Hiro Hirai先生講演会

2014年7月25日に東京大学駒場キャンパスで開催された講演会の模様をまとめました。同キャンパスで開催された集中講義の一環でもあります(http://togetter.com/li/697906)。
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Q @kimo_Q

それで研究者たちの錬金術観は大きく変わった。今同じようなことが占星術に関して起こりつつある。占星術を歴史的な現象とみなし、天文学との関係を見たり宮廷への影響を見たりする研究がなされている。 #BH講演会

2014-07-25 17:30:26
Hemmi Tatsuo @camomille0206

駒場では盛り上がっているようだな #BH講演会

2014-07-25 17:32:08
Q @kimo_Q

Anthony Grafton の議論。視点が限定される問題。(1)一般的な議論が引き出せる数人の「重要人物」だけに注目が集まり、アイデアの背景にある先行する人々や議論、伝統が検討されていない。(2)国民国家の観点から細切れに研究がなされている。 #BH講演会

2014-07-25 17:36:56
Q @kimo_Q

その点日本にいるというのはある意味幸運。翻訳文化が発達しており、比較的容易に様々な議論を参照できる。だがドイツ、フランスの文献はわりと紹介されていても、イタリアとなると確固とした研究伝統があるにもかかわらず抜け落ちてしまいがち。 #BH講演会

2014-07-25 17:39:06
Q @kimo_Q

離れたところにいるからこそ見えてくることがあるのではないか。バランスの取れた視点を得ることができるのではないか。このグラフトンの議論は日本にも当てはまるのではないか。 #BH講演会

2014-07-25 17:41:19
ぷろれごーめな @paralipomena89

>過去20年において一番大きく科学史の地図を書き換えたのが錬金術研究。 >それで研究者たちの錬金術観は大きく変わった。今同じようなことが占星術に関して起こりつつある。 wktkモフモフw

2014-07-25 17:41:23
Q @kimo_Q

グラフトンの議論。二つの危険な誘惑。(1)英雄視してしまって研究対象を実際以上に創造的だったとみなしてしまう。(2)逆に文脈を重視しすぎて創造性をほとんど認めない。これらからのバランスを保つことがおそらく大事だろう。 #BH講演会

2014-07-25 17:43:04
Q @kimo_Q

こういうことを集中講義で扱ってきた。特にインテレクチュアル・ヒストリーのなかで重要なのは、ある学問の体系が、昔存在していたものが形を変えて現代に至るのだが、その形を変えてしまう前の姿をできるだけ忠実に再現、再構成する努力が必要だということ。 #BH講演会

2014-07-25 17:44:10
Q @kimo_Q

16世紀の発生学を研究するうえで私が取り組んできたことはグラフトンが言っていることそのままだと今になると感じる。再構成のためには一風変わった古臭い書物をいくつも読まないといけないし、奇妙に見える問いへの解答の意味を理解しないといけない。 #BH講演会

2014-07-25 17:47:39
Q @kimo_Q

これは、その問いの背景にある伝統を理解しないといけないということだ。古いテクストを読んでいると、みなさんも「なぜこんなことを言うのだろう?」という場面に出会うことがあるだろう。 #BH講演会

2014-07-25 17:47:51
Q @kimo_Q

その著作家が慣れていた論争や知のありようからあまりにも距離が離れてしまって理解できなくなっているところからだと、ばからしいと見えてしまうことがある。その当時あった論争や知の伝統を理解することではじめて一見奇妙に見える考え方がわかる。 #BH講演会

2014-07-25 17:48:46
Q @kimo_Q

そのためには同時代人や先行者の著作や論争をなるべく多く見て何が問題となっていたのか、なぜそういう発言が出てくるのかを理解する努力をしないといけない。 #BH講演会

2014-07-25 17:49:17
Q @kimo_Q

そのためにどうすればいいか。ある著作が出た場合に、それに反論する人がいる。それを調べる。また少し距離をおいた何世代か後の人々の反応を見る。これらは大事なこと。本当にこれは別に新しいことではない。 #BH講演会

2014-07-25 17:49:24
Q @kimo_Q

みなさんのなかにもしている人は多いだろうけど、意識的に文脈の理解に努力を注ぐことを重視するのがインテレクチュアル・ヒストリーなのではないか。 #BH講演会

2014-07-25 17:49:31
藤本大士 @fujimoto_d

なお、現在紹介されているアンソニー・グラフトン『テクストの擁護者たち』は、 BH叢書の第3弾として勁草書房さんより近日刊行予定です!楽しみにお待ちください(・∀・) geocities.jp/bhermes001/bhs… #BH講演会

2014-07-25 17:51:58
Q @kimo_Q

#BH講演会 質疑応答にうつります。

2014-07-25 17:52:57
Q @kimo_Q

「グラフトンという人はヒライさんの手法を代弁しているかのようだがどういう人なのか」「邦訳もある。一つはカルダーノを扱ったもの、もうひとつは美術史家たちが訳したアルベルティを扱ったもの。3冊目を今訳している。」 #BH講演会

2014-07-25 17:56:17
Q @kimo_Q

「ヒライさんの思っていることを代弁してくれるということは、インテレクチュアル・ヒストリーについてのかなり共通の理解があるのだろうか」「手法についてはいろいろな説明があって、様々な理解がある。ただ(続)」 #BH講演会

2014-07-25 17:56:22
Q @kimo_Q

「グラフトンのこの本を読んで、自分がやってきたのはまさにこれなんだということに後から気づいた。」 #BH講演会

2014-07-25 17:56:27
Q @kimo_Q

研究テーマの選び方。どうやって対象を見つけてくるのか。「基本的なスタンス。現代の世界にどう役立つか、といったことはあまり気にしない。実学的ではないかもしれない。だが歴史学は人間としてより良く生きる糧になるのではないか。」 #BH講演会

2014-07-25 18:00:34
Q @kimo_Q

「学問体系が形を変えてしまう前の姿を再構成するというのはとてもおもしろい話だが、錬金術がそれに当たるのだろうか」「錬金術はそれをまさに代表していると思う。化学との二項対立ではなくて一体となっていた(続)」 #BH講演会

2014-07-25 18:00:40
Q @kimo_Q

「400年後に生きる私たち歴史家が何をできるかと考えると、過去に行われたことをリーズナブルな仕方で再構成するというか、それがまさに歴史家の役割だし醍醐味というか。」 #BH講演会

2014-07-25 18:00:46
Q @kimo_Q

「Newman、Principe が提示してくれているのは、形を変えてしまう前の時代の錬金術の姿に近くなってしまうのではないかと思う。プリンチーペ『錬金術の秘密』邦訳も準備している。宣伝が多くなってすみません(笑)」 #BH講演会

2014-07-25 18:03:42
Q @kimo_Q

「疑似科学と認定された後の錬金術などは知の伝統として研究する価値があるだろうか」「そう思う。僕の興味の中心は16世紀あたりにあるけど、もちろん立派な歴史研究の対象になりうると思う」 #BH講演会

2014-07-25 18:04:29