ラバウル少佐日誌:暗黒の海溝編其ノ弐

艦これ二次創作小説です。 潜水艦娘の過去捏造注意です。
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檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

(前回までのあらすじ: 自身と同じ顔をした潜水カ級と邂逅する悪夢を見た伊19。自身の出自に不安を抱いた彼女は、鏡に映る自身へ問う) #ラバウル少佐日誌

2014-07-11 00:15:00
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「……私は、誰……?なの?」 伊19の問いに、鏡の中の伊19は何も答えない。 ……それでいい。 それで『わたしは、あなた?』 (1) #ラバウル少佐日誌

2014-07-11 00:28:18
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

問い返す、鏡の向こうの伊19。 慌てて彼女は、鏡に添わせた手を引こうとするも、 『わたしは、あなた……?』 鏡の中から、自身が自身の腕を掴む。 (2) #ラバウル少佐日誌

2014-07-11 00:31:09
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

腕を引かれる。 鏡の向こうへ引き込まれた指先から先の感覚が無くなってゆく。 息が上がってゆく。 然し身体は言い知れぬ寒さに震える。 声が出ない。 右手首まで感覚が無くなった。 息が詰まる。 身体が鏡像と入れ替わったかの様に熱を失ってゆく。 動けない。(4) #ラバウル少佐日誌

2014-07-11 00:40:30
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「伊19か?」 彼女は、そのやけに湿った甲高い男の声が耳に入った事により、漸く『呪い』から解放された。 「……何してたんだ?」 『彼』にそう問われても、無理ない。 全身から脂汗が噴き出して、普段から血色の悪い肌を更に青白くさせていては。(5) #ラバウル少佐日誌

2014-07-11 00:52:19
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「提督……」 伊19は、掠れた小声で彼を呼び、抱きつこうとした……が、 「イクから目を逸らしちゃダメなのね」 唯々、不気味な微笑みを見せるだけに留めておいた。 彼を求めたとして、彼は自身に応えはしないし、好い感情も抱かない事を、彼女は知っていたのだ。(6) #ラバウル少佐日誌

2014-07-11 00:56:09
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「あまり『変なもの』に構われるなら、臆せず相談するように。羽黒の隣のベッドは、何時でも空けてある」 「イク無しでオリョクル回して8ちゃんやイムヤが壊れちゃったら余計コスト高くつくのね」 「元々お前等壊れてるも同然だろ」 「じゃあ何でイクだけ特別扱いなの」(7) #ラバウル少佐日誌

2014-07-11 01:04:53
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

少佐は、黙った。 そして伊19から目を逸らした。 「伊401の配属準備が整いつつあるからだ」 「ええ……あの資材バカ食いオーパーツ潜水艦また来るの?」 「いや、そっちじゃない。艦娘の方」「ああ……」 「だから最近な、奇行の目立つお前に有給でもと……」(8) #ラバウル少佐日誌

2014-07-11 01:09:22
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「イクは人間じゃないから、そういうのいいの」 伊19は彼の言葉を遮った。 「それにイクの心配する位なら、ゴーヤの方がトんでるし、そっちの方気にして欲しいの」 言い終わると、「うおっ……!」 彼女は徐にキャミソールを脱ぎ捨てて、少佐へ投げつけた。(9) #ラバウル少佐日誌

2014-07-11 01:14:51
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「ほら、拗らせ童貞はとっとと帰るのね。それとも……イクと一緒に、シャワー浴びたい? いひひひっ!」(続く) #ラバウル少佐日誌

2014-07-11 01:18:36