11世紀の詩人オマル・ハイヤームの詩「ルバイヤート」

村上・ダミアン・マサル~脱原発反権力 @damian16002000

ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム　'Umar Khaiyam 小川亮作訳【土の褥しとね の上に横よこた わっている者、 大地の底にかくれて見えない者。 虚無の荒野をそぞろ見わたせば、 そこにはまだ来ない者と行った者だけだよ。】

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ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム　'Umar Khaiyam 小川亮作訳【人呼んで世界と言う古びた宿場は、 昼と夜との二色の休み場所だ。 ジャムシード＊らの後裔こうえい はうたげに興じ、 バラームらはまた墓に眠るのだ。 】

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ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム　'Umar Khaiyam 小川亮作訳【廃墟と化した城壁に烏からす がとまり、 爪の間にケイカーウスの頭こうべ をはさみ、 ああ、ああと、声ひとしきり上げてなく―― 　鈴の音＊も、太鼓たいこ のひびきも、今はどこに？】

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ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム　'Umar Khaiyam 小川亮作訳【天に聳そび えて宮殿は立っていた。 ああ、そのむかし帝王が出御しゅつぎょ の玉座、名残りの円蓋えんがい で数珠かけ鳩ばと が、 何処クークー 、何処クークー とばかり啼な いていた。

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ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム　'Umar Khaiyam 小川亮作訳【君も、われも、やがて身と魂が分れよう。 塚つか の上には一基もと ずつの瓦かわら が立とう。 そしてまたわれらの骨が朽く ちたころ、 その土で新しい塚の瓦が焼かれよう。 】

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ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム　'Umar Khaiyam 小川亮作訳【地の表にある一塊の土だっても、 かつては輝く日の面おも 、星の額ひたい であったろう。 袖そで の上の埃ほこり を払うにも静かにしよう、 それとても花の乙女おとめ の変え姿よ。】

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ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム　'Umar Khaiyam 小川亮作訳【朝風に薔薇ばら の蕾つぼみ はほころび、 鶯うぐいす も花の色香に酔よ い心地ごこち 。 お前もしばしその下蔭で憩えよ。 そら、花は土から咲いて土に散る。 】

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ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム　'Umar Khaiyam 小川亮作訳【バラームが酒盃を手にした宮居みやい は 狐きつね の巣、鹿しか のすみかとなりはてた。 命のかぎり野驢を射たバラームも、 野驢に踏みしだかれる身とはてた。】

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ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム　'Umar Khaiyam 小川亮作訳【こころ 知る老人よ、早く行って、 土ふるいの小童の手を戒めてやれ、 パルヴィーズ＊の目やケイコバード＊の頭を なぜああ手あらにふるうのかえ！】

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ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム　'Umar Khaiyam 小川亮作訳【雲は垂れて草の葉末に涙ふる、 花の酒がなくてどうして生きておれる？ 今日わが目をなぐさめるあの若草が 明日はまたわが身に生えて誰が見る？ 】

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ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム　'Umar Khaiyam 小川亮作訳【新春チューリップの面に涙、 さあ、早く盃さかずき に酒をついでのまぬか。 いま君の目をたのします青草が 明日はまた君のなきがらからも生えるさ。】

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ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム　'Umar Khaiyam 小川亮作訳【川の岸べに生え出い でたあの草の葉は 美女の唇くちびる から芽を吹いた溜た め息いき か。 一茎ひとくき の草でも蔑さげす んで踏んではならぬ、 そのかみの乙女の身から咲いた花。 】

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ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム　'Umar Khaiyam 小川亮作訳【酒のもう、天日はわれらを滅ぼす、 君やわれの魂を奪う。 草の上に坐すわ って耀かがよ う酒をのもう、 どうせ土になったらあまたの草が生える！】

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ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム　'Umar Khaiyam 小川亮作訳【ありし日の宮居みやい の場所で或あ る男が、 土を両足で踏みつけた。 土は声なき声上げて男に言った―― 　待てよ、お前も踏まれるのさ！】

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ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム　'Umar Khaiyam 小川亮作訳【昨夜酔うての仕業しわざ だったが、 石の面も に素焼の壺を投げつけた。 壺は無言の言葉で行った―― 　お前もそんなにされるのだ！ 】

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ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム　'Umar Khaiyam 小川亮作訳【よき人よ、盃と酒壺さかつぼ を持って来い、 水のほとりの青草の茂みのあたり。 そら、めぐる車＊は月の面おも 、花の姿を くりかえし盃にしたり、また壺にしたり。 】

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ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム　'Umar Khaiyam 小川亮作訳【なんでけがれがある、この酒甕さけがめ に？ 盃にうつしてのんで、おれにもよこせ、 さあ、若人よ、この旅路のはてで われわれが酒甕とならないうちに。 】

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ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム　'Umar Khaiyam 小川亮作訳【壺つくりよ、心あるならその手を休めよ、 尊い土に無礼なことはやめよ！ ファレイドゥーンの指やケイホスロウの掌てのひら を ろくろに取ってどうしようてんだよ？ 】

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ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム　'Umar Khaiyam 小川亮作訳【壺つくりの仕事場へ来て見れば、 壺つくり朗らかにろくろをまわしては、 みかどの首もこじきの足もごっちゃに、 手に取ってつくるは壺の首と足だ。 】

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ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム　'Umar Khaiyam 小川亮作訳【この壺も、おれと同じ、人を恋こ う嘆きの姿、 黒髪に身を捕われの境涯か。 この壺に手がある、これこそはいつの日か よき人の肩にかかった腕なのだ。 】

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ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム　'Umar Khaiyam 小川亮作訳【壺つくりの仕事場に昨日きのう よって見ると、 千も二千もの土器かわらけ がならべてあったよ。 そのおのおのが声なき言葉でおれにきくよう―― 　壺つくり、売り手、買い手は誰なのかと。 】

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ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム　'Umar Khaiyam 小川亮作訳【】昨日壺をつくる所へ立ちよったら、 壺つくりは土をこねてしきりに腕をふるっていた。 盲の人は気もつかなかったろう、しかし その手の中におれは亡な き人の土を見た。

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ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム　'Umar Khaiyam 小川亮作訳【マギイの酒に酔うたとならば、正まさ にそうさ。 異端いたん 邪教の徒というならば、正にそうさ。 しかしわがふるまいを人がどんなにけなしたとて、 われはどうなりもしない、相変らずのものさ

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ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム　'Umar Khaiyam 小川亮作訳【身の内に酒がなくては生きておれぬ、 葡萄酒ぶどうしゅ なくては身の重さにも堪えられぬ。 酒姫サーキイ がもう一杯いっぱい と差し出す瞬間の われは奴隷どれい だ、それが忘れられぬ。 】

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ルバイヤート RUBA'IYAT オマル・ハイヤーム　'Umar Khaiyam 小川亮作訳【わが宗旨はうんと酒のんでたのしむこと、 わが信条は正信と邪教の争いをはなれること。 久遠の花嫁＊に欲しい形見は何かときいたら、 答えて言ったよ――君が心のよろこびをと。】