【詩のレシピ10】自由参加 ツイッター連詩 #pwGT組 始まりました。
あれあれですそのそうそれそれがね。すれ違う人の記憶がリアルタイムで抜け落ちていって拾おうかと思うのだけどそれはお節介かもしれなくて。普遍的な街の普遍的な交差点で普遍的な物語を紡ぐのか今日も。知ってた?文字数制限がひとつ減ったの。通り過ぎる声。 (詩のレシピ10) #pwGT組
2014-09-30 20:19:08縁側に寝そべっていたらどこからともなく緑色の瞳をした黒猫が現れた。私の素足に擦り寄ると尻尾をタクトのように3回振ってみせた。思い出せ、と。悲しみの抽斗には涙が琥珀になって眠っている。それを齧るとお前は生き返るだろう。そう告げた。 (詩のレシピ10)#pwGT組
2014-09-30 20:20:45何人かで帰るのが嫌いだった。森は透明だった。ビニールに霞まれた空の白い抵抗がきれい、オーバーヘッドの名残がタイヤ跡と一緒に教えてくれている。胸にめり込んだまま取れない棘、無邪気な私は何も知らなかった。彼は屋根から向こうへ行ったんだ。その意志で。 (詩のレシピ10)#pwGT組
2014-09-30 20:31:00満月を真似て包み込んだ掌のかたち 小さな胸には丁度よい 小さなかたびらみたいで 倒れたままの時間軸は 手向ける掌を待つだけの櫂 抜き手をきっていつでも行けた岬が 何処かにあったはずなのに (詩のレシピ10) #pwGT組
2014-09-30 20:37:16思い出すといつも消防署の丘 蒸気機関車の回転場が中心で そして人道橋、向こうにある大木、 終点の小さな駅舎、みな睫毛の星のようだ 緩いS字の坂 見上げる立坑櫓が夕暮れの光に輝く 巨大なホッパーに影が落ち始めた すっかり日が暮れた頃に私は瞬きをする (詩のレシピ10) #pwGT組
2014-09-30 20:41:24記憶の地図はジオラマのよう 誰もいない校舎の 色味の曖昧なカレンダー めくり忘れた8月のまま 池に映る高い空に 緩やかにカーブするひこうき雲 塩辛蜻蛉がつくる水面の輪と輪 崩れる空色は 蜻蛉の青 (詩のレシピ10)#pwGT組
2014-09-30 20:42:13ふたりのはじまりの場所 君が歩く方向へついて行った 君の背中を見て泣いたり笑ったり この街の真夜中は風も喋らない 抱きしめてた手を解いてしまったのは 夢の続きを描けなくなったから それでも もっと追いかけて欲しかった 壊れた時間が巻き戻るように (詩のレシピ10) #pwGT組
2014-09-30 20:59:30迷いたくて詩人に道をきいた 次の朝、正確には零時 鉄塔の股下で目覚めると 針を欠いた時計の顔の 白日が蔑んでいた オブラアトを貪るように 粘つく喉は失語して 四肢もろとも痺れるのだった 頰に舌を這わす 礫を咥え待つしかない 叫びが 破瓜する時を (詩のレシピ10)#pwGT組
2014-09-30 21:08:20温室育ちが重宝される。美味しそうに平らげられる。都合のいい様に扱われる。大衆化して羨望の対象となるビジネスモデル。無菌、無毒、無害。絶対の信頼が幅を利かせる。問題があれば叩き売られて損はない。いいことづくめじゃないか。求人情報にため息をつく。(詩のレシピ10)#pwGT組
2014-09-30 21:18:08昼の柔肌を鞣す 舐めまわされた痕跡で 穢された昼を夜に引き渡すために 何度も爪で切り裂いた空は もう高さを調節出来ない 思い出が明滅する瑣末な事象が 夢を行き来する 天籟のシニフィエ 記号で示めせない地図記号は 砂丘に かたぶく (詩のレシピ10)#pwGT組
2014-09-30 21:32:31ふぅん。 わたしの靴がういている。 ガードレールをのりこえた。 そのまえは背高泡立草をふみこえた。 そのまえは農道をぬけてビニルハウスをみた。 そのまえは森があった。 そのまえは短い坂と西町の小学校。 わたしはどこからきたんだっけ? (詩のレシピ10) #pwGT組
2014-09-30 21:37:21真水がまっすぐ降りて来る雨に包まれた森で 花は閉じない 開いたから 透明に透明になるまで待っているよ 待てないくらいに待っているよ 真水の味を信じて待っている森で 透明に鳴るまで (詩のレシピ10)#pwGT組
2014-09-30 21:37:28道沿いに曲がると傾いたカーブミラーがあり、あちらにはバス停、 道のむこうへ渡れば用水路、その流れにそってゆけば葱の植えられている畑、 ダリアの咲いている庭、玉ねぎのほしてある軒先、二輪車の伏せておいてある土間。 (詩のレシピ10) #pwGT組
2014-09-30 21:44:22背高泡立草 聖者が墓場祈祷 正邪な腹巻ショー 清楚なあなた貴重 清太さーんカルピスも冷えてるよー Hey Joe 銃なんか持ってどこへ行くんだ? ヘイヘイマイマイ 詩は死んだりしない 目に映るものだけが全てではない (詩のレシピ10) #pwGT組
2014-09-30 21:51:50ゆるいカーブの続く急勾配をのぼり、 見晴らしのいいカーブで街をみおろす。 赤茶けた屋根の平面が てんでばらばらな方角をむいて並んでいる。 どころどころに背の高い杉、 ゼラニウムの鉢。 両腕を伸ばして。 風を孕ませる。 (詩のレシピ10) #pwGT組
2014-09-30 21:56:20まどろむ酔いに 迫ってみたり 引いてみたり けれど気持ちは何処にもなく、 ワタシシは ワタシを問いに列車に揺ら 、れ 吐きそうな腹を 我が家に持ち帰ろとしている (詩のレシピ10)#PWGT組
2014-09-30 21:57:21席を奪うための争い 認められたい女王の振る舞い 目立つための着色の偽の薔薇 月下美人にこそ真の美がある 優雅さがある 勇気がある 命、その儚さと哀愁の美よ 優しさ、柔らかさこそ真の愛 人を焦がす太陽よりも 人をいたわり癒す星月の優しさを人は愛す (詩のレシピ10)#pwGT組
2014-09-30 21:58:14「危険な花なので白線の後ろに下がってお待ちください」 夢の番人は言った いつか過ぎる いつか終わる 待つだけの人生も悪くない 希望だけを抱いて明日を待つ (詩のレシピ10) #pwGT組
2014-09-30 22:04:25揺らすリュックにしまわれたのは 教科書、弁当、それから希望 スカートの丈を思い切り短くして 抜かしてゆく自転車の影 かかとから翼がはえている 今は蝋の脆い翼 これから育つ翼が (詩のレシピ10)#pwGT組
2014-09-30 22:09:23あの角は米屋 その斜め前はそろばん教室 その教室の壁の木目が あれもこれも 人の怒ったような顔で 幼いながらに ずいぶんと怖くてしかたがなかったものだ みんな消えてしまった みんな どこにいったの かえってきなさい 待ってるよ (詩のレシピ10) #pwGT組
2014-09-30 22:09:52ボールは大きくカーブを描き森へ消えていった。あの娘のヘアピンには苺の飾りが付いてるんだ。違うよ、スプーンの裏と表では顔が逆さまになるんだ。ちぇっ、また江川だ、ダブってばっかりだ。誰か泣いてる?ビー玉だよビー玉。馬ぁ鹿、あんたなんか嫌いよ。 (詩のレシピ10)#pwGT組
2014-09-30 22:13:13この道はしっている この先にはブロック塀、青い瓦屋根の家、さびたポスト、シミのついた電柱。 生垣にそってゆけば公民館、そのさきにはちいさな公園。 薄と背高泡立草に占拠された空き地。 貧相な松。 なめらかな岩。 日にさらされたその熱ささえも。 (詩のレシピ10) #pwGT組
2014-09-30 22:20:55すべてゆるされるように秋霖 黄葉の端で躊躇う雫は 赤い景色を抱き 代萩と呼ばれるように 奪われたものたちの うつくしさを愛でられたなら わたしたちはどこにいるのか 瓶にのまれたビー玉は 喰べられたいと輝く、冬も (詩のレシピ10)#pwGT組
2014-09-30 22:25:49風景の夢に時は時計になり、折れ曲がりながら針が、時を指す。シュールに染められる心は、なお深くコンクリートの固い中を安々と入り込み、もしもと云う汎用が意味を喪う。風が吹く。 うららかな あきのようきに かぜそよき ときのながれに おしむはゆめの (詩のレシピ10)#pwGT組
2014-09-30 22:38:59真夜中の製氷機からキューブが落ちて 無音のシンクが冷え始める 流し忘れた泡沫が 排水口に行き着く前に 新しい朝を選んでしまうから キッチンの小さな入り江は 絶え間ないものに充ちて また足を取られてしまう (詩のレシピ10) #pwGT組
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