【アナ雪】アナとチビ九尾エルサ(1-5)【パロ】

万屋和風愉菓子店@絶滅種のポンデ @yorozuya753

エルサちゃんの可愛いお顔を隠している方の耳も少しだけ持ち上がって。開きそうで開かなかった瞼も漸く持ち上がる。 重そうに怠そうに半分くらい開く瞼。開店前のお店みたい。そこから覗く瞳は眠気に光彩が欠けていた。ぼんやりとした瞳に差し込む微かな陽光。もうお昼近いのに、そこにはオーロラが

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映り込んでるみたいに、色合いがゆらゆら変化する。下がりきった眦とふにふにほっぺと力なく半開きになっている口。超絶眠そうな顔はどこまでも無防備で……もうこれで顔緩まない方がおかしいと思うわ。 「起きた？」 脳内にあたしの言葉が達するまで時間がかかるみたいで、エルサは３秒くらいの間を

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空けてから小さく小さく頷いた。けれど、瞼がまた閉じかけてて、また笑っちゃう。 「起きないのー？」 「ぅ……ん……」 『ううん』って否定したのか、それとも『うん』と肯定したのか曖昧なお返事が一つ。 エルサはもそもそと動いて、丸まったまま俯せっていうか、えと、なんていうんだっけこれ？

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（DOGEZA？） 分かんないけど、なんかの映画見た時こんな体勢になってたような気がする。 だけどそれよりも酷い気がする。だって、エルサちゃんってばそのまま更に丸まって尻尾も丸めちゃって、なんかもうモフモフの塊になりかけてて。 「ぶはっ！」 ムリムリっ、無理！勝てないわよ、これ！

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だってなんか失敗した綿あめみたいなんだもん。やだ、可愛過ぎでしょ、これ。 「ぷっ、ふふ……ははっ、あははっ」 ヤバい、なんかツボったわ！取り敢えず写メ連射しとくけど笑いながらだからすごいブレちゃうし！ あたしの笑い声にエルサの尻尾が微かに揺れたけど、起きて来る気配はなくて。

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一頻り笑ってちょっぴり腹筋が疲れたあたしは深呼吸を一つしてカフェオレを口に運んだ。飲み頃程度までに覚めていた。適度な苦みとミルクの円やかさ。食道に染みて内臓にじわりと広がる温かさ。 「ふぅ」とカフェオレ色の息を吐き落ち着いたところで、もう一度スマホを構え直してパシャリ。

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『綿あめもどき』って名前で保存して、っと。 「エルサ、起きないなら起きないでいいから……もちょっと寝やすい体勢で寝ない？」 頭を撫でてあげながらいうと、もそもそと身動ぎをして、あたしの手に鼻を寄せて来る。ちっちゃな鼻がふんふん匂いを嗅いできて、その微かな息がくすぐったい。

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指先で頤辺りをこちょこちょすると、きゅぅんと鼻を鳴らした。仔犬みたいな鳴き声に胸の奥がきゅぅんとするのを止められない。 低血圧の体が目覚めようと必死に眠気と戦っている無防備で無垢な仔ぎつね。綿あめのなりそこないっていう形から綿あめかもしれない何かまで形が崩れて、

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体が横向きに倒れそうになっている。支えてあげて頭をあたしの膝の上に乗せてあげた。 小さな頭。でも子供の頭って案外重い。でも、太腿の上にあるその重量が愛しい。 あたしの表情筋はもう一切力が入らなくて、ただただ緩みまくりだった。 「エルサちゃんって寝起き頗る悪いのねー」 「ぅ～」

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エルサの白い喉の奥から小さな唸り声。その喉元をくすぐると気持ち良さそうに喉を少し反らしてきた。 撫でてながらカフェオレを飲んでパソコンを操作する。エルサ本人にはこのファイルはあまり見せたくないので、こっそりとブラウザを閉じて、イヌ科の動物に関する資料だけ残す。

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エルサに視線を戻すと、半分くらい開いた瞳にはさっきよりも光が灯ってた。少しずつ起きてきてはいるみたいね。 「おはよ？」 「ん……」 おはよ、と小さな唇が動く。ただし動くだけで音は発せられてないけどね。 それから少しゆったりとした時間が流れて、エルサが口を開いた。

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「おしょら……おきてる……？」 いやいや、おしょらってなに？ヤダなにこの舌ったらずな生き物かわいい。と思わず叫ぶあたし。あ、もちろん心の中でよ？ エルサの質問に「そうよ」を頷いやると、エルサはゆっくりと瞬きを繰り返して、すんすんと鼻を動かした。 「なぁに？」

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主語も何もかも抜け落ちてる言葉に、苦笑を一つ。でもあたしはさっきからエルサの視線がカフェオレの入ったマグカップとミルクを行き来してるのは知ってたから、「エルサの分もあるわよ」と返した。 「はい、ホットミルク。エルサにはまだちょっと熱いかもしれないから、ふーふーして飲むのよ？」

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あたしは自分の膝許にミルクが入ったマグカップを持って行く。エルサの口近くまで持って行って飲み易いように少し傾けると、薄氷色の瞳がゆっくりとマグカップの中身へと向いた。眠そうなままきょとんとして、受け取るでもなくまずは鼻先を近付けてくんくん。 （あ、尻尾揺れた……）

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尻尾の先が僅かにパタパタと揺れたのを見逃すほどあたしの眼は節穴じゃない。 頭がまだまだ回ってない寝起きエルサちゃんはマグカップへ無防備に口を近付けようとするもんだから、あたしは寸での所でカップをちょっぴりだけ遠ざけて「ふーふーしないと熱いわよ？」ともう一度注意を促す。

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わかったのかわかっていないんだか。眠気混じりのふにゃりとした顔だと判別がつかないけれど、取り敢えず小さく頷いたからマグカップをさっきの位置へ。口の近くでちょこっと傾けてやると、エルサは顔の角度を少し変えて、ふぅーとか細い息を数度吐き出した。 （ん？やっぱ冷たいような……）

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指先の冷気を感じたような気がして、ちっちゃなの口許をよぉ～く見る。薄桃色の唇からちっちゃな雪の結晶が吐き出されているのが見えた。 （やっぱ冷気？みたいなの操ってたのね。でも……ぷっ、くくっ。さすがにそこまでしなくてもいいんじゃない？） なんて思うも、ミルクへと口……じゃなくて、

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舌を伸ばす。ゆっくりと伸ばされる赤くて小さな舌は、白い表面にほんのりと触れた思った瞬間に離れた。 「どうしたの？」 言いながら顔を覗き込むと、舌をぺろっと出したまま、眉尻を下げた困った顔。眠そうだからぐずってるような顔にも見えた。 「あちゅい」 「え？」 いやいや、いくらなんでも

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猫舌過ぎでしょ？ 「そんなに熱い？」 首を傾げて試しに一口飲んでみるけれど、あたしにとっては丁度良い通り越して若干ヌルい温度だった。 「熱くないわよ？」 言ってまた同じように口元に持って行くけれど、エルサちゃんはご機嫌斜めになっちゃったみたい。耳を垂れさせてフルフル首を振って、

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あたしの膝に額をぐりぐり押し付けてくる。ミルク飲みたいのに熱くて飲めないジレンマ＋眠気と戦っているようにも見えなくもないけれど、どっちかというと眠くてぐずっているように見えて。押し付けられるふわふわの髪と耳がもぉ～メチャクチャくすぐったくて、なんかもうどうしたらいいかわかんない。

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（主にこの仔キツネさんが可愛過ぎてどうしたいいか分かんないんですけど……） これはもう撫でるしかないでしょ？そうでしょ？撫でるわよね？撫で回すわよね？ そういう衝動に駆られたあたしは、マグカップを置いて、まだまだ寝ぼけ気味なエルサちゃんの頭をくしゃくしゃと撫でた。

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「ん～ぅ～」 喉の奥でくるるって唸ってくる。けれど、尻尾揺れちゃってるわよ？ 「もうちょっと冷めたら飲もう？ね？」 「……ん」 撫でていたらまたうとうととし始めちゃって、こくりこくりと頭があっちこっちへと揺れた。 （ほんと寝起き悪すぎだわ、この子……） 揺れる頭を支えて、

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頬を包み込む。 あたしの手があったか過ぎるのか、それともこの子の体表温度が低いのか。たぶんどっちもかな？それで生まれる温度差。ひんやりした頬はすべすべもちもちぷにぷに。親指を動かして頬骨の真上をなぞると、眠そうな瞳が見上げて来て。親指の先をちろりと指先を舐められた。 「エルサ？」

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甘えたいのかな？それともお腹へってるのかな？……なんて、仔猫とかの小動物を目の前にした時の学生みたいな考えが過って自分に苦笑。あたしはミルク入りのマグカップをまた取って、エルサちゃんのお口へ持って行くけれど、熱いとインプットされてしまったみたいで、困ったような顔をするだけで舌を

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伸ばしては来なかった。 （ありゃりゃ。んー……どうしよ？） ちょっとだけ考えて、舐められた指を見て、エルサを見て。あたしは若干ヌルめのミルクに指を浸した。 「はい、あーん」 ミルクに濡れた指を唇へ。あーんは昨日教えてあげたから大丈夫だろうって思ったあたしの考えたは正解だった。