これからの写真 記念シンポジウム「表現と距離」感想など
「これからの写真」展 記念シンポジウム「表現と距離」わず。 パネリスト:畠山直哉、鷹野隆大、田代一倫 進行役:中村学芸員 知ると知らないとでは展覧会が違って見えるかも知れない内容、やはり来て良かった。
2014-08-02 16:28:38愛知県美術館で『これからの写真』展見てきた。畠山、鷹野、田代各氏のシンポジウムも参加。顔ぶれから、震災の話になるのかと思いきや、展示の副題にある「距離」をめぐっていろいろ意見が交わされた。
2014-08-02 18:12:44鷹野氏本人を生で見るのは初めてだったが、距離がエロティシズムを作動させるとか、鋭い指摘がたくさん出て面白かった。「わたしとあなたは違う、それでいい」ということは、「当然だが大変なこと」と真摯に応えられていたのが印象的だった。
2014-08-02 18:18:00愛知県美術館「これからの写真」シンポジウム、畠山直哉さん、鷹野隆大さん、田代一倫さん。テーマは表現と距離。スリリングな展開でした。畠山さんのおっしゃった見やすい写真と良い写真悪い写真は違うという話を反芻しています。展示は9月28日まで。登壇しなかった作家さんのお話も聞いてみたい。
2014-08-02 18:20:08畠山氏は、「距離」という言葉に込められてきた美術史的・歴史的意味の重大性などを述べていた。「虚心坦懐に見ることは可能か」、という問いに対し、美術館という制度・空間がもたらす「チューニング」の効果、も。
2014-08-02 18:23:10展示を見るのは面白かった。ただ、ここは自分が作家的方向から参加すべき世界ではない、というのは改めて思った。一人当たり100万以上はかかってそうな展示が多かった。多少の補助は当然あるのだろうが、援助の有無に関わらずこの程度の金額を個人の財布からバンバン動かすのは無理がある。
2014-08-02 18:28:19「これからの写真」展と記念シンポジウム「表現と距離」@愛知県美術館へ行ってきた。その後SeeSawへと思っていたけれど、結局シンポ打ち上げ?に参加してきた。で、いま新幹線で東京へ向かっている。
2014-08-02 18:58:39美術館などの公的な場所に呼んでもらってはじめて「写真家」「美術家」といった肩書は社会性を持つだろう。ただ、そこに呼ばれるまでは、前提としてプライベートギャラリーで私費を投じて展示を連発していなければならず、当然ながら大きな赤字からスタートすることになる。
2014-08-02 19:50:31『金と芸術』に書いてあったように、アーティストという職業はあまりに魅力的であるがゆえに、お金を払ってでもなれるものならなりたい、という人が多数出てくることになる。赤字を積み重ねることで「生産」する、というのは「逆経済」とでも言うべき転倒した事態であるが。
2014-08-02 19:54:27ところで、畠山氏は今日もまた、大辻先生から受けた美術史的「洗礼」について語る場面があった。1980年代はまだ歴史・社会・美術・教育が統一した「物語」のもとにリンクしながら作動していた。しかし、90年代と00年代を経て、それらを束ねる統合は崩壊し、全てがバラバラに解体・離散した。
2014-08-02 20:04:34某芸術大学も美術史を畠山氏のような緊張感と臨場感をもって語ることができる作家方面の人は稀になりつつあるという印象がある。畠山氏の語る歴史も、20世紀までが中心である。21世紀の、とくに日本の美術などは、もはや「歴史」というスタイルで語ることができないほど、バラバラになっている。
2014-08-02 20:12:38だから、毎回いくら畠山氏の話を聞いて納得しても、美術史的な話が最終的に身体化されないのは自分の世代にとっては当然かもしれない。「美術史」もまた、宇宙に広がる多様な価値観の一惑星にすぎない。自分としては、前庭で行われていたコスプレイベントに美術以上のリアリティを感じてしまう。
2014-08-02 20:18:42畠山氏の口から「コスプレ」という言葉が出たのは、軽く衝撃だった。今日の芸術センターの地勢が明白に示していたように、美術はサブカル的なものによる包囲に晒されつつある。じっさい、自分のリアリティの重心はこちらにあると気づいたからこそ、三鷹でお絵描きしたりしてるわけだし。
2014-08-02 20:37:36畠山直哉さん、話し方とかが名和晃平さんに似ているなあとぼんやり思っていた。物事の分類が上手く、分類に従って考えているから答えに窮するところがない。
2014-08-02 21:34:27これからの写真展 記念シンポジウム「表現と距離」学芸員中村史子さん、出展作家畠山直哉さん、鷹野隆大さん、田代一倫さん。大変面白かった。立ち見が出るほどの盛況。
2014-08-02 21:44:17畠山さん。距離には2種類ある。空間・時間的隔たり、つまり物理(肉体)的な距離。「距離を置く」「去る者は日々に疎し」に表れる心理的な距離。両者はパラレルな関係にあるが、ときとして崩れる。たとえば、隣にいる恋人を遠くに感じたり、会ったこともない芸能人に胸が熱くなったり。
2014-08-02 21:49:59畠山さん。この崩壊を、文学や映画はよく描いている。写真もそうだ。写真の持つある種の強制力によって、撮影者の目と自分の目が結びつき、時間・空間的に被写体を眺めることとなる。遠かったはずのものが近くに出現する。これは「距離」に揺さぶりをかけている。
2014-08-02 21:56:48ポジティブに捉えれば、それは魔法のような夢のような能力。ネガティブに捉えれば、「距離」を蹂躙されている。畠山さんは不用意に写真を見ると不安な気持ちになるそうだ。これは鷹野さんが「疲れているときはずっと俯いている。見る・出会うことは体力が要る」と言っていたのと通じるところがある。
2014-08-02 22:02:27「これからの写真」展シンポ@愛知県美、畠山直哉氏が、自身が出展作家の中で最年長であることを意識してだと思うが、やたらに「世代」を強調していたことが印象的だった。
2014-08-02 22:08:26今回のシンポジウムは、出展作家のうち、所謂「写真的な」作品の3名が登壇(川内倫子もこちらの作家だと思うが)。他の作家のトークもぜひ聞いてみたいと思った。
2014-08-02 22:08:33愛知県美 これからの写真シンポへ。途中、地下鉄の駅からの連絡通路が世界コスプレサミット?の方々で埋め尽くされていた。
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