坂本龍一『戦メリ』『シェルスカ』の音楽DNAを分析する

前にもやってますが、さらに発見があったので改めて論じます。後日続きがあるかも。
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It happens sometimes @ElementaryGard

前に一度呟いたかな。坂本龍一の代表曲のひとつ_The Sheltering Sky_youtu.be/cZi28-Vdsa4について本人が分析を加えるインタビューがありました。山下邦彦が聞き手、というか質問者を務めています。作曲者本人が「わからない」と答える箇所があります。

2014-08-14 00:52:48
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It happens sometimes @ElementaryGard

出だしから四つ目の小節です。移動ドで歌うと♪レ・ミ・ラ・シ・♯ファ・ソ。なぜいきなり♯の音がなるのか?本人が答えられない。

2014-08-14 00:55:56
It happens sometimes @ElementaryGard

私なら答えられる。この第四小節で移調してるんですよ四度下に。つまり♪ソ・ラ・レ・ミ・シ・ド。

2014-08-14 00:58:00
It happens sometimes @ElementaryGard

この話は前にやったよね。ここからが本題。坂本のもうひとつの代表曲_Merry Christmas Mr. Lawrence_も、第四小節で四度下に転調という技を使っているのです。しかも四度下の調のⅥ度の和音が鳴るところまで同じ。

2014-08-14 01:00:09
It happens sometimes @ElementaryGard

この二つの美しい曲は双子のきょうだい。音楽理論的にそうです。どこが双子なのか。四度違いの二つの調がせめぎあう、というか並走する構造である点です。

2014-08-14 01:04:00
It happens sometimes @ElementaryGard

シェルスカのベースはラ→ソ→ファ→ミと進み、戦メリはファ→ソ→ラ→ミと進む。気が付きますか第四小節で両者はミに着地する。つまり四度下の調におけるⅥ度(マイナー調で解釈するならばⅠ度)の和音です。

2014-08-14 01:08:36
It happens sometimes @ElementaryGard

四度下の調のトニック(マイナー調解釈)で「解決」する。元の調で考えれば解決ではないはずなんだけど、移調して考えるならば解決。ねじれですね。耳はそれを聞き取る。それでハッとする。それでいて解決感はある。このねじれ、というか二面性こそが両者のこの箇所の神秘的な響きの正体です。

2014-08-14 01:12:26
It happens sometimes @ElementaryGard

youtu.be/mBctM3EwPno 坂本本人による分析解説。おっと、問題の第四小節部分はとばしている。なぜ?おそらく本人もわかっていないのですこの小節の仕掛けを。

2014-08-14 01:16:19
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It happens sometimes @ElementaryGard

実際に音を聞いてもらいながら譜面で説明しないとやはり伝わらないかな。シーケンサーを録画してなんとか一目でわかるような分析講座をやってみたいです。

2014-08-14 01:33:00