母はピネロン人なのに、何故ピーターは捕虜に横暴を振るう地球人ではなく、戦争を仕掛けてきたピネロン人が悪いと言うのだろうか……それは自分が地球で育った人間でもあり、またピネロン人の母を始めとする捕虜達が地球側に捕われているからではないだろうか……。
2014-07-30 23:02:17捕虜達を救う為に地球軍へ反発してしまう事をすれば、捕虜達の命もまた地球で安息の日々を送る事も出来なくなってしまう。自分が、母が地球にいる限り同じ血の流れるピネロン人と戦わなければならない。母を救う為に地球側の戦士として母と同じピネロン人が悪いと割り切らなくてはいけない……
2014-07-30 23:03:36母を取り戻したい理想はあるも、地球側に縛られている自分の事情から目をそむける事は出来ないのである……。地球人の立場で戦わなければならないと自分に暗示をかけるようなピーターの描写の後に次回が訪れる。
2014-07-30 23:05:16ちなみにこの頃になるとホイヘンスは遊星仮面を相手にする事は効率が悪いと判断していたようで、遊星仮面ごと地球を滅ぼす事へと方針を変えてくる。この点は遊星仮面を打倒する為に送り込んだサップスが次々と敗れた件を考えると確かに分からなくもない。
2014-07-30 23:06:26第15話……ホイヘンスの地球侵略に関しての路線変更と少し関係がある事として、冒頭でピネロン星の議会で敗戦に次ぐ敗戦の原因は遊星仮面にあり、そして今軍備増強のための予算が必要と主張するシーンがあった。
2014-07-30 23:07:23予算増強の件に関しては……おそらく遊星仮面を相手にしてそれまで敗戦を繰り返していた(第11話辺りまでが顕著だろう)事情にも反映しているだろう。遊星仮面打倒から地球そのものを滅ぼす方針へ路線を切り替えるにしろ懐が既に乏しくなっていたので援助が必要といったところ。
2014-07-30 23:08:32ただ、前回が地球のマグマを一斉に噴火させる、今回が巨大な電子レンズを開発して太陽の光を地球へ照射して溶解させるといった戦法からすると相当予算がかかりそうである。同じ費用をかけるとしても遊星仮面一人より地球そのものを打破した方が良いと判断したのだろう。
2014-07-30 23:09:48あと、このピネロン人の政権についてホイヘンスにこれ以上市民の生活に重税を課すのは駄目だと堂々と反対する人物がいた点もポイントだ。その彼が兵士にすぐ連行されてしまう辺りは民心掌握が不十分のまま軍事力で政権を握ってしまったかのような背景を察する事が出来そうか
2014-07-30 23:12:07また、それ以外の人々もホイヘンスのやり方に必ずしも賛成ではなく、この先どうなるのかといった感じで日和見主義者のように描かれている。圧倒的な軍事政権へ意見だけで太刀打ちしていく自信がないのかもしれない。
2014-07-30 23:12:57そして、前回ピーターが地球人の立場で戦うと誓ったようだが今回ではピネロン人の奴隷が暴動を起こしてしまう問題が触れられる。地球側の敵ともいえるキニスキーさんも久々に出てくる。
2014-07-30 23:13:42この問題の件でビッツが首謀者を射殺するといった所、ニックに首謀者を殺せばまた第二、第三の反乱がおこるとの理由で踏みとどまった点はせめてもの救い。
2014-07-30 23:14:22そして捕虜(在地球のピネロン人)達の人数が収容所のキャパをオーバーしてしまった事によって待遇が悪化したとの理由で暴動が起こったとの事で、別の収容所へ移す事が決まったが、その移す先はローレル島という本土から離れた場所。いわばより隔離されてしまったような。
2014-07-30 23:15:35その捕虜達が護送されるシーンでは、地球の一般市民が「ピネロン人は殺してしまえ!」との理由で石を投げつけてくる描写が来る。だが逆に一般市民の中には「戦争と関係ない捕虜に石を投げるなんて地球人の恥だ!」と彼等の行動を諌める人もいる。 pic.twitter.com/1yWI9gKF3P
2014-07-30 23:17:45ここら辺が必ずしも1つの集団が悪として見なされていない所なのだろう。ピネロン側でも今の軍事政権に反対を抱く人がいる。地球軍も捕虜に対して理解を示す人がいる。また名前もない一般市民が決して良識を見失っていた訳ではない。
2014-07-30 23:19:00「戦いに関係のないピネロン人の捕虜を迫害する事が地球人のやる事か」といったセリフは主人公の少年ではなく、名前のない大人がしっかりと諭す点がまた味なのかもしれない。戦時下で感情や情報に踊らされる人々もいるが、自分の良識をしっかり持っている人々もいる。
2014-07-30 23:20:26またピーターは遊星仮面でない時は母を追うナイーブな少年として描かれており、その時の彼は超人ではない。等身大の子供として彼は捕虜護送の場で地球人の横暴を訴えるより、母がいるかもしれないと探すシーンの方が似合う。
2014-07-30 23:21:24また、ピーターが結局母に会えない件に関してソクラトンさんは「捕虜を移す事は戦争の為」と述べる。第4話に続いて戦時下でピネロン人を移す事は人道を重んじる彼でも必要な事と判断せざるを得なかったようである……
2014-07-30 23:22:45人道を尊重しなければならないとの理想だけで、戦時下の混乱が収束する訳でもない。そしてその戦時下の混乱が巻き起こる原因……やはり戦争という理不尽な出来事が起こってしまった事が本編でも述べられる。当たり前のように地球人とピネロン人同士が同じ場所で過ごす事も許されない。
2014-07-30 23:24:02なお、今回の作画レベルが結構高い。ここら辺の戦闘機の描写を1カットで行っている点は地味に凄い。 pic.twitter.com/4sNRhtE2ar
2014-07-30 23:25:01この遊星仮面が放つシューターのポージング、またシューターの鮮やかな動きも見逃せない。パースが効いていてカッコいい。 pic.twitter.com/kvdl8AtGXl
2014-07-30 23:25:42また、視点に関しての見せ方も面白い工夫がされており、戦闘機の攻撃から逃げ伸びる兵士を映す所、ロケットが戦闘機へと破壊される姿を前に力尽きる兵士の姿へと切り替わっていく。 pic.twitter.com/dM61lCHUbR
2014-07-30 23:27:58そして、シューターを受けたピネロン兵の描写も面白い。既にシューターを受けたピネロン兵の視点で目の前の仲間が倒されていくとともに自分もまた力尽きていく姿が映し出される。(手がポイント!) pic.twitter.com/EbF4nTEW6a
2014-07-30 23:29:17どうやらこの作画チームは第10話(遊星仮面対スピーデル)と同じチームらしい。当時は作画監督の役職ではないが動画チーフが野田卓雄さんだったらしい。東映アニメ時代の金田伊功さんにとって先輩格のようなお方。ゲッターやガイキングの金田原画回で作監を担当されている方
2014-07-30 23:30:57第16話……他の惑星そのものを地球へとぶつける作戦は人類の滅亡を決定づける所まで見せた所、惑星を動かすブースターに地球軍の時限ミサイルを仕掛けて惑星ごと破壊してしまうオチはちょっと大味すぎるか。
2014-07-30 23:32:09どちらかとなると作戦よりも本筋とはあまり関係ないピーターとピネロン人の老人のやり取りが面白い。地球で身を潜めて住まなくてはいけなかった老人が人目を避けていた所、同じピネロン人としてピーターに出会った事で人とのふれあいで心を潤ませる……。
2014-07-30 23:34:19