今日は宗教の話をしよう

sakumichi氏に対する質問から話が始まり、今度はsakumichi氏の質問に答える形式で対話が続きます。ここでは宗教の役割、そして、仏教が日本に浸透するまでをテーマに話が進みます。
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瀧岡 優 (Yu Takioka) @ytakioka

@sakumichi 悩みを聞いてくれる場所が減っていったことが精神医学が生まれた一つの背景であるということは中井久雄も述べています。個人が個人を思いやるそういう心を持つ人が増えれば精神科医は要りませんそうじゃない世の中だから精神科医も宗教も”必要とされているんだと思います。

2010-11-16 04:48:17
N. Sakumichi @sakumichi

@yutakioka 少し戻ります。「信仰などの精神的なwell-beingの不安は物質的欲求つまり金銭や食べ物の不安がなくなった時に初めて問題になるんだと思います。」と言われましたが、では、貧困問題のあったインドで仏教が発祥して、それが流行ったのは何故でしょうか?

2010-11-16 04:50:28
瀧岡 優 (Yu Takioka) @ytakioka

@sakumichi 興味深い質問ですね~。実は論点は二つあるので別々に答えていきたいと思います。まず仏教の発生について答えますね。 RT貧困問題のあったインドで仏教が発祥して、それが流行ったのは何故でしょうか?

2010-11-16 04:52:54
N. Sakumichi @sakumichi

@yutakioka よろしくお願いします。非常に興味があるので。ツイートされた時点で疑問に思ったんですが、流れを切ってしまうので自重していました。

2010-11-16 04:56:22
瀧岡 優 (Yu Takioka) @ytakioka

@sakumichi まず、仏教思想の源流になっているのはヒンドウ教ですよね。それで、そのバラモンという特権階級の人間が発明したヒンドウ教の教義を基にそれに4つの高貴な事実などを追加して、これまた、富裕な階級の仏陀が説いたのが仏教の始まりですよね。

2010-11-16 04:57:50
瀧岡 優 (Yu Takioka) @ytakioka

@sakumichi ですから、まず第一の疑問、つまり、仏教は貧困のインドで生まれましたが、発明したのは食べ物に不安のない層であったということで、マズローの説に矛盾しないわけです。二番目ですが、仏教が流行ったとおっしゃいましたが、実はこれがみそなんですよ。

2010-11-16 05:00:06
瀧岡 優 (Yu Takioka) @ytakioka

@sakumichi というのは、貧困のインドにおいて仏教というのは、民衆にあまり浸透しなかったんです。一部の神学者や貴族階級に受けただけでした。その証拠に今でも仏教とはインドでは少数派です。また仏教的な考えでは、人にも動物にも差はないわけですね、ましてや人間間に差はありません。

2010-11-16 05:03:54
N. Sakumichi @sakumichi

@yutakioka 宗教を発明するのが富裕層、というのは自然ですね。食べ物に不安にある人は、深く思索する暇がないので。納得できます。 RT 発明したのは食べ物に不安のない層であったということで、マズローの説に矛盾しないわけです。

2010-11-16 05:04:23
瀧岡 優 (Yu Takioka) @ytakioka

@sakumichi そして、仏教はそのカースト制度の批判として生まれた側面がありました、しかし、今でもインドにカースト制度が残っていることを考えても流行ったとは言えません。そして幸運なことにインドで廃れたが故にシルクロードを伝って6世紀前後に中国に広まったわけです。

2010-11-16 05:05:35
N. Sakumichi @sakumichi

@yutakioka なるほど!すごく説得力があります。僕の宗教に対する考えが少し変わりました。目から鱗です。 RT 貧困のインドにおいて仏教というのは、民衆にあまり浸透しなかったんです。一部の神学者や貴族階級に受けただけでした。その証拠に今でも仏教とはインドでは少数派です。

2010-11-16 05:07:47
瀧岡 優 (Yu Takioka) @ytakioka

@sakumichi でなぜ、中国で仏教が流行ったのかといいますと、当時の皇帝の政策もありますが、当時の唐は極めて豊かな国でした、今でいう米国の世界に占めるGDPの割合よりも大きかったぐらいです、正確な数値は忘れましたが30数パーセントはありました。

2010-11-16 05:07:56
瀧岡 優 (Yu Takioka) @ytakioka

@sakumichi なので、食べるのに困らない多くのアッパーミドルクラスの商人にまず伝わり、そして、ミドルクラスに伝わりとなり、流行ったわけです、絶対的にミドルあるいはアッパーミドルクラスが他国よりも多かったからです。そこで中国で仏教の体系化が図られて発展しました。

2010-11-16 05:11:45
瀧岡 優 (Yu Takioka) @ytakioka

@sakumichi そして、公益を通じて周辺諸国に、仏教は様々な宗派にわかれながらも広がりました。日本でも仏教が入ってきてから、まずそれを受容したのは、貴族や公家などの富裕層でした。そして政府が仏教を事実上の国教と定めてから民衆に根ずくまではしばらく時間がかかりました。

2010-11-16 05:14:31
N. Sakumichi @sakumichi

@yutakioka これを聞いていると、当時の宗教に当たるものは、近代〜現代では、学問のように感じます。特に近代では、食べるのに困らない貴族が学問を深めているので。そのように考えてよいでしょうか?(もちろん、一連のツイートが終わってからで構いません。)

2010-11-16 05:15:53
瀧岡 優 (Yu Takioka) @ytakioka

@sakumichi 民衆が自分達の宗教として認識したのは農業の生産性があがり、少し生活に余裕が出始めた鎌倉時代初期の浄土宗がはじめと言えるみたいですね、鈴木大拙によれば。なので、基本的には宗教の受容というのも、それを考えている時点で、裕福で幸せなことなんですよ。

2010-11-16 05:17:18
瀧岡 優 (Yu Takioka) @ytakioka

@sakumichi そうですね、そのように考えてよいと思います。西欧でも神学は最も古い学問の一つでしたからね。RT当時の宗教に当たるものは、近代〜現代では、学問のように感じます。

2010-11-16 05:20:36
N. Sakumichi @sakumichi

@yutakioka ありがとうございます!非常に勉強になります。@hope_blossom さんと同じで、起きてて良かったです。(僕はまだ寝ないですが。)

2010-11-16 05:23:45
N. Sakumichi @sakumichi

@yutakioka では、現代では、市民に宗教を流行らそうとするよりも、(学問の例として例えば、)科学リテラシーを高める方が良いと言うことになりますか? RT そうですね、そのように考えてよいと思います。西欧でも神学は最も古い学問の一つでしたからね。RT当時の宗教に当たるもの

2010-11-16 05:25:59
N. Sakumichi @sakumichi

@yutakioka 一流の名講義を聞いた後と同じ気分です。このような話を見ず知らずの者に個人教授していただき、ありがとうございます。

2010-11-16 05:28:36
瀧岡 優 (Yu Takioka) @ytakioka

@sakumichi そうですね、私はそう思いますね、宗教というのは、無理やり流行らせるべきものではなくて、人々が自然にそれを必要と思った時にあればよいものと思います。仏教の先程の例じゃありませんが、必要性を自身で感じない信仰など意味はありませんからね。

2010-11-16 05:28:42
瀧岡 優 (Yu Takioka) @ytakioka

@sakumichi そして、何もせずとも、生まれてくる宗教への紐帯ほど強く、本人の血となり肉となるものはありませんからね~。ではではいえそんな、大したことありませんよ、私の知りうる限りの事を話したまでです。それではまた~。ありがとうございます。

2010-11-16 05:30:46