#口ずさむ一節

「私たちはすこしずつ、孤独が、かつて私たちを恐れさせたような荒野でないことを知ったように思う」須賀敦子
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カメオッパ角谷/K @Ykfpmb

彼を怖いと思ったことはなかった。子供の頃も。黄色い雨がその秘密を明かしてくれた夜も、怖いとは思わなかった。 彼を怖いと思ったことはなかった。というのも、彼もやはり老犬を追う貧しく孤独な犬獲りだとわかっていたからだ。 リャマサーレス『黄色い雨』より #口ずさむ一節

2014-07-14 21:32:44
ノアノア33 @noanoa_33

今は真夜中だ。友よ、外は漆黒の闇、どしゃぶりの雨だ。 #口ずさむ一節 残雪の「わたしの、あの世界でのこと-友へ-」から。

2014-07-14 22:22:16
もと @nn0to

神は神々を欲し給う。__ノヴァーリス ホッケ『マグナ・グラエキア』種村季弘=訳 #口ずさむ一節

2014-07-14 22:36:48
もと @nn0to

「金の滴 降る降る まわりに 銀の滴 降る降る まわりに .」 『アイヌ神謡集』知里幸恵=編訳 #口ずさむ一節

2014-07-14 22:43:47
もと @nn0to

ナイーブであるには、君はドストエフスキーを読み過ぎている。 ロス「乳房になった男」大津栄一郎=訳 #口ずさむ一節

2014-07-14 22:54:51
つぼ @hirootsubo

ネリさんは苗字をゲーブルと言って、俳優の娘だったらね、と笑う。ポワンソン部門が仕事場の活字彫刻師で、そこはすこし特別な場所である。 ― 港千尋『文字の母たち』 #口ずさむ一節

2014-07-14 23:05:36
つぼ @hirootsubo

カメラは掌のなかの夜である。 箱のかたちをした闇、手に持って運ぶことのできる、真昼のなかの夜である。 ― 港千尋『愛の小さな歴史』 #口ずさむ一節

2014-07-14 23:06:25
つぼ @hirootsubo

落ちこぼれ 和菓子の名につけたいようなやさしさ ― 茨木のり子「落ちこぼれ」 #口ずさむ一節

2014-07-14 23:23:32
ふたばこ @futabako

選りに選りて 上水道に身投げして 死骸の汁を四日飲ましむ 森本治吉 #口ずさむ一節 今年も桜桃忌がきた

2014-07-15 01:09:40
ふたばこ @futabako

月の夜は大きな書物、 ひらきゆくましろき頁。 人、車、橋の柳は 美しくならべる活字。 樹がくれの夜の小鳥は、 ちりぼひて黒きふり仮名。 西條八十 『書物』 #口ずさむ一節

2014-07-15 01:14:44
syouko @Lacus_Temporis

石の眠りは深くして、花落つれども、ただ、しづか、 石の眠りは昏く(くらく)して、雨ぬらせども、ただ沈黙(しじま) 西条八十「石」 #口ずさむ一節

2014-07-15 01:49:26
syouko @Lacus_Temporis

香ひのピアノは、一つ一つキイを叩くごとに、一つ一つ記憶が奏鳴する。 北原白秋「香(にほ)ひの狩猟者 #口ずさむ一節

2014-07-15 01:58:21
もと @nn0to

そんなふうに見ていては、水平線は存在しない。視線が水平線を作るんだ。まばたきするたびに崩れる一本の糸。 サンチェス『空気の名前』斎藤文子=訳 #口ずさむ一節

2014-07-15 22:04:44
amd @amdsimone

蛇(くちなは)が〈隠れて生きよ〉と人妻に (攝津幸彦『鸚母集』) #口ずさむ一節

2014-07-15 23:58:35
せら @Treasure_Table

もうけつしてさびしくはない なんべんさびしくないと云つたとこで またさびしくなるのはきまつてゐる けれどもここはこれでいいのだ すべてさびしさと悲傷とを焚いて ひとはとうめいな軌道をすすむ #口ずさむ一節 コレも賢治センセイ。(口にする時は、どっちか片方のことが多いような)

2014-07-16 01:13:22
侑子 @Lewis31513058

現実の場に立ち上がる 物語の迷宮にようこそ 神林長平「敵は海賊・不敵な休暇」 #口ずさむ一節

2014-07-16 01:31:59
キンモクセイ文庫 @kinmokuseilib

生まれつきを変えようたって  神様にだってできゃしない ああ生まれつき 生まれつき 誰が決めたか 生まれつき 田辺聖子さんの『スヌー物語』より #口ずさむ一節

2014-07-16 10:38:34
もと @nn0to

ぼくからこぼれる夜の時間 考えくらべ、測る間もなく この夜はもう終わりに近い 鳥が外で朝を告げる カール・クラウス 高橋悠治=訳 #口ずさむ一節

2014-07-16 21:38:53
もと @nn0to

運命は 屋上から身を投げる少女のように 僕の頭上に 落ちてきたのである もんどりうって 死にもしないで 一体だれが僕を起こしてくれたのか 少女よ そのとき あなたはささやいたのだ 失うものを 私があなたに差し上げると 黒田三郎「もはやそれ以上」#口ずさむ一節

2014-07-16 21:52:01
もと @nn0to

・聖書の中から、彼らが彼に駆け寄ってきた。 ・彼は虚無を首巻きのように巻いているが、虚無はなかなか彼の首を絞めそうにもない。 ・蟻は、大半の時間を働きもせずに過ごす。そういう蟻が想像する革命。 カネッティ『蝿の苦しみ―断想』青木隆嘉=訳 #口ずさむ一節

2014-07-16 22:14:18
かのちか @30fromMars

花なる人の こひしとて 月に泣いたは 夢なるもの 横瀬夜雨「やれだいこ」 #口ずさむ一節

2014-07-16 22:18:44
つぼ @hirootsubo

一人の心に灯をともす 別の一人に欠伸をさせる ― 堀口大學「詩 又又又」 #口ずさむ一節

2014-07-16 23:05:01
三月の水 @mizuhikoy

黄金の夢 が波うつ 髪の 罌粟の色 に染めた爪の 若い女がつんぼの童子の手をとつて 紅をつけた口を開いて 口と舌を使つていろいろ形象をつくる アモー アマリリス アジューア アーベイ 夏が来た 西脇順三郎 「夏(失われたりんぼくの実)」より #口ずさむ一節

2014-07-16 23:06:26
つぼ @hirootsubo

二つの大西洋があった。一つは灯台の外に、一つはわたしの中に。 わたしの中の海に、わたしを導いてくれる光の列はなかった。 ― ジャネット・ウィンターソン『灯台守の話』岸本佐知子訳 #口ずさむ一節

2014-07-16 23:17:47