#日刊小説 まとめ 7&8週目

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りんねさん @tmn15679

おはようございますー 昼寝から起きたら翌日になってましたwww ということで月曜日分の #日刊小説 やっちゃいます

2014-09-23 02:15:11
りんねさん @tmn15679

44:早速イーストエンドに出かけることにした一行は、一番近くにある故買屋を訪れてみることにした。 冬薔薇骨董店という名前で営業しているようですね。サティアさんから聞いた話では、合言葉が必要とのことでしたが。 大神がそう言うと、シエルは覚えているので大丈夫だといった。 #日刊小説

2014-09-23 02:19:54
りんねさん @tmn15679

45:冬薔薇骨董店の扉を開けて中に入ると、気だるげな顔の、シワまみれの老婆が座っていた。 ブリギットの祝福を受けた薔薇がほしいのだが。 シエルは入るなり、サティア老人から聞いた合言葉を告げる。すると老婆は一言、『待っていな』と言って店の奥へと去っていった。 #日刊小説

2014-09-23 02:25:11
りんねさん @tmn15679

46:しばらくすると、とても美しい少女が代わりに出てきた。鴉のような黒い髪、雪のように白い肌、ほんのりと朱がさした頬と、鮮血のような赤い唇。およそ子なスラム街には不釣り合いな美少女と言ってよかった。 その美しきこと、ディアドラのごとし……噂は真実のようですね。 #日刊小説

2014-09-23 02:29:23
りんねさん @tmn15679

47:セバスチャンがそう言うと、少女は眉を上げ、下品な下町言葉で答えた。 どこでそれを聞いたんだい? さあ、どこでしたか。人の噂は千里を走りますからね。それよりも、とあるものを探しています。 そう言ってセバスチャンが懐中時計の写真を見せると、少女は頷いた。 #日刊小説

2014-09-23 02:31:44
りんねさん @tmn15679

48:あたしのことはローザと呼んでおくれ。で、その懐中時計ならたしかに現物はあるけど、高いよ? あんたらの身なりだとそれほど金を持っているようには見えないけど。 ローザと名乗った少女がそこまで言ったところで、エスティが口を開いた。 貴女、先ほどの老婆よね? #日刊小説

2014-09-23 02:33:57
りんねさん @tmn15679

49:その言葉にローザは、どうしてそれを!? と驚きの表情で口走った。 爪でわかったわ。色々と用心深くしていたつもりなのでしょうけど、貴女の爪、先ほどの老婆と全く同じだったもの。 なるほど、これはうかつだったわ。で、本題だけど、あの懐中時計なら50ポンドで売るわ。 #日刊小説

2014-09-23 02:49:58
りんねさん @tmn15679

50:いいわ、買いましょう。 即決だった。当時の平均的な下層労働者の年収が57~78ポンドなので、ローザの提示した額は労働者の年収に匹敵すると言ってもよい。それを一瞬で買うと決めたエスティに、ローザは興味を覚えた。 あんた……いや、あんたら何もんだい? #日刊小説

2014-09-23 02:52:47
りんねさん @tmn15679

51:残念だけど、そのあたりのことは依頼主との関係であまり公にはできないの。ただ、依頼主はそれなりにお金を持っている、って言えばわかるわよね? 確かに、エスティ達に直接命令を下しているのは女王陛下その人であるからこれは間違っていない。 なるほど……今持ってくるよ。 #日刊小説

2014-09-23 02:54:56
りんねさん @tmn15679

52:ローザは納得してバックヤードに行くと、やがて銀の車輪の意匠の懐中時計を持ってきた。 これでいいんだろ? セバスチャンが一行を代表してそれを鑑定する。 間違いないようですね。では、こちらを。 セバスチャンは懐から紙幣で50ポンドを取り出すと、ローザに手渡した。 #日刊小説

2014-09-23 02:57:21
りんねさん @tmn15679

53:……驚いた。この紙幣も全部本物じゃない。本当に余程の金持ちからの依頼なのね。ところで、あんたらもこいつを銀の車輪っていう怪しげな奴らが狙っているのは知っているかい? ローザの言葉に一行は頷く。そして、シエルがローザに1シリングを手渡した。 ありがと…… #日刊小説

2014-09-23 03:05:16
りんねさん @tmn15679

54:ローザは少し赤い顔でお礼の言葉を呟くと、この懐中時計を扱っていそうな故買屋や骨董品店を14店ほど教えてくれた。 そのうちサティアの情報にもあったのは4店舗で、一行は相談した結果、重複している分確実性が高いだろうと、その4店舗を次の候補にしたのだった。 #日刊小説

2014-09-23 03:12:10
りんねさん @tmn15679

ということで、月曜日分の #日刊小説 は11ポストでした―

2014-09-23 03:21:07
りんねさん @tmn15679

火曜日分の #日刊小説を 明石を掘りながらやりまーすw

2014-09-23 21:20:50
りんねさん @tmn15679

55:その後、大神はローザのところに歩み寄ると、その演技力と美貌、野においておくには惜しいですね。もし興味があったら、倫敦大劇場の大神を訪ねてみてください。 と、話しかけた。 それを聞いたローザは頬にさっと赤味がかかる。 ば、馬鹿じゃないのかアンタ! あたしが…… #日刊小説

2014-09-23 21:25:33
りんねさん @tmn15679

56:恥ずかしそうに俯いているローザをよそに、大神は店の外へと歩いて行く。 まあ、気が向いたらでいいですから。 大神は振り返らずにそう言うと、店の扉をくぐって外へ出た。それに続くようにエスティたちも店を出る。 さて、午前中に回れる店はもう1軒くらいですか。 #日刊小説

2014-09-23 21:28:45
りんねさん @tmn15679

57:イギリス本島がいくら小さい島で、ロンドンもそれほど大きくない都市とはいえ、一日に何件もの骨董品店を巡り続けることができるほど狭いわけではない。セバスチャンは指摘し、次に行く店を提案した。 ここからほど近いところにあり、確実性が高そうな、黒山羊亭がいいでしょう。 #日刊小説

2014-09-23 21:33:23
りんねさん @tmn15679

58:そういうことで一行は黒山羊亭に行ってみたわけだが、結果だけ言ってしまえばここは外れだった。 懐中時計がなかったわけではない。しばらく前までは店にあったのだが、銀の車輪のアクセサリを身につけた数人の男たちが買い取っていったのだという。 くそっ! やられたか…… #日刊小説

2014-09-23 21:36:09
りんねさん @tmn15679

59:シエルは悔しそうにつぶやく。 仕方ありません、坊っちゃん。相手のほうが早かったと認めないといけないでしょう。 それより、そろそろ昼を回ります。近くのカフェでイレブンシスをして腹ごしらえをしてから、救貧院へ向かいましょう。 セバスチャンの提案に、皆賛成した。 #日刊小説

2014-09-23 21:46:44
りんねさん @tmn15679

60:一行は一度イーストエンドを抜けて、表通りのカフェーに行く。その店の名前は『モナ・リザ』と言い、ベネット・クランリーという名前の女主人が経営している店だった。 こんにちわ。 エスティが挨拶して入って行くと、店内の客が一斉に振り返る。年老いた男性だけが客だった。 #日刊小説

2014-09-23 22:13:11
りんねさん @tmn15679

61:あらやだ、久しぶりに若いお客さんだわ。ゆっくりしていってね。 ベネットはそう言って歓迎の言葉を行ってから、注文をとった。一行はお茶と昼食になりそうな料理を適当に幾つか注文する。 注文が来るまでの間、一行は常連客である老人たちに散々に絡まれるのだった。 #日刊小説

2014-09-23 22:20:04
りんねさん @tmn15679

62:しかし、それも店主のベネット女史が一喝するとすぐに収まる。 ごめんなさいね、この店、いつも老人たちばかりだから、若い人が珍しいのよ。 ベネットはそういって謝るとともに、紅茶と料理を提供してくれる。 エスティたちはしばらくこのカフェで休むと、ガーニーを呼んだ。 #日刊小説

2014-09-23 22:37:02
りんねさん @tmn15679

63:モナ・リザのあるグロスター通りからイーストエンド近辺までは、ガーニーだと20分前後。馬車でも40分もあれば到着する。 イーストエンドの少し手前で降りて、聖マルグリット救貧院までの道のりを歩いて行く。スラム街の日差しの当たらぬ場所では小物の妖魔の気配がした。 #日刊小説

2014-09-23 23:01:34
りんねさん @tmn15679

64:どうしますか、執事さん? いち早くそれに気がついたのは大神で、荒事に慣れていそうなセバスチャンに声をかけたのだった。 無視してもいいでしょう。もちろん、かかってくるなら返り討ちですが。 セバスチャンはそう言って、悪魔の様な微笑みを浮かべたのだった。 #日刊小説

2014-09-23 23:01:54
りんねさん @tmn15679

というわけで火曜日分の #日刊小説 は10ポストです。 グーグルマップでロンドン市内の位置関係とか調べられるので色々と便利な世の中ですねw 今回のゲスト出演は森薫先生の漫画『シャーリー』に登場する13歳のメイドシャーリーの女主人のベネットさんでした。

2014-09-23 23:04:04
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