【遠繋愛】サマーエイト

幼馴染二つ上の隆ちゃん×なかなか届かない思いを胸に抱いた貴方 夏を主体とした物。小さな島の小さな恋の話。
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ももちゅん @kj8mousooo
【遠繋愛】 遠い空の向こう、君は今 何をしてますか? 夏の終わりが来る度、 泣きそうになります それでもわたしは笑います 『お互い強くなろうな』 そう言われたから。 ある小さな島の 小さな恋のはなしーーー #サマーエイト pic.twitter.com/Ab0t8c1ivR
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1【遠繋愛】#サマーエイト 『釣れたでぇ〜鮭や鮭〜』 「隆ちゃん…!それフグじゃん…」 周りは海しかない かといって、こんなところで 鮭なんか釣れるわけもない そんな小さな島。 隆ちゃんは2個上の幼馴染で、 なのに弟みたいにやんちゃ。 子供も少ないこの島は 絆だけは大きい。
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2 #サマーエイト 「ほら、早くぅ隆ちゃん!」 『待ってくれ〜!ほらぁ、カブトムシおったぁ…』 いっつもいっつも隆ちゃんの手を引いて 学校までの坂道を登った 本当元気しかとりえのない 隆ちゃんは…ってそれは言い過ぎかな ーーーだって、いつも強気で少し反感を浴びちゃうわたしを
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3 #サマーエイト 『やめろよ!そんなん悪口とかいっとらんで、外でドッヂボールしよ!!』 みんなに嫌味なく、わたしを さりげなく助けてくれる 無意識な思いやりがあった。 そんな隆ちゃんは、5歳の頃 台風の中、海へと人を助けに行った漁師のお父さんを亡くしてしまった。
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4 #サマーエイト 「どうしていなくなっちゃったのぉ?」 まだ小さかった私は、何もわからずそんなことを聞いた。 でも、隆ちゃんは泣いたり怒ったりせず 『父ちゃんは人を助けたんや。 俺のヒーローなんやで?』 強い笑顔で答えてた。 マヌケそうに見えて、こういうとこ、強くて熱い。
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5 #サマーエイト お父さん譲りの関西弁は 島のみんなに親しまれて、 そんな隆ちゃんはいつも 私のそばにいた。 小中学校一緒で先生も1人しかいない。 すんごく優しくてでも 強いヒロキ先生は、みんなのことをちゃんとひとりひとりみてくれて。
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6 #サマーエイト やんちゃな隆ちゃんは、 怒られてばっかりだったけれど ヒロキ先生がまるでお父さんのような存在で。 小5の七夕のとき、 それまで、『ウルトラマンになる!』とか、『お菓子をたくさん食べれますように』 そう書いていた短冊に、
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7 #サマーエイト 『ヒロキ先生みたいな先生になりたい』 と、毎年、大きく立派に書くようになった。 そんな隆ちゃんをみて、私も 「私も、ままみたいな可愛いお菓子屋さんになる」 と、小さい字ながらそう願った。 小さな頃の希望は 大きな夢へと変わったーーーー
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8 #サマーエイト 隆ちゃんが高校生になると いつも同んなじだった教室が 別々になる。 隆ちゃん大丈夫かなぁ〜… 帰り迎え来てくれるよね… 1日が長く感じた。 毎日一緒に登る坂道も、 毎日一緒に通る港も、 隆ちゃんがいたら楽しかったのに 時間がなかなか合わなくて
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9 #サマーエイト 1人での帰り道も広く感じる。 放課後は、お母さんの花の手入れのお手伝い。 お母さんと楽しく話してるとき 『よぉー、久しぶり!もうすぐ祭りあるやん?!』 当たり前のようにズカズカ入っては、満面の笑み。 「う…うん。」 『俺、神輿担ぐねん。!!』
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10 #サマーエイト 「そんなの毎年じゃん…」 『だーかーら! ちゃんと今年もよう見とけよって話やん…?』 ね、おばさん?って、お母さんにすぐフる。私が不機嫌のときは決まってそう。 〝そう!その練習だったのね! この子、隆ちゃんとまた帰れなかったってグズグズ言ってたわよ!〟
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11 #サマーエイト 『ほんま…?』 「違う!言ってない!! 1人の方が、早く帰れるし、静かだし…」 頭に大きな手が被さって、髪の毛をぐしゃぐしゃにされる。 『ごめんな…最近…』 …ただの弟のようなお兄ちゃんみたいな存在で。 近所の幼馴染で、どうせ私のことなんて眼中に無い。
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12 #サマーエイト そんな思ってても、些細な行動一つでキュンとしちゃう。 『ほんま…ごめんな…』 私の顔を優しく除く隆ちゃん。 「うん…、お祭り、絶対行くから…」 わたしって本当単純。 犬みたいにゆうこと聞いちゃう。 〝隆ちゃん、ご飯食べて帰る?〟
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13 #サマーエイト そんな気も知らない、お母さんの声が2人の間に割り込む。 『いや、今日はおかんが冷やし中華作ってる言うてメールきたんで、帰ります!ありがたくお言葉だけ!』 〝そう…、じゃあまた遊びおいでね!〟 『ありがとうございます。』 大人にはすんごい礼儀正しい。
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14 #サマーエイト 『…じゃあ、また明日な!』 そう言って背を向ける彼が なんだか遠いな… 昔、繋いでいたはずの手を もう繋ぐことはないのかなーーーーーー pic.twitter.com/q9UYkp3Noz
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15 #サマーエイト ーーーー海の近くの鳥居の前で 今年も笛太鼓が鳴り響く。 それに向かって 〝これがないと夏じゃないわよね〜〟なんていうお母さんと港を歩く。 会場に着くと、男の人たちの声が地響きするほど鳴る。 どこ…?違う…違う… 「いた…」
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16 #サマーエイト 後ろの方で歯を食いしばって必死に御輿を担ぐ彼の姿。 ちゃんと背負えよぉ〜 っておじちゃんたちに背中を叩かれてる。 『わっしょい!わっしょい!』 法被姿似合うなぁ。 あんな隆ちゃんの必死な表情、いつ以来だろーーーーーー
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17 #サマーエイト 『はぁ…、疲れたなぁ…』 「隆ちゃん、頑張ってたね!」 土手のコンクリートに2人ならんで腰を下ろす。 『なぁ…これ…覚えてるか?』 そういって隆ちゃんが差し出したのはひとつの絵馬。 暗くてよく見えないよ… 『帰ってからでええから…』
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18 #サマーエイト 「わかった…」 その絵馬を握りしめて、そっと彼の顔を見上げようとしたそのとき ひゅーー、ドーーン! 花火が空に舞い上がった。 「わぁ…!」 『今年もまた一段とでかくなったなぁ…』 大きくなっても、 キラキラさせて花火を見るその目は全然変わってなくて。
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19 #サマーエイト 『たーーまやぁーーー!』 なんて泥まみれの足を踏みしめて叫ぶ。 パンパン!!ドーーン! 大きな音が心に鳴り響く。 ふと手元の絵馬を見る… さまざまな色が照らされたそれには 【りゅーちゃんとずっといっしょ】 と、ガタガタな私の文字。 懐かしいなぁ…
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20 #サマーエイト 花火をみながら少し前に立つ後ろ姿を見つめる。 すると、彼は少し首を下げて俯く。 大きく舞う花の前に彼の横顔が。 彼の唇が動く。 『/&#@△…』 何? 必死に彼の言葉を理解しようとする。
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21 #サマーエイト 『その願い…叶えられへん…』 どういうこと…? 「なんで…?」 『ほんま…ほんまごめんな…?』 なんでこっちを見ないの? なんで振り向いてくれないの? 花火が近い… 隆ちゃんが遠いよ… pic.twitter.com/2EGvdg20Ms
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22 #サマーエイト 「聞こえないよ…聞こえない」 聞きたくない。 その先を言わないで。 お願いだから花火が終わらないで欲しい。 そんな想いは天には届かず、 花火が大きな音を立てて私たちを光りに包み 空はまた暗闇に包まれた。 pic.twitter.com/WzYJu8gzUz
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23 #サマーエイト 「じゃぁな…」 そう言った彼の声を残してーーーー
ももちゅん @kj8mousooo
23 #サマーエイト 隆ちゃんside 俺の父ちゃんがいなくなったときも 俺が川で溺れそうになったときも そばにいてくれたお前は、 いつの間にか色気付いて 俺の鼓動を暴れさせた。 隣にいるだけで。 手を触られるだけで自分を抑えられない衝動に陥れた。
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