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四大聖戦:第一交流フェイズ【邪なる矛】

 ──立ちはだかりしは四人の魔王 赫焉@IgnisSatan 颶風@DeathWaltz_doll 徒波@fileWoz 続きを読む
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フロリーシャ・ラウィーニーア @flou_siki

「かくえん!ぐふー!」 土の籠を抱えたまま片手をぶんぶんと振る。パタパタパタパタ。走り出した足取りは軽やか、鹿のよう。少女は嬉しげに二人に駆け寄る。

2014-09-23 02:12:58
徒波の魔王 @fileWoz

ーーーー……。 「あぁ、ったくよぉ。自分のことは棚にあげやがって赫焉め……」 コツコツコツコツ。ブーツを進める音が、一階の廊下に響く。正体はもちろん、かの男である。 いくら器が小さい男とは言え、あの様な言い方をされてしまえば黙って言うことに従うしかない。

2014-09-23 02:36:03
徒波の魔王 @fileWoz

代わりに、不発となった反論と不満は足音に現れている。 「まぁまずフェアじゃねえんだ……この俺様が何処かぞんざいに扱われている気がする。いやきっとそうだ。そうに違いねぇ……あぁ最悪だ、この俺様がないがしろ?全く不条理ったらありゃしな……ん?」

2014-09-23 02:36:46
徒波の魔王 @fileWoz

またもや小さな事でぶつくさ罵る男は、いつの間に自分の黒のブーツに光が貼り付けられているのに気が付いた。 文句を言っている間に、指定された中庭に着いたようだ。 「うわすげぇ、眩しっ……かぁ、これじゃ俺様の肌が焼けちまうぜ……」 さんさんと降り注ぐ光は、優しきこそすれ

2014-09-23 02:37:05
徒波の魔王 @fileWoz

彼の言う焼けつくほどでも、ましてや日焼けするほどですらない。 「おぉい、ほら来てやったぞ赫焉……っと、皆様方お出ましか」 眩しくもない日差しから手のひらで翡翠の瞳を守りつつ、自分を呼んだ少女、それと既にそこにいたこれまた少女二人を認識した。

2014-09-23 03:00:15
颶風の魔王 @DeathWaltz_doll

撫でて貰った頬があったかくて、少女はしばしの間瞳を閉じてうっとりといきものの暖かさに浸っていました。 耳には、相変わらず忙しそうにパタパタと廊下を走る声が響き渡っています。 パタパタ。パタパタ。 少しずつ近づいてくるその音がなんだか可愛くて、思わずへにゃりと白い頬を緩めました。

2014-09-23 08:51:07
颶風の魔王 @DeathWaltz_doll

「…来たね、八衢……ううん、徒波も、かな…」 赫焉と徒波の大声に、耳を塞がれながらも少し驚いた少女は、ばさり、とその歪な羽を大きく広げました。 塞がれた耳では少し聞き取り辛いですが、こつ、こつ、と近づいてくるもう一つのその音は間違いなく徒波の魔王のものでしょう。

2014-09-23 08:51:32
颶風の魔王 @DeathWaltz_doll

ゆっくりと、瞼を持ち上げます。 黄昏色の大きな目が予想通りの二人の姿を移すと、やっぱりそうね、と少女は笑いました。 「みんな揃ったね。僕、みんなに話さなきゃ行けない事があるんだ。……みんなはもう、知ってるかも、わからないけれど。」 つぃ、とドレスの裾を持ち上げて、優雅に一例。

2014-09-23 08:52:11
颶風の魔王 @DeathWaltz_doll

口調は少年に変わっても、お上品な仕草は変わりません。 「話す前に、赫焉の言うように大広間に行こう。優雅にお茶でも飲みながら、ゆっくり話そうではないかわっはっは……あれ?」 流石に、今度の喋り方はおかしいとおもったのか少女は首を捻ります。

2014-09-23 08:53:26
颶風の魔王 @DeathWaltz_doll

しかしあまり細かいことは気にしない彼女は、それに関してもまぁいいやと片付けてしまいました。 小さく、赫焉の服の裾を引っ張ります。 「…赫焉は、その前に厨房…だよね。お肉…まだあったかしら」 豚さんと牛さん、どっちの方がいいのだろう。それとも鳥さん?人間さん?

2014-09-23 08:54:19
颶風の魔王 @DeathWaltz_doll

ぐるぐる、ぐるぐる。赫焉の好きなお肉は何か、考えながら、少女は後ろの二人もおいでおいでと手招きしました。 「…いこ?八衢、徒波…も、何かたべる…?」

2014-09-23 08:54:25
【聖焔の勇者】アンゼリカ @Feu_5hw

「おう、やっちゃん!」  土の籠を持って駆け寄ってきた小さな少女に視線を合わせるように腰を折る。 「呼びつけちまって悪かったなァ」  小さな頭を撫でるように手を伸ばす。詫び代わりというわけではないだろう、赫焉のスキンシップに多さは今に始まったことじゃない。

2014-09-23 09:14:11
【聖焔の勇者】アンゼリカ @Feu_5hw

「もうすぐあだっちゃんも来、」  ようやく自分の耳にもブーツが地を叩く音が届いた。にぃと口角を釣り上げるとしゃっきりと背筋を伸ばす。女の割には背が高いのが少しの自慢だった。ありとあらゆるものを見下せるのは気分がいい。 「いよォ、あだっちゃん。遅ェよ」

2014-09-23 09:14:21
【聖焔の勇者】アンゼリカ @Feu_5hw

 どこかふてくされたような声音ながら浮かぶ笑みは悪戯に成功したこどもみたいだ。 「ま、ココじゃあだっちゃんもきちィだろうし、話は中でな」  びっと親指で大広間の方向を示しながら、少女人形の言葉に耳を傾ける。 「わっはっは! そりゃ威勢のいい笑い声だなァ」

2014-09-23 09:14:34
【聖焔の勇者】アンゼリカ @Feu_5hw

 「ぐーちゃんのそういうおちゃめさ、嫌いじゃねーぜ!」とおかしそうに笑いながら、またぽんぽんと少女人形の頭を撫でる。 「ん、肉が一番だな! ま、最終的にアタシの燃料になりゃなんでもいいんだけどよ、どうせならうめェもん喰いてーしなァ」

2014-09-23 09:14:46
【聖焔の勇者】アンゼリカ @Feu_5hw

「やっちゃん、あだっちゃん、お前らはどうすんよ?」  先に大広間に行ってても構わない、そんな意味合いを含めて二人に訊ねる。

2014-09-23 09:14:58
徒波の魔王 @fileWoz

「あぁ?遅くねえだろぉ?赫焉よ、俺様がよぉ……」 角の二本生えた特徴的な女性、赫焉からの出迎えの言葉にまた大きく反論しようとし……次の言葉の自分への気遣いに、押し黙る。 様々なことに過敏な男は、優しくされることにも過敏なようだ。 「話さなきゃいけないこと、ねぇ」

2014-09-23 10:15:00
徒波の魔王 @fileWoz

到着するなり颶風と呼ばれる一風変わった少女からのたった一つの言葉にげんなりとした様子を見せる男、徒波。既に陽射しを受けたその顔は重力に負けたようにだらりと力が抜けているが、それを更にいくたるみ具合だ。 「俺様面倒ごとは苦手だぜぇ……?」 ため息と共に呟くと、くるりと背中を向ける。

2014-09-23 10:15:08
徒波の魔王 @fileWoz

「俺様もこれから優雅な朝食を始めるとこだったんだ」 暗に、共に行くとの意思を表明しさっさと歩き始める徒波。 この陽射しから逃れられると分かったその顔は未だ眩しさに刺されているというのに既にたるみがなく、あくまでも敏感に反応をしただけで実際はそうでもないことが窺える。

2014-09-23 10:15:27
フロリーシャ・ラウィーニーア @flou_siki

パタパタパタパタ。ピタリ。赫焉の前に立ち止まる。大きな身体が腰を折る。ぽふん。頭に置かれた大きな手。えへへ、へへ。 「んーん!だいじょーぶ!みんな、さがしてた!から!」 少女は笑って言う。にこにこ、にこにこ。背筋を伸ばした赫焉を見上げてぱちくり。 「かくえん、おっきい」

2014-09-23 10:39:42
フロリーシャ・ラウィーニーア @flou_siki

赫焉の大きさに、小さな少女はまだ慣れない。おいつくかな。おいつけるかな。ぴょんぴょん。何度もジャンプ。髪がふわふわ泳いでる。ドレスがふわふわ泳いでる。けれども少女の背は足りない。ぷう。ほっぺを膨らませて不満顔。でも直ぐに興味は無くなって、視線はくるくる動く動く。 「おはなし?」

2014-09-23 10:39:50
フロリーシャ・ラウィーニーア @flou_siki

颶風を見つめて首を傾ぐ。少女は何も知らない。不思議で目は丸。 「めんどーなの?」 今度は徒波を見つめて首を傾ぐ。おはなし。おはなし。少女には想像すらつかない。しばらくそうして首を傾げても分からない。頭の中はまっさらだ。 「ちゅーぼー」 颶風を見る。赫焉を見る。徒波を見る。

2014-09-23 10:39:54
フロリーシャ・ラウィーニーア @flou_siki

みんなは厨房へ行くらしい。厨房、厨房。ぱちりぱちり。数度の瞬き。ちゅーぼーってなんだっけ。ピンッと頭の中に答え登場。 「やちまたもいっしょ、いくー!」 厨房はおいしいところ。おいしいケーキもあるところ。少女は土の籠を抱きしめて、さっそく徒波の背中を追いかける。パタパタ、パタパタ。

2014-09-23 10:40:21
颶風の魔王 @DeathWaltz_doll

「…悪いけど、めんどう…かもしれないわ……人によっては、少なくとも、わたしにとっては」 徒波の魔王がついたため息に、少女は申し訳なさそうに、そう言いました。 風達が教えてくれたそれは、少なくとも少女にとってとても面倒くさい問題で、少女の機嫌を損ねるには充分なものだったのです。

2014-09-23 11:34:21
颶風の魔王 @DeathWaltz_doll

「面倒だわ、本当に面倒…わたし、ニンゲンはきらい」 ずる、ずる、ずる。 少女が歩くたびに、ふわふわとした黒い羽と、がちゃがちゃと音をたてる機械の羽が重そうに引きずられていきます。 その音に混ざって、かさり、と服のポケットからもれた音に、少女はふと、飴玉の事を思い出しました。

2014-09-23 11:34:44
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