アイドル・アンド・ハリセン・ライブ#1
- arisa765_fake
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「「ジャンケンポン!」」声を揃えたジャンケンシャウト!繰り出される両者の手!ミライがパー、シズカがチョキ!ミライがメットに手を伸ばし「イ「イヤーッ!」「ンアーッ!」ゴ、ゴウランガ!何たることか!?ミライの手がメットに触れもしないうちに、シズカのハリセンがイポンを取った!ワザアリ!
2014-08-03 22:45:08ハヤイ!ハヤイ過ぎる!それはアイドル反射神経のみで成し得る神速の一手か!?否、それは...「シズカ=サン~いきなりジツはヒドイよ~」額を押さえ、涙目でミライが訴える。「甘いわよミライ=サン。アイドルライブは貴女の実力発揮を待ってはくれないの」
2014-08-03 22:50:06然り。この反応速度はただのアイドル反射神経ではない。それは己のニューロンを加速させ、何倍もの体感時間の中でアイドル判断力とアイドル反射神経の強化を可能にするジツ。その名もプレシャスグレイン・ジツ!「シズカ=サンの勝ちです!」セリカが宣言し、二人はオジギした。
2014-08-03 22:55:05シホとすれ違う時、シズカは挑発的に口元を歪めた。これは『タイガーはウサギを狩るにも全力を尽くす 』というコトワザに則った挑戦だ。彼女はどうあってもシホを目の仇にするらしい。望むところ。シホも負けてやるつもりもない。シホとセリカは向かい合って正座した。
2014-08-03 23:00:11「ドーモ、シホ・キタザワです。ヨロシクオネガイシマス」「ドーモ、セリカ・ハコザキです。ヨロシクオネガイシマス」シホは油断なくセリカを見つめる。ニコニコ微笑む少女からは何の覇気も感じられない。だがシホのオーラを前に微塵も憶した様子はない。やはり一筋縄では行かないようだ。
2014-08-03 23:05:07「それでは行きますよ!」何の構えもなくセリカが手を上げる。「「ジャンケンポン!」」初手はシホがチョキ、セリカがパーだ。「イヤーッ!」シホがハリセンを振り上げた時、セリカはヘルメットに触れてもいなかった。(とった!)シホはセリカを見た。セリカもシホを見た。微笑みながら。
2014-08-03 23:10:08「イヤーッ♪」セリカがメットを被り身を竦める。その必要はなかった。シホはハリセンを構えたまま固まっていたからだ。「…!?」シホは驚愕に目を見開きながらハリセンを置いた。あのタイミング。確実にイポンをとれたはず。なぜ。観戦しているシズカとミライは笑みを浮かべている。
2014-08-03 23:15:08彼女たちは知っているのだ。今何が起こったのか。シホは違和感を抱えたまま再びシャウトを発した。「「ジャンケンポン!」」出し手はセリカの勝ち。シホはメットに手を伸ばし、一瞬だけセリカの笑顔を見た。カワイイな笑顔。実際カワイイ…「イヤーッ♪」「…ッ!」間一髪アタックを防いだ。
2014-08-03 23:20:06シホは訝しんだ。己の方がカラテのワザマエは上。なのにどうして後手に回っている?あのセリカの笑顔を見るとつい意識が割かれ…意識が?…察しの良い読者の皆さんはもうお気づきになられただろう。そう、セリカの笑顔は小悪魔の誘い。それを見た者は実際カワイイな笑顔に見入ってしまうのだ。
2014-08-03 23:25:03その名もトキメキ・ケン!この本人さえ無自覚な攻防一体の構えこそセリカの最大の武器!この強大なカラテを破らずして勝利はない!どうするというのだシホ!?……無言で向かい合うこと3秒、両者は同時に動いた。「「ジャンケンポン!」」シホがグー!セリカがチョキ!シホがハヤイ!
2014-08-03 23:30:09セリカは手を出したまま動かない。まだジャンケンの勝敗がニューロンに行き渡っていないのだ。故に発揮されるはトキメキ・ケンの魔力!人を例外なく魅了する笑顔は健在だ!ではシホは?ナムサン!ハリセンを取り振り上げた!顔はセリカを向いている。このままセリカにほだされてしまうのか!?
2014-08-03 23:35:05「イヤーッ!」「ンアーッ!?」パン!と小気味よい音が鳴り、セリカが悲鳴を上げた。シホのアタックが成功したのだ。イポン!観戦席に衝撃が走る。シホは如何にしてトキメキ・ケンを破ったのか?シズカはシホの顔を見た。ゴウランガ!その目は固く閉じられている!彼女は目を瞑っていたのだ!
2014-08-03 23:40:08「『どんなに明るくても目を閉じていれば同じこと』ミヤモト・マサシもそう言っていたはず」油断なくシホが目を開ける。「シホ=サンの勝ち!」ミライの宣言。「実際見事なカラテでした。ドーモ」そしてオジギ。セリカも頭を下げた。これで勝者は揃った。シホとシズカの視線が交錯する。
2014-08-03 23:45:02「えーと、それじゃあ先に3位決定戦を…」「スミマセン皆さん!」ミライの進行を遮り、セリカが素早くドゲザした。「実はこのあとに収録があるのを忘れていて…」「そう…ならまた今度遊びましょうね」「アリガトゴザイマス!では皆さん、オカシは戸棚にありますから!オタッシャデー!」
2014-08-03 23:50:09セリカは去った。「……え~っと…」残されたミライは己がどれほどの窮地に立たされているか理解した。二人のアイドルの間に凄まじいプレッシャーが生じている。ミライが震え上がらんばかりの睨み合い。そしてどちらともなくタタミに正座した。相手から片時も目を逸らさず。
2014-08-03 23:55:06「ドーモ、シズカ・モガミです。ヨロシクオネガイシマス」「ドーモ、シホ・キタザワです。ヨロシクオネガイシマス」二人の視線がぶつかり合い火花を散らし、ザゼンルームに油断ならないアトモスフィアが満ちる。そして、お互いに譲れないイクサが始まった。
2014-08-04 00:00:10(自動とうこう装置の挙動がおかしく、スシやZBRを与えてもなんか痙攣しているので今夜はここまでにします。次回は本日の21時くらいから、こんな感じで再開しようと思っている。最終話終了もこのくらいの時間だ。多分。とうこう装置はタイトルを入れ忘れたのでケジメだ。オツカレサマドスエ)
2014-08-04 00:03:34