「 #口ずさむ一節 」の巻

つい口が動いてしまうこともあるだろう
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もと @nn0to

・聖書の中から、彼らが彼に駆け寄ってきた。 ・彼は虚無を首巻きのように巻いているが、虚無はなかなか彼の首を絞めそうにもない。 ・蟻は、大半の時間を働きもせずに過ごす。そういう蟻が想像する革命。 カネッティ『蝿の苦しみ―断想』青木隆嘉=訳 #口ずさむ一節

2014-07-16 22:14:18
かのちか @30fromMars

花なる人の こひしとて 月に泣いたは 夢なるもの 横瀬夜雨「やれだいこ」 #口ずさむ一節

2014-07-16 22:18:44
つぼ @hirootsubo

一人の心に灯をともす 別の一人に欠伸をさせる ― 堀口大學「詩 又又又」 #口ずさむ一節

2014-07-16 23:05:01
三月の水 @mizuhikoy

黄金の夢 が波うつ 髪の 罌粟の色 に染めた爪の 若い女がつんぼの童子の手をとつて 紅をつけた口を開いて 口と舌を使つていろいろ形象をつくる アモー アマリリス アジューア アーベイ 夏が来た 西脇順三郎 「夏(失われたりんぼくの実)」より #口ずさむ一節

2014-07-16 23:06:26
つぼ @hirootsubo

二つの大西洋があった。一つは灯台の外に、一つはわたしの中に。 わたしの中の海に、わたしを導いてくれる光の列はなかった。 ― ジャネット・ウィンターソン『灯台守の話』岸本佐知子訳 #口ずさむ一節

2014-07-16 23:17:47
syouko @Lacus_Temporis

しかし創造者は去って行くのだ。それでも音楽がすぐ耳から消えることはない。物語もすぐ消え去ることは許されない。運命の女神の弦は鳴りつづけているからだ。 ナボコフ『賜物』大津栄一郎訳 #口ずさむ一節

2014-07-17 02:13:31
syouko @Lacus_Temporis

それは、つめたい海の風が残していった塩の結晶で、空の星のまたたきに呼応するように、暗い水辺で弱い光を放ちながら、数知れない恍惚を演出して、あっというまに私を包みこみ、たましいが漂った。 須賀敦子『ユルスナールの靴』 #口ずさむ一節

2014-07-17 02:22:02
imany @Entbergen0426

いくつもの奇跡的な出会いが地の底の水脈でつながり、言葉と言葉を、人と人を艶やかな表面で結びつけ、誰も見たことのない深さに変貌させていくような瞬間に遭遇したとしたら、感謝をこめて、私はそれを「文学」と呼んでおきたい。 堀江敏幸『書かれる手』 #口ずさむ一節

2014-07-17 02:46:41
あんのうんくん @unknowntb140

神を探しています。司書はいった。神はクレメンティヌムの四十五万冊のなかの一冊のなかの一ページのなかの一字のなかにおられます。(ボルヘス「隠れた奇跡」) #口ずさむ一節

2014-07-17 16:35:02
あんのうんくん @unknowntb140

ところでクレメンティヌムの図書館は実在する。きれい。>blogs.yahoo.co.jp/swaochan/13198…

2014-07-17 16:36:24
もと @nn0to

私たちの間には、愛よりももっとよいもの、共犯性がある。 ユルスナール『火』多田智満子=訳 #口ずさむ一節

2014-07-17 19:40:53
もと @nn0to

そもそも盗むことなしに、盗む価値のあるものを手にすることができようか。 佐藤亜紀『鏡の影』 #口ずさむ一節

2014-07-17 19:43:56
もと @nn0to

読書の一時間は楽園から盗まれた時間だと、イスラム教徒がいうじゃありませんか。 ウォートン『サラマンダー―無限の書』宇佐川晶子=訳 #口ずさむ一節

2014-07-17 19:49:20
つぼ @hirootsubo

わたしのまなざしのなかに、わたしのしぐさのなかに、わたしが存在することの、ひとつひとつの震えのなかに<あなた>はいる。 ― マグダ・オランデール=ラフォン『四つの小さなパン切れ』高橋啓訳 #口ずさむ一節

2014-07-17 23:14:37
つぼ @hirootsubo

考えるとは、二分法で考えない、ということです。二分法からはじめない。それは読むことのはじまりです。 ― 長田弘『知恵の悲しみの時代』 #口ずさむ一節

2014-07-17 23:36:39
yen(留守) @golden_wheat

こんなやみよののはらのなかをゆくときは 客車のまどはみんな水族館の窓になる 青森挽歌 / 宮沢賢治 #口ずさむ一節

2014-07-18 00:35:05
syouko @Lacus_Temporis

たそがれの夢、 ただ一日の終りにくる夢 そして一日の終りと共に戻っていく 灰いろのものに、暗いものに、 夢の国の遥かな、深いものに。 たそがれの夢『シカゴ詩集』サンドバーグ #口ずさむ一節

2014-07-18 01:14:35
syouko @Lacus_Temporis

夢、ただたそがれの夢、 一日の喪失が涙で 心の喪失を記しとどめた失われた日々の なつかしい思い出の映像だけ。 涙と喪失と破れた夢は たそがれにあなたの心を見つけるだろう。 たそがれの夢『シカゴ詩集』サンドバーグ #口ずさむ一節

2014-07-18 01:15:35
つぼ @hirootsubo

心がうらぶれたときは 音楽を聞くな。 空気と水と石ころぐらいしかない所へ そっと沈黙を食べに行け! 遠くから 生きるための言葉が 谺してくるから。 ― 清岡卓行「耳を通じて」 #口ずさむ一節

2014-07-19 21:59:32
もと @nn0to

すべては目のために、目と心の娯しみのために。 __フィリッポ・ブオナンニ 荒俣宏『ファンタスティック・ダズン』 #口ずさむ一節

2014-07-21 20:22:55
もと @nn0to

その必要はない、家から出なくても。机に向ったまま聞け。聞かなくてもよい、苦しくなるまで待て。待たなくてもよい、じっとうごかずにひとりでいれば。きっと世界のほうから仮面を脱いでくる、決まっている、そしてめまぐるしく目の前で旋回するだろう。 カフカ 高橋悠治=訳 #口ずさむ一節

2014-07-21 20:34:32
つぼ @hirootsubo

柘榴になりたい。とつぜん、そんな考えがうかんで、私を驚かせた。こまかい葉をつけた茂みのひとつになって、私も白い神殿の丘に残りたかった。 眠れないまま、星のような時間が流れた。 ― 須賀敦子『ユルスナールの靴』 #口ずさむ一節

2014-07-22 02:46:07
syouko @Lacus_Temporis

「お互い、瞼を閉じると、目の裏に相手の姿が浮かび、遠くにあってその人を想うと、懐かしさがこみ上げるーーーそれが〈眼中の人〉です」 久世光彦『蕭々館日録』 #口ずさむ一節

2014-07-22 09:10:15
つぼ @hirootsubo

粉々になった心を抱き、静かに生きる人々がいる。荒々しい自然と人間の臭み、神話の融合した小説世界は、洗練とは逆を向きながら、ぞっとするほどの、透明な悲哀を抽出する。放心した。すばらしい小説だ ― 小池昌代、クレア・キーガン『青い野を歩く』の帯文 #口ずさむ一節

2014-07-22 12:45:08
もと @nn0to

放蕩のほか楽しみはなく、死のほかに罰はない。 野崎歓『異邦の香りーーネルヴァル「東方紀行」論』 #口ずさむ一節

2014-07-22 20:48:28
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