「詩のレシピ」 pwGT組&現代詩手帖共同企画 個人の繋がり
- junju_usako
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「シナナケレバイイト思ッテ」え。お母さんそんな事を?「ヨウスケノヨウハ中庸ノ庸ヲ取ッテ」の笑顔からヨウ家も波乱に満ちた。シハ「一般的主体より一段低い所に身を置き、この世界の受容体とならなければ」と安川。そんなにいい事は、ないよ。覚悟は良いか。ヨウソロ!(詩のレシピ1)#pwGT組
2014-09-21 03:45:10太陽のヨウはヨウコの陽。 望み叶って照らす顔。 熱すぎることもなく、ありきたりが特別な名前。 明るさだけではいられない影が明るい。 舟に乗れるのはふたりまで。 上がる波しぶきにはパンのおこぼれ。 「しの集まりでね、」「市かと思ったわ」「しよ」「そう」 (詩のレシピ1)#pwGT組
2014-09-21 09:42:03押し寄せるものがこわくて後ずさりする。 しがしを呼んでいる。 想いの丈が溢れかえって。 ねぇ、そんなに慌てなくても逃げはしないわ。 しはわたしのなかにあるのだから。 お茶を飲んでいきませんか。 (詩のレシピ1) #pwGT組
2014-09-21 12:27:54仄暗くすれ違う風の揺さぶるさざ波は脚をひらく角度でひろがり、辿りつく頃には島を割る。さべつ/ようご/です/か、お母さん? はて卵黄になれなかった精子として何処へいこうか。洋洋と酔う孤独が要るようだ4には。それすら幻の、おなじ渦のなかで (詩のレシピ1)#pwGT組
2014-09-21 10:10:47窓を開ければ、また窓がある。網越しの恋。宵越しの夢。指を離しても走る窓。慣性スクロール感性ストローク。タイムを上り下りするラインの流れ。難所と嘆きと鎮魂と。熱狂も捏造も妖怪ものせて。よ、みとれ、渦の中の渦うむ岩を。待ち伏せするシ。窓を巻く。 (詩のレシピ2)#pwGT組
2014-09-22 00:13:24窓から外を見れば出たくなり出たのなら帰るだけ。 追いかければ逃げるのを分かっているけれど追いたい。追いつかない。 陣地をうまく仕切られている。 逢えない猫に逢いたいみたいな世の常に。 望めば遠くなるものを。 熱。熱。浮かされているのです。 (詩のレシピ2)#pwGT組
2014-09-22 07:36:14右に寄せれば左が空いて、 左に寄せれば右が空く。 洗濯機もいつかは止まる。 描きたくてうずうずする渦に 巻かれてみたら蝸牛 かわいた音で潰してしまった。 た、た、脚をあげて 見ないで逃げる。 目がどこについていればいい? 触手を伸ばしていく。 (詩のレシピ2)#pwGT組
2014-09-22 13:56:11夜を泳ぎ抜けて 幾つもの夜を 闇のコールタールが絡み付いて ところどころ黒く固まりこびりついている そんな魚に朝日は届かないが 目を射抜かれはっとする 花嫁衣裳の白(詩のレシピ2)#pwGT組
2014-09-22 08:46:22私の頭を抱えて 私が空を飛んでいた (シャガールの絵のように) フロイト(一九三九年九月二十三日没)と ユングの交流と決別を描いた映画の 私の記憶の中では ジークムントは全てのシーンで 葉巻を燻らせていて そうやって吸い込んだ 他人の夢を燃やしている (詩のレシピ3)#pwGT組
2014-09-23 03:26:35押し入れという押し入れから犬がわんさかわんさか出てくる夢を見ました。生まれてきては行き場のない者たちの供養をどこでしたらいい。 吸いこんで吸いこんで溜まれば吐きだせるだろうと。見たもの聞いたもの読んだもの。 昇るのは線香の煙。対岸の花は赤く、燃える。 (詩のレシピ3)#pwGT組
2014-09-23 08:10:56夢か現かわからない赤い触手が伸びている。 ハを持たぬ顔がきれいなところだけを見せようとしている。 誰かに植えられなければそこにいられない。 好かれても嫌われても、もっているものしかみせられない。 煙に巻かれて抱えている手。 温かさを知らないまま。 (詩のレシピ3)#pwGT組
2014-09-23 14:31:30痛い。居たい。言いたい。ことばかり 見せつけられるから 夢であれと願う。 波、波、揺られて、降りたくない。 遠くの煙はとても白い。 そんなにもいろいろを抱えているきみはわたし。 痛い。居たい。言いたい。ことばかり。 (詩のレシピ3)#pwGT組
2014-09-23 19:14:19夢をはらんだ しろい息吹は 細く紡がれ 雲になる かたちを変えてでも側にありたかったものたち 『私』を溶かして、頭を見れば 目を閉じた安らぎと、 (詩のレシピ3)#pwGT組
2014-09-23 21:47:20空だけある部屋でパンの皮をかじる 心寄せるものがなくてもきっと生きてはいけるのだろう おや、鱗だね にぎりしめた右手には 跳ね回る朝の贄 (詩のレシピ4)#pwGT組
2014-09-24 00:45:26雄雌雄雌、 四匹のうちには区別のついたメダカが 殖えて殖えて殖えていくのを知っていたから 名前をつけてやらなかった。 小さいものにも鱗があると知ったのは とうとう水からあげた日。 呼んであげる名前がなかった。 (詩のレシピ4)#pwGT組
2014-09-24 07:10:48鱗を貼り付けた空が 秋を知らせている。 歌っても歌っても枯れない喉が わたしを知らせている。 見ていなくても赤くなっていく柿。 鳥と競争の共存。 眩しくても空を見るように 色を増していく木々。 赤いものに惹きつけられている。 赤ちゃんの指開いて。 (詩のレシピ4)#pwGT組
2014-09-24 10:51:44食べるかーと、近所のおじさんが釣った魚を持ってきてくれた。 ビチビチしている魚を、ばあちゃんがさばくのを見ていた。 尻尾は猫にあげていた。 甘辛く煮た身はみんなで食べた。 卵は子供が食べた。 もう釣る人もさばく人もいない。 銀の鱗が跳ねた。 (詩のレシピ4) #pwGT組
2014-09-24 19:17:49魚の黒ずんだハラワタを割り箸の先でほじくってチロチロ舐めては、安い酒を呷る夜だ。 あの女の汚らわしい内蔵をぼくは刻んで焼いて、醤油をかけて食べた。骨は森の中に棄ててきた。 さようなら、ぼくの過去。 さようなら、ぼくの肉体。 (詩のレシピ4)#pwGT組
2014-09-24 23:53:24手押し屋台のバッテリーが少なくなっています、のれんの臙脂が至極まっとうにひらめき、さきほど皆さんを遠まきに数えていたうちのひとりが大将と呼ばれる、どこまでを持ち場とするかは歯を磨きながら考えるとして、バッテリーの問題は目の離れた女に置き換えられない (詩のレシピ5) #pwGT組
2014-09-25 01:04:37屋台に並ぶ真っ赤なりんご飴。 舌まで赤くしていた妹。 ブルーハワイで青くなった姉。 中まで洗われていないキャベツの入ったお好み焼き。 身体にはちょっと悪かったかもしれないものも 連れていってくれたから憶えている光景。 甘いだけの綿菓子が食べたい、よ。 (詩のレシピ5)#pwGT組
2014-09-25 11:37:26バッテリーを組んでいるようです。 わたしが歌えばあなたが返して あなたが笑えばわたしも笑って 泣きたいときには泣きたい歌を そのまま歌えば 聴いてくれる。 あなたの声を聴いていたい。 (詩のレシピ5)#pwGT組
2014-09-25 12:11:41バッテリーが切れたわ。ツイッターしすぎじゃないの?肩こりがひどいわ。ツイッターしすぎじゃないの?目が痒いわ。ツイッターしすぎじゃないの?今晩なに食べる?ツイッターしすぎじゃないの? へぇへぇ、、 今日も平和です。 肩揉むか? (詩のレシピ5)#pwGT組
2014-09-25 23:57:04ぼく子どもだからお酒飲めない。歯は生えかわったばかりで骨かみ砕けない。耳は大きくなったからおとなの嘘を聞きわけたい。聞きわけた嘘を鶏小屋に埋めたい。生えた茸を粉末にしたい。白い粉末あの子にかけたい。夜の街頭に立たせて売りたい。そしてぼくが買い戻したい。(詩のレシピ5)#pwGT組
2014-09-25 01:39:54「ねりました。ねりました。ねりました。」洟水かんたろうの絵日記。ねりました攻めほどのインパクトはのち経験がない。絵の枠は黒で塗り潰し。字の枠は全行これねりました。寝ました。夏休みは寝てばかりと判っても後手。母まであのねりましたは元気かと詩譜をなぞった。(詩のレシピ6)#pwGT組
2014-09-26 05:12:59