11世紀の詩人オマル・ハイヤームの詩「ルバイヤート」
- damian16002000
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「ルバーイヤート」とはアラビア語で「四行詩」を意味する「ルバーイイ/ルバーイー(アラビア語: رباعی Rubā`iy/Rubā`ī)」の複数形であるので、直訳すると「四行詩集」という題になる。11世紀ペルシアの科学者オマル・ハイヤームの4行詩.
2014-08-30 09:12:23ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳 【チューリップのおもて、糸杉のあで姿よ、 わが面影のいかばかり麗うるわしかろうと、 なんのためにこうしてわれを久遠の絵師は 土のうてなになんか飾ったものだろう?】
2014-08-29 20:43:08ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳 【もともと無理やりつれ出された世界なんだ、 生きてなやみのほか得るところ何があったか? 今は、何のために来きた り住みそして去るのやら わかりもしないで、しぶしぶ世を去るのだ!】
2014-08-29 20:44:23ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳 【自分が来て宇宙になんの益があったか? また行けばとて格別変化があったか? いったい何のためにこうして来り去るのか、 この耳に説きあかしてくれた人があったか?】
2014-08-29 20:44:45ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳【魂よ、謎なぞを解くことはお前には出来ない。 さかしい知者*の立場になることは出来ない。 せめては酒と盃さかずきでこの世に楽土をひらこう。 あの世でお前が楽土に行けるときまってはいない】
2014-08-29 20:45:33ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳 【生きてこの世の理を知りつくした魂なら、 死してあの世の謎も解けたであろうか。 今おのが身にいて何もわからないお前に、 あした身をはなれて何がわかろうか?】
2014-08-29 20:45:50ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳 【いつまで水の上に瓦かわら を積んで*おれようや! 仏教徒や拝火教徒の説にはもう飽あ きはてた。 またの世に地獄があるなどと言うのは誰か? 誰か地獄から帰って来たとでも言うのか?】
2014-08-29 20:46:07ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳 【創世の神秘は君もわれも知らない。 その謎は君やわれには解けない。 何を言い合おうと幕の外のこと、 その幕がおりたらわれらは形もない。】
2014-08-29 20:46:25ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳 【このたかどのを宿とするかの天体の群 こそは博士らの心になやみのたね だが、心して見ればそれほどの天体でさえ 揺られてはしきりに頭を振る身の上。 】
2014-08-29 20:47:27ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳 【この万象の海ほど不思議なものはない、 誰ひとりそのみなもとをつきとめた人はない。 あてずっぽうにめいめい勝手なことは言ったが、 真相を明らかにすることは誰にも出来ない。】
2014-08-29 20:47:05ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳 【われらが来たり行ったりするこの世の中、 それはおしまいもなし、はじめもなかった。 答えようとて誰にはっきり答えられよう―― われらはどこから来てどこへ行くやら? 】
2014-08-29 20:47:46ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳 【造物主が万物の形をつくり出したそのとき、 なぜとじこめたのであろう、滅亡と不足の中に? せっかく美しい形をこわすのがわからない、 もしまた美しくなかったらそれは誰の罪? 】
2014-08-29 20:48:05ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳 【苦心して学徳をつみかさねた人たちは「世の燈明*」と仰がれて光りかがやきながら、闇やみの夜にぼそぼそお伽とぎ ばなしをしたばかりで、 夜も明けやらぬに早は や燃えつきてしまった。 】
2014-08-29 20:48:56ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳 【この道を歩んで行った人たちは、ねえ酒姫サーキイ もうあの誇らしい地のふところに臥ふ したよ。 酒をのんで、おれの言うことをききたまえ―― あの人たちの言ったことはただの風だよ。】
2014-08-29 20:49:30ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳 【きらぼし の空高くいる牛――金牛星、 地の底にはまた大地を担にな う牛*もいるし、 さあ、理性の目を開き二頭の牛の 上下にいる驢馬ろば の一群を見るがよい。】
2014-08-29 20:50:20ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳 【愚かしい者ども知恵ちえ の結晶をもとめては 大空のめぐる中でくさぐさの論を立てた。 だが、ついに宇宙の謎には達せず、 しばしたわごとしてやがてねむりこけた!】
2014-08-29 20:49:55ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳 【今日こそわが青春はめぐって来た! 酒をのもうよ、それがこの身の幸だ。 たとえ苦くても、君、とがめるな。 苦いのが道理、それが自分の命だ。 】
2014-08-29 20:50:42ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳【来ては行くだけでなんの甲斐かい があろう? この玉の緒の切れ目はいったいどこであろう? 罪もなく輪廻りんね の環わ の中につながれ、 身を燃やして灰はい となる煙はどこであろう? 】
2014-08-29 20:51:31ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳 【思いどおりになったなら来はしなかった。 思いどおりになるものなら誰た が行くものか? この荒家あばらや に来ず、行かず、住まずだったら、 ああ、それこそどんなによかったろうか!】
2014-08-29 20:51:05ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳【ああ、空むな しくも齢よわい をかさねたものよ、 いまに大空の利鎌とがま が首を掻か くよ。 いたましや、助けてくれ、この命を、 のぞみ一つかなわずに消えてしまうよ!】
2014-08-29 20:53:17ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳【よい人と一生安らかにいたとて、 一生この世の栄耀えよう をつくしたとて、 所詮しょせん は旅出する身の上だもの、 すべて一場の夢さ、一生に何を見たとて。】
2014-08-29 20:53:38ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳【歓楽もやがて思い出と消えようもの、 古き好よしみ をつなぐに足るのは生き の酒のみだよ。 酒の器にかけた手をしっかりと離すまい、 お前が消えたって盃さかずき だけは残るよ!】
2014-08-29 20:53:53ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳【二つ戸口のこの宿にいることの効果しるし は 心の痛みと命へのあきらめのみだ。 生の息吹いぶ きを知らない者が羨うらや ましい。 母から生まれなかった者こそ幸福だ!】
2014-08-29 20:54:31ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳【地を固め天のめぐりをはじめたお前は なんという痛恨を哀れな胸にあたえたのか? 紅玉の唇くちびる や蘭麝らんじゃ の黒髪くろかみ をどれだけ 地の底の小筥こばこ に入れたのか?】
2014-08-29 20:54:56ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳【神のように宇宙が自由に出来たらよかったろうに、 そうしたらこんな宇宙は砕きすてたろうに。 何でも心のままになる自由な宇宙を 別に新しくつくり出したろうに。】
2014-08-29 20:55:21