今日はこれ。 双腕に若やぐ鹿を追ひつめて撃ちたき意志を華(はな)と呼ぶべし『解体』(勝部祐子、不識書院、1981)p.96 素直にかっこいい。→
2014-09-22 13:10:06→ こんな歌も。 びしよ濡れの鳩の胸毛を撫づる手に伝はる呼吸の青さを愛す『解体』(勝部祐子)p.90 勝部祐子さんについて私は『解体』にある以上の情報は持っていません(何冊か歌集のある方です)。↑のような歌はまれで内省的な歌が多いです。→
2014-09-22 13:10:16→ こんなカンジの自己愛の歌が多いです。 自我ふかくたたみて君に嘘ばかり言ひて別れてきし夜のみち『解体』(勝部祐子)p.97 自己愛をあばかれてのち泣き寝入るわれの乱れよ美しくあれ『解体』(勝部祐子)p.108 →
2014-09-22 13:10:27→ 受っぽい歌。 灰皿に堆くなるもえがらに自虐の炎は消ぬがに在りぬ『解体』(勝部祐子)p.72 何を待つわが身かひもじき寝返りも無意識なるに十指ひろげて『解体』(勝部祐子)p.108 →
2014-09-22 13:10:38→ 主体を男性にすると光景の変わる歌。 汝が頬に保(も)ちゐる青さ剃りあとを指にたどりてなにか淋しき『解体』(勝部祐子)p.94 危ふさをかろくかはして帰りゆく君の笑顔はまぶしかりけり『解体』(勝部祐子)p.71 (以上。) →
2014-09-22 13:10:50amazonに記載してあったり、有名歌集だから書かなくて大丈夫という油断があったりして引用元を明記していないのがチラホラとあります。後で実見するのがむずかしいと思うので今のうちに書いておきます。つうか、次回から回数表記しようと思います。
2014-09-22 13:33:54第1回 川崎あんな『エーテル』砂子屋書房 2012 第2回 近藤芳美『近藤芳美作品集』白玉書房 1954 第3回 前川佐美雄『植物祭』素人社書屋 1930 第4回 早崎夏衛『白彩』短歌精神詩房 1936 第5回 咲耶児『花風車』ムーゼイオン 1997
2014-09-22 13:34:05第6回 我妻泰『我妻泰歌集』もぐら工房 1975再版 第7回 岩田眞光『百合懐胎』書肆季節社 1991 第8回 リカ・キヨシ『告日本歌』白玉書房 1978 第9回 水城春房『昭和歌人集成31 有髪の鯉魚』短歌新聞社 1986
2014-09-22 13:34:21第10回 萩原朔太郎『短歌』 aozora.gr.jp/cards/000067/f… amazon.co.jp/dp/B009KSR59M/ 第11回 阿木津英『天の鴉片』不識書院 1983 第12回 松平修文『水村』雁書館 1979 第13回 勝部祐子『解体』不識書院 1981
2014-09-22 13:38:08今日はこれ。 傲慢なもの言ひをする若者がやはく光れる耳たぶを持つ『森のやうに獣のやうに』(河野裕子、沖積舎、1985)p.22 若さがまぶしいのか男性美がまぶしいのか。河野さんの歌は男性美の歌は女性視線だなーというのが多いのですが、これなんか好きです。→
2014-09-23 18:26:13→ この辺は肉体的。SMっぽくなるように並べました。 身をよぢり残照浴びるアダム像わが青春の羞恥にも似て『森のやうに獣のやうに』(河野裕子)p.43 バックルの双頭の鷲灼けゐしも君に打たれしも追憶の中『森のやうに獣のやうに』(河野裕子)p.61 →
2014-09-23 18:26:22→ 横たはる獣のごとき地の熱に耳あててゐたり陽がおちるまで『森のやうに獣のやうに』(河野裕子)p.51 地の熱という広大なものと自分の耳をあてるという小さな具体的行為。何のためにしているのかさっぱりわからないのだけど、何かに近づきたいという衝動があるのはわかります。 →
2014-09-23 18:26:55→ しかし、結局こういう歌が好きなのでした。 夜は夜の照り翳りする風道に楠一本が匂ひてゐたり『森のやうに獣のやうに』(河野裕子)p.57 (以上。)
2014-09-23 18:27:09今日はこれ。 少年のヨットは白し抗ひの角度を持ちて海面をゆく『エポナ現代新鋭詩叢2 棘よ、憎まれてなほ』(甲村秀雄 1978)p.89 あまりの攻ぶりに選ばざるを得なかった(ほら、受の歌が多いから……)。→
2014-09-25 01:28:56→ こんなのも攻っぽい。心乱している攻……きらいじゃないです。 いつよりかわれは不安に棲みて花白く咲けるを花びら散らす『棘よ、憎まれてなほ』(甲村秀雄)p.85 →
2014-09-25 01:29:05→ これは受。 炎は、胃を抜け腕を伝ひつつ やがて左の指より犯す『棘よ、憎まれてなほ』(甲村秀雄)p.52 何らかの区切りとすべく喫茶室に青春にゐる如くひと待つ『棘よ、憎まれてなほ』(甲村秀雄)p.15 →
2014-09-25 01:29:21→ 実は甲村さんの歌は意味がとりきれないのも。 括れて舌出す論理の背景に男ふたりは絡みのナイフ『棘よ、憎まれてなほ』(甲村秀雄)p.22 目覚めても何か遅れてゐる内部 焦りの搭を高く描くに『棘よ、憎まれてなほ』(甲村秀雄)p.26 でもなんかカッコイイ。 (以上。)
2014-09-25 01:29:39