11世紀の詩人オマル・ハイヤームの詩「ルバイヤート」
- damian16002000
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ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳【ああ、全く、休み場所でもあったらいいに、 この長旅に終点があったらいいに。 千万年をへたときに土の中から 草のように芽をふくのぞみがあったらいいに!】
2014-08-29 20:54:11ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳【あることはみんな天そら の書に記されて、 人の所業しわざ を書き入れる筆もくたびれて さだめは太初はじめ からすっかりさだまっているのに、 何になるかよ、悲しんだとてつとめたとて!】
2014-08-29 20:57:42ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳【まかせぬものは昼と命の短さ、 まかせぬものに心よせるな。 われも君も、人の掌て の中の蝋ろう に似に て、 思いのままに弄もてあそ ばれるばかりだ。】
2014-08-29 20:58:07ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳【おお、七と四の結果にすぎない者が、 七と四の中に始終しじゅう もだえているのか? 千度ならず言うように酒をのむがいい、 一度行ったら二度と帰らぬ旅路だ。 】
2014-08-29 20:59:00ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳【嘆きのほかに何もない宇宙! お前は、 追い立てるのになぜ連れて来たのか? まだ来ぬ旅人も酌く む酒の苦さを知ったら、 誰がこんな宿へなど来るものか!】
2014-08-29 20:58:37ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳【宇宙の真理は不可知なのに、なあ、 そんなに心を労してなんの甲斐かい があるか? 身を天命にまかして心の悩みはすてよ、 ふりかかった筆のはこび*はどうせ避さ けられないや。】
2014-08-29 21:00:21ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳【土を型に入れてつくられた身なのだ、 あらましの罪けがれは土から来たのだ。 これ以上よくなれとて出来ない相談だ、 自分をこんな風につくった主が悪いのだ。 】
2014-08-29 20:59:24ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳【天に声してわが耳もとに囁ささや くよう―― ひためぐるこのさだめを誰が知っていよう? このめぐりが自由になるものなら、 われさきにその目まぐるしさを逃のが れたろう。】
2014-08-29 21:00:44ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳【若き日の絵巻は早も閉じてしまった、 命の春はいつのまにか暮れてしまった。 青春という命の季節は、いつ来て いつ去るともなしに、過ぎてしまった。】
2014-08-29 21:03:07ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳【ああ、掌中の珠たま も砕けて散ったか。 血まみれの肺腑はいふ は落ちた、死魔の足下。 あの世から帰った人はなし、きく由よし もない―― 世の旅人はどこへ行ったか、どうなったか?】
2014-08-29 21:03:40ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳【同心の友はみな別れて去った、 死の枕べにつぎつぎ倒れていった。 命の宴うたげ に酒盛りをしていたが、 ひと足さきに酔魔のとりことなった。 】
2014-08-29 21:04:26ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳【天輪よ、滅亡はお前の憎しみ、 無情はお前日頃ひごろ のつとめ。 地軸よ、地軸よ、お前のふところの中にこそは かぎりなくも秘められている尊い宝】
2014-08-29 21:04:53ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳【幼い頃には師について学んだもの、 長じては自ら学識を誇ったもの。 だが今にして胸に宿る辞世の言葉は―― 水のごとくも来たり、風のごとくも去る身よ!】
2014-08-29 21:04:10ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳【日のめぐりは博士の思いどおりにならない、 天宮など七つとも八つとも数えるがいい。 どうせ死ぬ命だし、一切の望みは失せる、 塚蟻つかあり にでも野の狼おおかみ にでも食われるがいい。】
2014-08-29 21:05:18ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳【一滴の水だったものは海に注ぐ。 一握の塵ちり だったものは土にかえる。 この世に来てまた立ち去るお前の姿は 一匹の蠅はえ ――風とともに来て風とともに去る。 】
2014-08-29 21:05:47ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳【知は酒盃しゅはい をほめたたえてやまず、 愛は百度もその額ひたい に口づける。 だのに無情の陶器師すえし は自らの手で焼いた 妙たえ なる器を再び地上に投げつける。】
2014-08-29 21:07:56ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳【この幻の影が何であるかと言ったっても、 真相をそう簡単にはつくされぬ。 水面に現われた泡沫ほうまつ のような形相は、 やがてまた水底へ行方ゆくえ も知れず没する。】
2014-08-29 21:06:54ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳【時はお前のため花の装をこらしているのに、 道学者などの言うことなどに耳を傾けるものでない。 この野辺のべ を人はかぎりなく通って行く、 摘むべき花は早く摘むがよい、身を摘まれぬうちに】
2014-08-29 21:57:50ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳【】せっかく立派な形に出来た酒盃なら、 毀こわ すのをどこの酒のみが承知するものか? 形よい掌て をつくってはまた毀すのは 誰のご機嫌きげん とりで誰への嫉妬しっと やら?
2014-08-29 21:08:13ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳【この永遠の旅路を人はただ歩み去るばかり、 帰って来て謎なぞ をあかしてくれる人はない。 気をつけてこのはたごやに忘れものをするな、 出て行ったが最後二度と再び帰っては来れない。】
2014-08-29 21:58:16ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳【酒をのめ、土の下には友もなく、またつれもない、 眠るばかりで、そこに一滴の酒もない。 気をつけて、気をつけて、この秘密 人には言うな―― チューリップひとたび萎しぼ めば開かない。】
2014-08-29 21:58:34ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳【われは酒屋に一人の翁おきな を見た。 先客の噂うわさ をたずねたら彼は言った―― 酒をのめ、みんな行ったきりで、 一人として帰っては来なかった。 】
2014-08-29 21:58:52ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳【われらは人形で人形使いは天さ。 それは比喩ひゆ ではなくて現実なんだ。 この席で一くさり演技わざ をすませば、 一つずつ無の手筥てばこ に入れられるのさ。 】
2014-08-29 22:01:14ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳【幾山川を越えて来たこの旅路であった、 どこの地平のはてまでもめぐりめぐった。 だが、向うから誰一人来るのに会わず、 道はただ行く道、帰る旅人を見なかった。】
2014-08-29 21:59:21ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳【われらの後にも世は永遠につづくよ、ああ! われらは影も形もなく消えるよ、ああ! 来なかったとてなんの不足があろう? 行くからとてなんの変りもないよ、ああ!】
2014-08-29 22:01:33