甲状腺結節性病変(Thrroid Nodule)について

@cyborg0012 さんのつぶやきをまとめさせて頂きました。
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東京GIGO @ekb90377

福島甲状腺ガン問題。一部の方々が、一巡目が過剰検査/治療であると強調すればするほど、二巡目時点では(一生分刈尽くして草一本残ってない状態)のはず。よって二巡目以降での過剰検査/治療の心配は不要となる。なのに、なぜ躍起になり今ここで止めさせようとするのか?本当は何を恐れているのか?

2014-07-06 11:14:49
cyborg001 @cyborg0012

甲状腺結節性病変(Thyroid Nodule)について 甲状腺結節性病変(thyroid nodule、TNと略す)について、甲状腺内分泌学の定説を以下に簡単にツイートします。

2014-07-21 03:35:50
cyborg001 @cyborg0012

周知のように、福島健康検査ではシコリや嚢胞をエコー検査で絞り、二次検査でそれが悪性か否かを生検等で診断している。シコリおよび嚢胞は甲状腺正常細胞内で異常増殖した塊=「甲状腺結節性病変」(thyroid nodule)の下位分類であり、悪性の場合甲状腺癌となる(悪性TN=癌)。

2014-07-21 03:36:33
cyborg001 @cyborg0012

以下は、英語ウィキペディアより。学者により言葉の定義や使用法は必ずしも統一されていないが、欧米では充実性優位のTNをシコリ、液状優位のTNを嚢胞、悪性TNを癌と定義するのが一般的である。 pic.twitter.com/LIBo92pxm1

2014-07-21 03:37:42
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cyborg001 @cyborg0012

福島では甲状腺結節性病変(嚢胞、しこり)が4割から5割の子どもに発見されている。また、環境省対照群検査では、全体で57%の子どもに病変が発見されたと報告されている(青森58.9%、山梨70.4%、長崎43.1%)。

2014-07-21 03:38:23
cyborg001 @cyborg0012

福島および他地域3県の発見率を、Mazzaferri(1993)の古典的図式(触診、エコー、剖検によるTN発見率と年齢の相関性を示した図)に当てはめたのが以下図。福島と他地域の頻度は「中高年の頻度」と同等である。 pic.twitter.com/bQxqXf5EbQ

2014-07-21 03:50:35
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cyborg001 @cyborg0012

Mazzaferri(1993)の図式は剖検例を含んでおり、重要である。剖検は顕微的(microscopic)なレベルの病変検出が可能であり、高性能超音波エコーに匹敵する高い精度をもつ検査手法である。 pic.twitter.com/n3by5kA3Vl

2014-07-21 03:55:05
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cyborg001 @cyborg0012

また後述するように、甲状腺結節性病変の生涯有病率は60%前後とされている。福島や他地域の子どもの有病率はこの生涯有病率に匹敵し、一部では(山梨の70.4%)はそれを上回っている。これは甲状腺医学が予想していない事態であり、定説から大きく逸脱した結果である。

2014-07-21 03:56:05
cyborg001 @cyborg0012

実際に、検討委員の清水一雄教授(日本医科大、甲状腺医学専攻)は、「私は驚いている。17万人検査して、40-50%も嚢胞があるとは予想していなかった」(2013年6月5日)と発言している。これは専門医として「当然の発言」であろう。 pic.twitter.com/zbkNogY6Cw

2014-07-21 03:59:58
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cyborg001 @cyborg0012

ここで、甲状腺結節性病変(thyroid nodule=TN)についての甲状腺内分泌学の定説を簡単にまとめておきたい(以下図)。 pic.twitter.com/QXGx9gWQ25

2014-07-21 04:03:27
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cyborg001 @cyborg0012

以下はL. Hegedus(2003)からの引用である。甲状腺結節性病変は女性に多く、加齢で増大することが述べられている。また、剖検例による有病率評価にも言及している。 pic.twitter.com/1tIAYMdJ0c

2014-07-21 04:07:12
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cyborg001 @cyborg0012

R. Rogerman & G. Liebermanは、30才人口集団の甲状腺結節性病変の有病率を20%、生涯有病率を60%前後としている。 pic.twitter.com/m2sbrli8Bi

2014-07-21 04:12:30
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cyborg001 @cyborg0012

甲状腺結節病変が年齢とともに増加することはよく知られているが、「50才で50%」、「60才で60%」、「70才で70%」と年齢と有病率の間にシンクロ現象が見られるとの指摘もあり(J. Norman)、興味深い。 pic.twitter.com/FQsVkUXTX3

2014-07-21 04:18:31
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cyborg001 @cyborg0012

実際にこうしたシンクロを確認するために、2006年から2008年に韓国で実施された甲状腺エコー検査に目を向けてみたい。以下は検査概要である(Y. J. Choi et al. 2008)。 pic.twitter.com/7hGJLoyYxS

2014-07-21 04:26:42
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cyborg001 @cyborg0012

被験者は7,491人であり、甲状腺結節病変(充実性病変36%、コロイド嚢胞21%)の検出率は計53.8%である。被験者の平均年齢は不詳であるが、癌患者の平均は51才である。 pic.twitter.com/vEsgWZ1Yr5

2014-07-21 04:33:24
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cyborg001 @cyborg0012

むろん、韓国の検査一例では断定できないが、年齢と結節性病変には大ざっぱな正比例の関係が成立しているとの見解はMazzaferriの図とも整合的である。改めて、福島や他3県の結果は「驚くべき予想外の結果」(清水一雄教授)と言えるだろう。 pic.twitter.com/l98fD6WGI3

2014-07-21 05:03:26
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cyborg001 @cyborg0012

ここで、福島と他の小児集団の甲状腺エコー検査の比較を見てみよう。一般に子どものエコー検査は実施例が少なく、他症例との比較は困難である。ただし、ハイリスク集団の子ども(甲状腺疾患患者、医療被ばく者)のエコー検査については幾つか症例がある。参考までにデータを挙げておきたい。

2014-07-21 05:04:41
cyborg001 @cyborg0012

まずは、小児自己免疫性甲状腺炎(JAT)患者365人に対する超音波エコー検査(イタリア、1997-2006年)を見てみよう。年齢は8.5才から18才である。結節性病変は31.5%、癌は3%の患者に発見されている。 pic.twitter.com/0eq8nwa3Jc

2014-07-21 05:09:21
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cyborg001 @cyborg0012

以下図は、造血幹細胞移植のために放射線全身照射を受けた血液疾患の子ども76人に対して行われた甲状腺エコー検査(フランス、1989-2009年)の結果である。結節性病変は28%、癌は7.8%の患者に発見された。 pic.twitter.com/0qBgB9bChl

2014-07-21 05:11:08
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cyborg001 @cyborg0012

なお、伊の自己免疫性甲状腺炎患者は3ミリ以上の結節、全身放射線照射を受けたフランスの血液病患者については4ミリ以上の結節を検出している(以下図は仏検査の抜粋)。 pic.twitter.com/TKew83iJ7j

2014-07-21 05:13:07
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cyborg001 @cyborg0012

伊、仏ともに癌が被験者の3%、7.8%に発見されており、極めてハイリスクな集団である。福島と前2者を比較したのが以下図である(福島は3ミリ以上の病変で集計)。福島は赤ちゃんや若年小児が半数を占めている点に注意が必要である。 pic.twitter.com/iucY0387YE

2014-07-21 05:15:05
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cyborg001 @cyborg0012

むろん、これら比較症例はサンプル数が少なく、確定的な結論は慎むべきであろう。それでもなお、福島の甲状腺結節性病変有病率に関して「想定内。驚くに値しない」とする立場が既存の医学では支持しえないことは、成人剖検例はむろん、これらハイリスク集団との比較を通じてもより明らかであろう。

2014-07-21 05:15:48
cyborg001 @cyborg0012

次に、甲状腺結節病変(TN)の性差、およびリスク要因について。TN有病率は女性が高く、男女比は1対4とされている。また、放射線被ばくはリスク要因であり、有病率を約20倍増加させると報告されている(以下図)。 pic.twitter.com/NMdXam3hpE

2014-07-21 05:17:01
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cyborg001 @cyborg0012

このように、女性は男性のおよそ4倍の有病率となる。ただし、チェルノブイリ検査(笹川財団検査)では甲状腺結節性病変にジェンダー差は確認されていない(男女比1対1.54)。この点が被曝起因のTNの特徴であるか否かは不明である。 pic.twitter.com/FFdJROzorM

2014-07-21 05:21:07
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cyborg001 @cyborg0012

なお、福島もチェルノブイリと同じく、甲状腺結節性病変にジェンダー差が見られない。14回発表では、A2判定の男女比1対1.06、B・C判定1対1.92、全体の性比は1対1.07である。この点は癌の性比も同様であり、チェルノブイリと同じく福島の甲状腺癌は男子比が通常よりも高い。

2014-07-21 05:24:04