MM祭り
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この open problem を肯定的に解いたのが,Steel と van Wesep. 彼らの解いた方法は,巨大基数を使ったものではなく,決定性についての強い公理(AD_R + Θがregular)だった。(文献:bit.ly/Xf2RII)
2014-08-12 23:19:32当時,Solovayの結果から,ADの下で,NS_{ω1}が2-saturated(i.e., maximal ideal)であることが知られていた。
2014-08-12 23:23:38Steelとvan Wesepがやったのは,ADよりはるかに強い先程の公理の下で,ω1,ω2を保ちながら,実数を付け加えずに実数全体の整列順序を付け加えて,NS_{ω1}がω2飽和なことを保つというもの。
2014-08-12 23:26:06(プロ向け:meager idealがω1飽和なこと使って,Prikry強制みたいなことやります。この強制法は real 付け加えないので,u2 = ω2 もforce できてます。)
2014-08-12 23:26:54その後すぐに,Woodin は,Steel と van Wesep が使った強い決定性の仮定を,ADまで弱めている。このことから,ZF+ADの無矛盾性から,ZFC+"NS_{ω1}がω2飽和"の無矛盾性がでることがわかった。
2014-08-12 23:29:12先程のSolovay のgeneric ultrapower の結果,Kunen の belief と合わせて,当時,ADの無矛盾性は超コンパクト基数のそれより強いだろう,というbeliefが強固なものになった。
2014-08-12 23:30:41余談:さっきの Steel と van Wesep の論文見ると,そこで使われている公理(AD_R と Θ が regular)は,無矛盾性の強さについて人間が考えうる最強のもの,なんてことが書いてある。矛盾してんじゃね,とガチで思ってたのかもしれない。
2014-08-12 23:33:02で,そろそろ本題に近づく。これらの"状況証拠"から,AD使って超コンパクト基数を持つカノニカルな内部モデル作れるんじゃね?という雰囲気が出てきたようだ。(他にも,ADやAD_Rを使って(ZFの下での)超コンパクト基数っぽいものが作れる,って話がかなりあるけど,そこは割愛。)
2014-08-12 23:37:04で,この前話題になった Cabal の人達は,ガチでADから超コンパクト基数を持つ内部モデルを作ろうと頑張った。"状況証拠"をかき集めまくった。ADのきれいな構造理論がここまでできたのもきっとこのおかげ。
2014-08-12 23:39:09決定性をもつ実数の部分集合が例のいい感じの性質(ベールの性質、ルベーグ可測性、完全部分集合の性質)を持つことは前々から知られていたし、ADはGale-Stewartの定理の拡張とみなせば自然な公理とも見なせなくない?というのはあったと思います #要出典
2014-08-13 00:29:06でも作れなかった。みんなガチで頑張ってたらしい。でも,途中からいやにバトミントンをし始めたってM先生が言ってた。
2014-08-12 23:41:23当時のMartinの講演で「Waiting for Dodd」というタイトルのものがあったとA先生が言ってた。内容は,みんなDoddが超コンパクト基数の内部モデルを作るのを待ってる,というもの。
2014-08-12 23:41:30さて,ようやくMartin's Maximum(以下MM)登場。MM 自体の定義は自然で,ω1個の稠密集合に対する強制法公理を最強にしたもの。MMの無矛盾性は恐らく1984年までわかったなかったと思う。
2014-08-12 23:48:04あ,MMの基本文献はこれ:bit.ly/1r6Yj48 Part 2 もあるけど,今回の話では Part 1 しか出てこない。
2014-08-12 23:49:44まず,彼ら(Foreman, Magidor, Shelah)が気付いたのは,MMからNS_{ω1}のω2飽和性が帰結できること。
2014-08-12 23:52:50