@kingfisher_girlさんによるアンヌ・ヴィアゼムスキー来日講演レポートまとめ

11/17、東京日仏学院、11/18、東京大学本郷キャンパス、11/19、映画美学校の3講演についてのレポートです。 @kingfisher_girlさん以外の人の感想・レポートを含むまとめはすでにあるのですが http://togetter.com/li/71062 ツイートが下から上へと順に配されているため、読みやすくするために@kingfisher_girlさんのツイートに絞って新規にまとめました。 上記まとめにも他の方々による貴重なレポートや感想が散見されるのでご参照ください。
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かわせみ @kingfisher_girl

――― 今日はここまで ―――

2010-11-21 03:00:43
かわせみ @kingfisher_girl

――― アンヌ・ヴィアゼムスキー特別講義@映画美学校レポ再開 ―――

2010-11-21 23:34:28
かわせみ @kingfisher_girl

■不良少年の誘惑によってマリーは堕落し、人生が変わっていくわけだが、演じていて自分がマリーのようになっていくという気持ちはあったのか?→いいえ、全くそういう影響はなかった。なぜなら、『バルタザール』の本質的な暗い部分についてはずいぶん後になってから理解したことだから。(続く)

2010-11-21 23:36:35
かわせみ @kingfisher_girl

(続き)例として、ブレッソンが亡くなった後、2000年春に、カルチェ・ラタンの映画館でブレッソン特集が行われ、一作一作をスタッフや出演者に紹介させる催しがあった。私がトップバッターで『バルタザール』の紹介をし、その後、出演者と一緒に飲みに行った際、私はブレッソンの妻・(続く)

2010-11-21 23:40:05
かわせみ @kingfisher_girl

(続き)未亡人ミレーユ・ブレッソンに、「よく考えるんだけど、映画のマリーってこの後どうなるのかしら?」と聞いたら、「もちろん自殺したのよ」と言われ、私はショックを受けた。2000年の段階でもそうだったのです。撮影当時はこの後マリーがどうなったか、全く想像しなかった。(続く)

2010-11-21 23:56:08
かわせみ @kingfisher_girl

(続き)撮影に集中していたから、背景について考えもしなかった。(ブレッソンが考えさせなかったのか?と聞かれ)そうだと思う。全く心理的アプローチがない現場だったから。

2010-11-21 23:58:05
かわせみ @kingfisher_girl

■バルタザールが何を思っているんだろうと考えたことはなかったのか?→そういうことを考える暇がなかった、というのが答えです。

2010-11-22 00:00:22
かわせみ @kingfisher_girl

■『少女』の表紙は、雑誌の取材で撮られた写真で、台本の練習をしているという設定のもと撮られたそうですね。あなたは『バルタザール』の台本をまだ持っていると伺いました。→台本はまだ持っている。台本には2か所書き直している場面があり、どちらもブレッソンが直に書き込んだものだから(続く)

2010-11-22 00:05:21
かわせみ @kingfisher_girl

(続き)シネマテークに寄贈しようとも考えた、図書館に寄贈しようとも考えた。パゾリーニはブレッソンが大好きなので、彼にブレッソンの3通の手紙をあげた。そうしたものは彼を愛する人が持っているべきだと思う。台本についてはまだ考え中。私は撮影後、台本は全く何も読み返さなかった。(続く)

2010-11-22 00:08:33
かわせみ @kingfisher_girl

(続き)ブレッソン映画の大使に選ばれていたから、映画については暗記するほど見込んでいた。ブレッソンが亡くなって10年の間に、フランスや外国でブレッソンの映画が上映されるたびに、私かフロランスが使者として行った。ブレッソン映画の出演者はまるで秘密結社のよう。(続く)

2010-11-22 00:12:08
かわせみ @kingfisher_girl

(続き)私達が集まった時の合言葉は「ロベールはどうしているかしら」。それに対して彼女の妻から「元気よ、会いに来て」というメモが来たのです。彼女のおかげで私はブレッソンの最後の3年に、彼に会うことができた。

2010-11-22 00:16:49
かわせみ @kingfisher_girl

■(ここで『少女ムシェット』のDVD特典映像として収録されているブレッソンの『少女ムシェット』演出風景を途中まで上映)ブレッソンの演出風景を見て何かご感想を。→資料としてとても興味深い。私はこの映像を初めて見た。『ムシェット』は『バルタザール』の一年後に撮影されているので(続く)

2010-11-22 00:21:05
かわせみ @kingfisher_girl

(続き)スタッフはほぼ同じ。『ムシェット』との違いは、ブレッソンは私に対して敬語だった。『ムシェット』では常に演技指導をやっているが、『バルタザール』の時は私に対して演技指導がもっと少なかった。今見た映像の最後の場面は、バルテュス(ピエール・クロソウスキーの弟)の絵を(続く)

2010-11-22 00:23:46
かわせみ @kingfisher_girl

(続き)考えないではいられなかった。フランス語がわからない人にはわからなかったかもしれないが、フランス語がわかる人には、ブレッソンには訛りがあって、特徴的な喋り方をするのがよくわかると思う。

2010-11-22 00:25:36
かわせみ @kingfisher_girl

■ラッシュは見ていたのか?→ラッシュを出演者に見せないというのがブレッソンの規則。私も見たことが無い。ブレッソンは、役者が自分の姿を見てしまうと、もっと上手くやりたい、やり直したいと余計な想いが生まれてしまうのを恐れていたから。

2010-11-22 00:27:15
かわせみ @kingfisher_girl

■では、完成試写はどのように見せられたのか?→一番最初に自分の姿を見たのはアフレコの時。私はナルシズムの発作のような状況に陥った。そこには自分ではなくブレッソンの才能が映っていた。「これが私?」と言ったら、ブレッソンは「馬鹿なこと言ってないで仕事に戻りなさい」と言った。(続く)

2010-11-22 00:29:23
かわせみ @kingfisher_girl

(続き)小説に書いたのとは反対のことだが、私は本当に、撮影が終わってしまうことについて、完成してしまうことについて、不幸に思っていた。普通の高校生の生活に戻るのが耐え難かった。そうして私は学校に戻り、ブレッソンは他の仕事に戻ったのです。その後、ブレッソンとの関係は(続く)

2010-11-22 00:42:15
かわせみ @kingfisher_girl

(続き)距離のあるものになった。1年後のカンヌ映画祭でブレッソンが私に来て欲しいと言ってくれたが、バカロレアの数週間前だった為、母が介入・反対してきて、「行けません」と返答。私は行くことができなかった。映画のプロモーションで再会した時は、私への接し方は普通になっていたが、(続く)

2010-11-22 00:45:28
かわせみ @kingfisher_girl

(続き)ブレッソンには所有欲、独占的な部分があって、「他の映画監督と仕事しちゃダメだよ」と私にしつこく言った。「『湖のランスロ』の王妃グニエーヴルの役をやることになっているんだからね」と。今になって思うことは、ブレッソンのそうした発言は、本気が全てではなかったんだと思う。(続く)

2010-11-22 00:49:06
かわせみ @kingfisher_girl

(続き)ブレッソンは自分の人生を取り戻して、私も自分の人生を取り戻した。それがこの映画の後に起こったことです。

2010-11-22 00:50:41
かわせみ @kingfisher_girl

――― 今日はここまで ―――

2010-11-22 00:51:23
かわせみ @kingfisher_girl

(ごめんなさい。今日終わらせる予定でしたが終わりませんでした。)

2010-11-22 00:52:57
かわせみ @kingfisher_girl

※訂正:「彼女の妻」になっていますが、「彼の妻」の間違いです。 RT (続き)私達が集まった時の合言葉は「ロベールはどうしているかしら」。それに対して彼女の妻から「元気よ、会いに来て」というメモが来たのです。彼女のおかげで私はブレッソンの最後の3年に、彼に会うことができた。

2010-11-22 01:02:18
かわせみ @kingfisher_girl

ついさっきまで観ていた映画の中の少女が、ついさっきまで読んでいた小説の中の少女が、自分よりもずっと年上の大人の女性になって目の前に現れると、とても不思議な感覚に陥る

2010-11-22 02:51:31
かわせみ @kingfisher_girl

間があいてしまいましたが、アンヌ・ヴィアゼムスキー@映画美学校レポの残りを投下します。

2010-11-24 20:55:51
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