【邪悪の樹】第二交流フェイズ――理の盃

『拒絶』(@ev_sher) 『無感動』(@Az2_ady) 『愚鈍』(@nowalu) 『物質主義』(@Evil_Quim
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【拒絶】アップレーヌング @Az2_abl

既に集まっていた人たちの表情は、どこか決心したような、それでもどこか闇を抱えたような印象を感じた。 別れる前とはずいぶん違う。 なぜかは簡単に推定できる。あの写真を見てしまったのだろう。

2014-08-27 23:02:33
【拒絶】アップレーヌング @Az2_abl

その写真に写っていたものは何か、思い出した記憶とはなにか、だなんて無粋な事は聞くつもりはない。 この戦いの全てが、自分自身との戦いなのだから。 どうしようとしても、何をしようとしても、決断するのは自分自身。 ―――扉の一つに近づく。 Ⅱ、と刻まれた扉――自然と足がその扉を選んだ。

2014-08-27 23:02:49
【拒絶】アップレーヌング @Az2_abl

ノックをしてみても、空虚な音が小さく鳴り響いただけ。 …四つ。 きっとこれが最低人数。 全員合わせて十人いることはなぜだか知っている。 今ここにいる四人…あちらには最高六人いるという計算。 私達の『元』仲間…三人、異性も三人。 最悪二人同時に相手しなければならないということだ。

2014-08-27 23:03:21
【拒絶】アップレーヌング @Az2_abl

あちら側にも手紙の文面が同じとは限らない。 もしかすれば、また単純に異性と戦うことになる可能性もある。だがー… …、どこか遠くで笑う声がしたような気がした。 記憶という餌で、見世物のように殺し合いをさせる、その首謀者、観客。

2014-08-27 23:03:46
【拒絶】アップレーヌング @Az2_abl

「…【残酷】、【不安定】、【無神論】…」 ぼそ、っとその名を口にする。 誰が相手でも私は何も、変わらない。 所詮それらは障害物。 壊してでも突き進んで、外に。 けど、その前に、できるのならば…

2014-08-27 23:04:38
【拒絶】アップレーヌング @Az2_abl

――…引きずり落として喉でも引き裂いてやる。 あの手紙の主を、きっとどこかでずっと見ているであろうその主を。 「…このまま待っていても仕方ありませんし、お茶でもいれましょうか。」 なんとなく、そうしたかった。 こちらには帰ってきていない【無神論】の真似事かもしれない。

2014-08-27 23:05:01
【拒絶】アップレーヌング @Az2_abl

あの五人でいた、最後の日。 ―――林檎。楽園の、果実。 失われた楽園など、もう元には戻らない。

2014-08-27 23:05:17
武殿仁将 @rp_20kw

 無感動が入ってくる──2の扉に、そっと立ち寄った。思う所があったのか、なら俺は1だな、とそう受け止める。元々1を選ぶ気もあったのだ、最初に無神論に先駆けて1の扉を選びかけたように。 「いいな──だが、飯を食うなら笑って食った方がいい」  無感動の台詞に、にぃ、と笑みを浮かべた。

2014-08-28 08:02:10
武殿仁将 @rp_20kw

 お茶にする、という状況に思う所がなかったわけではない──もうあれは数時間前だっただろうか、数年前だっただろうか。否、きっと自分は思う所があるからこそ、頷いたのだ。  ──大切な一時。 「で、俺は理の扉の1に行く予定なんだが、どうする?」  明日の天気でも訊くように、話を振った。

2014-08-28 08:02:20
『愚鈍』エーイーリー @nowalu

大広間に飛び込み、腰を落ち着ける。 暫しそうやって気持ちを落ち着かせていると、全員集まった。 特に相談などしなくても扉を見つけられたあたり、何か運命的なものが働いているような気がしてくる。 「う、ん」 『拒絶』のセリフに、小さく頷く。 「今のうち、笑う」 二ヒィと口を歪ませる。

2014-08-28 12:57:19
『愚鈍』エーイーリー @nowalu

「あと、俺……智の、二に行く」 それで良いかと、ちらりと視線を椅子に腰掛ける『物質主義』へと。

2014-08-28 12:57:24
【拒絶】アップレーヌング @Az2_abl

【拒絶】の笑顔、そしてその会話を尻目に、奥へと消える。 もちろん紅茶を淹れる為だ。 それに…あの時よりも、少し凝ったモノをだそうか。 いつあの扉が開くかは分からないから、そこまで凝ったモノは作れないが。 パイ生地とシナモンとグラニュー糖と卵、それから…林檎。

2014-08-28 14:50:02
【拒絶】アップレーヌング @Az2_abl

料理、というものは殆どやったことはないが、本で見た手順通りにやればまず失敗はないだろう。 まずはアップルフィリング、型を作り、その上に並べ、生地で蓋をして表面に塗り卵。 あとはオーブンに入れるだけ。 時間が経てば、その甘い匂いが大広間にも漂うだろう。

2014-08-28 14:51:00
【拒絶】アップレーヌング @Az2_abl

壁に背を預け、じっとオーブンを見つめる。 熱を、温もりを感じる。 「決めたから…もう笑えないよ」 彼女は気が付かない。自身が悲しみを漂わせたような微笑みをしていたことに。 誰に言い聞かせるわけでもなく、独りぽつりと呟いた。

2014-08-28 15:22:06
武殿仁将 @rp_20kw

 甘い空気と共に無感動が帰ってくる。出された甘味をさっそく手をつけ、口に放り込んだ。  自然と、顔がほころぶ。 「ん、美味い。無感動の味だな」  どこか懐かしい、それでいて新鮮な味。──五人でこうして卓を囲んだのが、最早懐かしいほど過去に思えるのか、と自覚する。

2014-08-28 17:41:19
武殿仁将 @rp_20kw

 しかし、無感動の顔を見やると、明確な感情は表れてはいないもののどことなく浮かない雰囲気を纏っている──軽く察しはするが、口には出さない。  代わりに、茶化すように笑い声を上げる。 「なんだ、うっかり砂糖でも床にぶちまけたか? ほっとけほっとけ、帰ってきてから片付けりゃあいい」

2014-08-28 17:41:28
武殿仁将 @rp_20kw

 そして、ふっと静かな微笑みに切り替える。 「そんな失敗してりゃな、わりと落ち込むな。無理して笑わんでもいいさ──自分らしくありゃそれでいい」  二つ目の茶菓子に手を伸ばす。 「やりたい事を、やりたいように、やればいい」  さて、そろそろかな──となんとはなしに時計に目をやった。

2014-08-28 17:41:36
【物質主義】(キムラヌート) @Evil_Quim

「うん、僕は智の一に行こう」 【愚鈍】の視線に頷きを返す。髪の奥から感じる強い意志に、にいと口角をあげて応える。

2014-08-28 17:54:29
武殿仁将 @rp_20kw

 最後の一つを咀嚼する。パイ生地の感触を、シナモンの香りを堪能し──嚥下する。  扉に目をやる。四枚の扉。四人の人間。  かたん、と軽く椅子を蹴って立ち上がった。 「──行くか」

2014-08-28 17:59:07
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