四大聖戦:第一交流フェイズ【邪なる矛】

 ──立ちはだかりしは四人の魔王 赫焉@IgnisSatan 颶風@DeathWaltz_doll 徒波@fileWoz 続きを読む
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【聖焔の勇者】アンゼリカ @Feu_5hw

「おう、アタシがぐーちゃんのナイト様になってやんよ!」  と答えた矢先。少女はびくりと肩を揺らしたかと思えば、こちらに抱き付いてきた。どうせまたあだっちゃんだろう。アイツと来たら短気でいけねェや。 「ぐーちゃん大丈夫かァ?」  頭をぽふぽふ撫でてやりながら首を傾げる。

2014-09-22 21:53:55
【聖焔の勇者】アンゼリカ @Feu_5hw

「何かうるさかったンだろ? たぶんあだっちゃんだろうなァ」  ぽふぽふ。頭を撫でてあげながら、宥めるように片手をにぎにぎと握る。 「アイツあれだよ、かるしうむ? とかいうやつ、足りてねーんじゃねェの?」  ケラケラと笑う姿は、心底面白がっているように映るだろう。

2014-09-22 21:56:13
颶風の魔王 @DeathWaltz_doll

「へ、平気。びっくりした…だけだもん…」 頭を優しく撫でる暖かさを感じて、少女はそろそろと、ゆっくりと、赫焉の魔王から身を引きました。 いきなり大きな音がしたのでびっくりしましたが、落ち着いて考えてみればその原因は一つしかないのです。

2014-09-22 22:18:20
颶風の魔王 @DeathWaltz_doll

少し怒りっぽい所のある徒波の魔王の声に少女は何度も驚かされているのですが、こればっかりは慣れようがありません。 赫焉の言うかるしうむ、というものが何なのか少女にはわかりませんでしたが、彼が何かをなくして怒っているのというのなら、少しは理解できる気がしました。

2014-09-22 22:18:42
颶風の魔王 @DeathWaltz_doll

「…僕も、かるしうむ、一緒に探してあげた方がいいのかな?」 うーん、と首を傾げて。 けれど、ついで聞こえてきた音に、少女はすぐにくるりと後ろを向きました。 ころん、ころん。何かが転がる音。 「あめだま」 音の方向に指を指して、甘いものが好きな人形少女は嬉しそうに笑いました。

2014-09-22 22:19:27
【聖焔の勇者】アンゼリカ @Feu_5hw

「そうかァ? ならいいんだけどな!」  からりとした笑いをこぼして、そうさなァと首を傾げる。 「見つかるものなのかねェ、かるしうむってやつは」  アタシもよく知らん! と開き直るとまた、にししと悪戯っ子のような笑みを浮かべる。 「ま、ヘタなコト言って怒らすのもアレだしなァ」

2014-09-22 22:37:08
【聖焔の勇者】アンゼリカ @Feu_5hw

 アイツのアレは最早ビョーキだろ、ビョーキ。 「またうるさくしてたらアタシがなんか言ってやらァ」  ぽんぽんと二度とほど頭を撫でてやってから、少女の指が指す方向を見やる。 「はっはァん、こらやっちゃんだな!」  飴玉を拾い上げると、おっといけねと呟いて少女の手の平にそれを落とす。

2014-09-22 22:39:21
【聖焔の勇者】アンゼリカ @Feu_5hw

「アタシが持ってっと溶けちまうかもしんねェからなァ、ぐーちゃんが持っててくれよ」  にかりと笑ってそう言ってから飴玉が落ちる廊下をまばたきを繰り返しながら眺めて。おもむろに少女の耳を塞ぐように両手を宛がって、赫焉は大きく息を吸い込む。 「やーっちゃァァァあああん!!」

2014-09-22 22:41:40
【聖焔の勇者】アンゼリカ @Feu_5hw

 たぶん届くンじゃねーかなァとぼんやり考えながら少女の両耳から手を離す。 「悪ィ、耳塞いだけどうるさかったか?」

2014-09-22 22:42:18
颶風の魔王 @DeathWaltz_doll

「んーん。平気」 耳を塞いで貰っていたので、とくにびっくりすることはありません。 耳に手が当てられた時点で、少女には赫焉の次の行動がなんとなく予測出来ていたので、徒波の時とは違い心の準備がきちんと出来たのも大きいのでしょう。少女はゆるゆると首を振るって答えました。

2014-09-22 23:20:09
颶風の魔王 @DeathWaltz_doll

手のひらにころりと乗っかる飴玉は綺麗な包装紙に包まれていて、光を浴びてきらきらと輝いています。 食べみたいな。でも、これは八衢の子のだから、食べたら可哀想だな。 少し考えて、少女は飴玉をドレスのポケットに大事にしまいました。

2014-09-22 23:20:47
颶風の魔王 @DeathWaltz_doll

甘いものは好きですが、人形である少女はどうせ食べたふりしか出来ないのです。 飴玉だって、きちんと食べて貰えた方がいいに決まってます。 あの小さな魔王(少女も人のことを言えませんが)の子がくるまで、綺麗な飴玉は大切に預かっておくことにしました。

2014-09-22 23:25:25
フロリーシャ・ラウィーニーア @flou_siki

パタパタパタパタ。少女は廊下を走る走る。パタパタパタパタ。腕に抱えた甘いお菓子に心が踊る。はやくたべたいなぁ。みんなにもわけてあげないと。ニコニコ笑って走る走る。が。 突然聞こえた大きな声。少女の身体がビクリと震えて足が止まる。けれど身体は止まらない。そのまま傾いで前のめり。

2014-09-23 00:40:25
フロリーシャ・ラウィーニーア @flou_siki

「うわぁっ!」 すてんと転がり床にダイブ。土の籠は放り出されて少女の数歩先。 「いたぁい……」 強く打った鼻を押さえて起き上がる。血色の瞳は痛みで涙目。しかし少女はグッと堪えて涙を拭い、土の籠の側に寄る。甘いお菓子はこぼれていない。少女は満面の笑みで、土の籠を抱えて立ち上がる。

2014-09-23 00:40:29
フロリーシャ・ラウィーニーア @flou_siki

ふと、少女を呼ぶ声。ぴくぴく。動いたのは少女のとんがった耳。 「む?むむ……?」 それはなんだか聞いたことのある声だ。だれだったかな。だれだったかな。頭を左に傾げて、右に傾げて、ピンッと頭の電球がつく。 「かくえん!」 パタパタパタパタ。少女は声のした方へ走り出す。

2014-09-23 00:40:33
【聖焔の勇者】アンゼリカ @Feu_5hw

「そか、よかったよかった」  ケラケラと笑いながらまたぽんぽんと頭を撫でて、さてと廊下を見やる。生憎と自分はぐーちゃんほど耳がいいわけではないので、完全に視覚頼りにはなってしまうんだけども。 「お、見えた見えた。やーっちゃーん!」  今度は普通の声音で軽く片手なんかを振ってみる。

2014-09-23 01:03:36
【聖焔の勇者】アンゼリカ @Feu_5hw

 残るはあだっちゃんのみだが、さっきやっちゃん呼ぶのに大声出したし、また大きい声出すのもだるいし、勝手にこっちを見つけてくれないだろうか。ひとつ、溜め息を吐いてまた少女の両耳に己の手を宛がう。 「おおおおい、こおおおるあああああ、キレやすいあーっだっちゃああああああああん!!」

2014-09-23 01:06:18
【聖焔の勇者】アンゼリカ @Feu_5hw

 そしてまた同じように両手を離して、肩をすくめてみせる。 「これでみんな集まるといいなァ」  へらと浮かべた笑みは少女に向けて。人肌以上の温もりを与えるであろう手の平を押し付けるように、颶風の頬を軽く撫でた。

2014-09-23 01:07:43
徒波の魔王 @fileWoz

男は、優雅に歩いていた。日を通す窓の 汚れ、数ある部屋のドアノブの軋み、何故か漂う甘い香りなどなど挙げれば数がないほどの万象に気を立てながらも、男は優雅に歩いていた。 男は思う。自分は所謂神経質などというものでもなければ日頃言われるカルシウムが足りていない状態なわけでもない。

2014-09-23 01:26:15
徒波の魔王 @fileWoz

単純に自分はちょっと過敏なだけなのだ。人より感覚が優れている故、少々気になる事が多いのだ。 それが、男の自己分析だ。 「大体この俺様がそんな器量の小さ……いいっ!」 城の外から、大声。中にいる以上そこまで煩く感じるわけもないはずなのだが、何故か彼は耳を抑え蹲る。

2014-09-23 01:26:29
徒波の魔王 @fileWoz

「あんの、野郎……俺様の鼓膜が破れたら……」 翡翠の瞳を窓へ向け、立ち上がりそこへと手をつこうとした瞬間。二度目の大声。 「おぉぉいかくえぇん!お前俺様の鼓膜をどうしたいんだ!どうなさりてぇんだ!」 今度は耳を塞ぐことなく、窓を乱暴開け放ち、声のする方へ叫び声をあげる。

2014-09-23 01:26:45
【聖焔の勇者】アンゼリカ @Feu_5hw

「オイコラテメェ!! ぐーちゃんがびっくりしちまうだろ! デケェ声出してんじゃねェぞ!!」  慌てて少女の耳を塞いでやりながら大声で怒鳴り返す。自分のことは棚上げである。 「テメェの! 鼓膜なんか! どうでもいい! とりあえず話あっから来い!!」

2014-09-23 01:48:55
【聖焔の勇者】アンゼリカ @Feu_5hw

 遠くにいる相手に見えるはずもないのだが、舌を出す。全くこれだからあだっちゃんは、と相も変わらず自分を棚に上げたまま肩をすくめて、少女の頭を軽く撫でてやる。 「集まったらみんなで広間に行こうぜ。あ、その前に厨房な」  アタシ腹減ってんだったわ、と外套の上からお腹を押さえる。

2014-09-23 01:50:53
【聖焔の勇者】アンゼリカ @Feu_5hw

「とりあえず肉ねえかな、肉。めっちゃ肉焼きてェ」  ぐうううううと盛大に空腹を訴えた腹を軽く叩いて、こぼれそうになったよだれを拭うように、手の甲で唇を擦った。

2014-09-23 01:53:59
フロリーシャ・ラウィーニーア @flou_siki

パタパタパタパタ。廊下を引き返して中庭。見つけた赤い二つの姿。少女は花が開いたように笑う。二人の名前を呼ぼうと口を開く。ビクリ。身体が跳ねる。大きな声。赫焉のもの。また大きな声。徒波のもの。パチリパチリ。驚きに目を瞬く。けれどまた直ぐに笑顔。パア、と笑う。

2014-09-23 02:09:15
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