伊東乾氏20140906の指摘のまとめ

学位に関する指摘の整理。加えて議論の背景にあった,若いときの苦労,サラリーに従って有能な人材が集まるとは必ずしも限らない,ということも。
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Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

若い時、わるく仕事を損ねる事で「これはこの程度やっときゃ誤魔化さるんだな」とか変な味を占めてしまうのだろう。幸か不幸か、余り誤魔化しの利かない世界で育てられたので、何とか今通用する仕事が出来ているが、おかしな損ね方をすると本当に腐敗してどうしようもない事になるのが手に取る様に解る

2014-09-06 00:05:58
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

例えば理研の例の救いようないケース、医科系研究職はしばしば同年の医師と比較して遜色ない手取りを用意しないと優れた人材が集められない、というバカな迷信があり、そこにああいう基礎学力の一切欠如した者が紛れ込み、他方古くから雇用されてきた医学部出身の優秀な人材が40台でもULになれず、

2014-09-06 00:08:44
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

誓って言うが、手取りの賃金と独創的な能力とには一切の関係がない。手取り賃金で集められるのは どうということはない仕事での秀才ぶりの発揮だけであることを、ディレクター諸君はよく胆に銘じておく必要があるだろう。

2014-09-06 00:10:29
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

仕事するやつは 石にかじりついても仕事する。それがより望ましい待遇になればなによりだが、概して本当に大きな仕事をした人の前半生は不遇であるのは示唆的。後半生も不遇という人だって珍しくはない。「地位保全」あほではなかろうか?

2014-09-06 00:12:55
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

.@ichipostdoc 昔から指摘されている事ですが日本の医学部ではM6国試研修医終わってからの大学院で欧米にくらべスタートが10年遅いというのは概していまも言える事実、問題は、28歳とかに到達するまでの人生で創造的な研究の喜びなどどれほど体験してMDになってるか?という点で

2014-09-06 00:52:43
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

人が伸びるかどうかは 思春期にどれほど心に傷をつけるかと大きく関係していると思う。で日本の教育機関はすでに若者の心に創造的な傷をつける力をもっていない。そのまま全体として、日本という国の文化そのものが、ゆるやかに萎え衰えて行くことを危惧する。創造性という点では確実なインポテンシー

2014-09-06 00:55:59
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

真剣に師を選ぶという経験を10台で全く持たずに成人する人が、いまや国民の大半なのではないか?僕は結局古きマイノリティであって、広く主張が受け入れられる様な事はないと覚悟してもいるけれど、運動部の監督でもいい、師を選び友を選ぶという経験を持たず成人するとしたら生涯の損失と思う。

2014-09-06 02:56:17
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

師にしても、友達・・・先輩や後輩を含め・・・にしても理屈とか損得ではなくもっと感情的、情緒的な繋がりや愛着、さらには反発も含め、ひっかかりがあるものだと思う。損得勘定とか、そういうものではない。例えば学術の真理性なんてものは、もうこれは信仰みたいなもので、いい加減など許され得ない

2014-09-06 02:59:13
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

アインシュタインは、大学の職位におよそ無関係で、特許局の技官という、比較的自由な時間を取りやすい職種で生活を支えつつ、思索と創造の自由を優先する人生の選択をして1905年の3大業績、それから以降は様々な招聘がありましたが「優秀な人が集まる雇用条件」とは無関係でしょう。そういう事で

2014-09-06 09:25:10
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

私自身の20代30代を振り返っても例えばテレビ番組「題名のない音楽会」の仕事は決して手取りのよいものではなく、バブルの余波で同級生たちは遙かに高給だったと思いますが率直に劣悪に近い状態もありました。が月産100枚以上管弦楽の総譜を(安価だけど)書いて音になる生活で得たものは大きく

2014-09-06 09:27:50
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

不安定で手取りも安く、そういうことを条件にしたら絶対に引き受けられない仕事ですが、楽隊の現場修行としては、2週間に一度オケの収録があり、あれこれ駆け引きの制約はあるにせよ、基本オーケストラというものを自由に歌わせるあらゆる可能性を譜面のゼロ段階から作れる立場で、学んだものは大きく

2014-09-06 09:29:40
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

いまや、もうああいう場は地球上全体でも殆ど不可能と思うので、僕としてはヴィルヘルム・マイスターではないけれど、自分の前半生の経験としてあの3年間を悔いる積もりは全くありません。手取りは低かったし、常に対立と緊張のさなかにありました。が音楽はふんだんに作る事が出来ました。

2014-09-06 09:31:32
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

さきほど、アインシュタインは特許局技官で時間野自由を作って仕事、などと書いたばかりの所で「彼(僕を指しているらしい)の中ではアカデミーにいない人は眼中にないのだろう」といったレベルのレスポンスを見るのは残念。もう少し頭と心を働かせよう!自分自身にとっての不幸でしかないのだから。

2014-09-06 11:22:35
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

非常に不用意な表現で、学位の基準ということについて「いろいろ」みたいな事を言う人があるので、念のため記しておきます。医師に限らず「現場」で長年やってきたあれこれをまとめて、ボリュームはやたらあるけれど実は新規性のあるfindingsが少ないThesisは評価が低い、普通の話です。

2014-09-06 19:33:23
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

医学では臨床回りでそういうものを比較的見るように思いますが、医に限らず工とかいろんな分野で見かけないものではありません。芸術系など最たるものかもしれない。「総合的に」なんていいかたで審査委員会を押し切ってしまうようなあり方に私は強く疑問を持っていて短い表現で端的に言える業績は重要

2014-09-06 19:35:01
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

「この学位の仕事の新規性ある業績は、端的に言えば何ですか?」と問われて、何を答えられるか、が重要とおもっています。・・・要するに・・・(何も無い)というケースが残念だけれど現実に存在するので「ミル」という表現も取ります。必要的にも十分的にも限定して一つ一つ検討すべきものでしょう。

2014-09-06 19:36:56
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

最近学位については 少し考え方を改めている面もあるのですが、基本「あれもやりました、これもやりました、いろいろやってみて、それを野帳風に並べてみました」という修士論文(が決して少なく無い分野があるようにおもう)は、果たして修士と言える力をどのように具備していると言えるのか?

2014-09-06 19:38:38
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

私は理学系特に物理にある基準を念頭に、修士については新規性のある結果という以上に、その分野の基礎的な内容の理解や、手仕事の基本的な習得があれば、それをもって合否判定の実力とし、これを持った人は各々オリジナルのテーマ(例えば博士の)に取り組む準備OKとして出すべきという考え方です。

2014-09-06 19:41:15
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

博士の学位は一般に新規性のあるオリジナルな業績を求める=単なる二番煎じや孫引きの集積でドクターを出すべきではないという審級だが、その「新規性」がどのように学の手続きにおいて信頼水準を持つか、その評価の厳しさ・甘さが、タイトルとしては同じでも信頼水準が違うという現象の元になっている

2014-09-06 19:44:01
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

日本では「本山修行」みたいに一つの大学で下から上までが珍しく無いけれど、一般に国際社会一線の大学では学部ー修士ー博士と学校を渡り歩くのが一般的で、学士卒とはその分野を学んだ人、修士修了はその分野で独自新規研究が出来る準備が出来てる人、博士修了は独自業績がある人として渡り歩く目安で

2014-09-06 19:46:22
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

日本の学位について考えを強く改めざるを得ないと思うのは戦後のある種の文系の学位で、日本の大学院に「修士課程」が導入されたのは実は大変新しい現象で、実質的にそれが人生の最終学位となり、幾多の碩学が博士を持たない分野や世代がある事を改めて認識したことによります。大学院重点化以降は別で

2014-09-06 19:48:34
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

現時点では大学は十分国際化してる(べきだ)し、その意味で国際的に互換性のある学位の実力の水準がマッチングしていることが重要と思います。ビジネススクールのMBAなどプロフェッショナルスクールのマスターはさっきの例の典型で独自業績など求めず特定のスキルのセットを身につける眼目でしょ?

2014-09-06 19:50:23
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

なんか学位というのを名誉職か勲章のように考えて「いろいろ」などとおっしゃるのかもしれないけど、実際に大学院で教官業をする観点では、東大で修士を取った筈の人間がMITなりハーヴァードなりジュネーヴなり、どこでもいいんですが博士に入って使い物にならないというケースがあれば問題な訳で、

2014-09-06 19:51:49
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

学位についていろいろおかしな事が起きるのは、定員充足率とか、留年率とか、組織が文科省からクレームをつけられ、統廃合の対象などにならぬよう、仕事してるフリやら、賑わっているそぶりやら、色々ポーズを取らねばならない現実が有るわけですね。で内実が空虚になったりするのに警鐘を鳴らす次第。

2014-09-06 19:53:52
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

@TJO_datasci @cuttingedgevvv 私はいわゆる「文理融合組織」の専従教員として複合領域の学位審査に査読官として参加してきました。理学系の学位審査に参加したことはありません。また論文のジャッジとしては情報系のペーパのエディタを務めています。が本業は音楽家です

2014-09-06 23:17:43