しくて朗らかで、叱られる前に察して行動を改められる聡明さを備え、誰からも愛される子。なのに不登校になってしまう。

2014-07-03 18:21:50
shinshinohara @ShinShinohara

親御さんも子どもも文句のつけようのない理想的な人格を備えていたら、不登校になる要素はないように一見思える。しかし皮肉なことに、それこそが不登校に陥る基礎条件を揃えてしまっていることがある。それは「理不尽な目にあったことがない」というこちだ。

2014-07-03 18:24:47
shinshinohara @ShinShinohara

理解があり、子どもの気持ちに寄り添ってくれる理想的な親に育てられると、当然ながら子どもは理不尽な目にあわずに素直に育つことができる。聞き分けがよく、頭脳明晰ならなおさら叱る必要もないから、理不尽な目に遭うことがない。結果、「大人は思慮深く接してくれる存在」と安心し「勘違い」する。

2014-07-03 18:29:28
shinshinohara @ShinShinohara

だから理不尽な目に遭うとどう受け止めたらよいのか大混乱する。大人のいうことに素直に従えばほめてもらえたこれまでの「王道パターン」が通用しない。大人に敬意を自然に持っていたがそうでない大人はどう対処したらよいか分からない。誰もが褒めてくれた行動がけなされる。すっかり混乱する。

2014-07-03 18:34:05
shinshinohara @ShinShinohara

親御さんが比較的社会的ステータスが高く、穏和な性格で愛される人格だと、自分自身があまり理不尽な目にあったことがないから、理不尽にどう対処したらよいのか子どもに話してやることができない。子どもが懊悩する姿をみて心配でたまらないが、どう声をかけたらよいのか分からない。

2014-07-03 18:41:11
shinshinohara @ShinShinohara

「社会に出れば7人の敵がいる」という言葉を引いても、「そこまで喧嘩腰でなくても、話せば分かってくれる。同じ人間なんだから」となだめる。実際、その粘り強さでうまくやってきたのだから頭の下がる人格者である。しかし子どもが出会った理不尽に、それでは回答をうまく与えられない。

2014-07-03 18:44:43
shinshinohara @ShinShinohara

子どもに「理不尽」を教えることは、やがて社会の中に身を置くことになる子どものためにも必須のことだ。世の中には理不尽があふれかえっていること、その理不尽に挫けず、打ち勝ってなお、自身は理不尽に手を染めない意志力を備えるべきことを伝える必要がある。現実社会は理想社会ではないのだから。

2014-07-03 18:50:46