@kingfisher_girlさんによるアンヌ・ヴィアゼムスキー来日講演レポートまとめ

11/17、東京日仏学院、11/18、東京大学本郷キャンパス、11/19、映画美学校の3講演についてのレポートです。 @kingfisher_girlさん以外の人の感想・レポートを含むまとめはすでにあるのですが http://togetter.com/li/71062 ツイートが下から上へと順に配されているため、読みやすくするために@kingfisher_girlさんのツイートに絞って新規にまとめました。 上記まとめにも他の方々による貴重なレポートや感想が散見されるのでご参照ください。
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かわせみ @kingfisher_girl

■演出風景の映像を見て、ブレッソンは役者に感情的な共有、心のつながりを一切求めていないように感じたがどうか?→私の時は違っていた。彼の映画の出演者の中で私だけが彼と同じ一つの家に住むという経験をしている。彼は直接的にマリーについて私に語るわけではなく、(続く)

2010-11-24 20:57:02
かわせみ @kingfisher_girl

(続き)ロマネスク様式を語ることで、私自身をマリーとバルタザールの世界へと導入してくれていた。説明ではなく、「飼いならす」という言葉が相応しいような行為だったと思う。

2010-11-24 20:57:57
かわせみ @kingfisher_girl

■ブレッソンは自分がそういう人間だということに意識的だったのか?→もちろんです。自分のカリスマ的魅力について大変意識的だった。彼のカリスマ性は大多数の人に通用したが、さすがに全員というわけではなく、通用しない人は苦しむことになる。(続く)

2010-11-24 21:00:08
かわせみ @kingfisher_girl

(続き)彼は自分が大誘惑者で人の心を掴むのが上手い人間であることを自分で理解していた。

2010-11-24 21:00:50
かわせみ @kingfisher_girl

■『少女』を書くに至る心境の変化について。書くきっかけは?→意識できる理由は複数ある。もちろん無意識の理由もある。①出発点は、ブレッソンはロマネスクで小説的な人物である為、人に見せたいと思った。②トリュフォーの『アメリカの夜』を観て、映画というものがどのようにして(続く)

2010-11-24 21:01:36
かわせみ @kingfisher_girl

(続き)撮影されるのかを物語りたいという欲望が生まれ、アンヌとブレッソンの関係を描くことで、芸術創造を語ることができると本能的に判断した。『少女』で描かれているブレッソンの姿は、ブレッソンについての解釈の一つでしかない。ブレッソンについてのバイオグラフィーを作るのは大変。(続く)

2010-11-24 21:02:36
かわせみ @kingfisher_girl

(続き)なぜなら彼の妻がブレッソンを神秘的で謎に包まれている人物にするために努力したから。まず始めたのが、自分の年齢を偽ること。次に、ブレッソンが映画をいつ撮り始めたのかという証言を消してしまうこと。今からブレッソンについてのバイオグラフィーを作ろうとする人は苦労すると思う。

2010-11-24 21:03:35
かわせみ @kingfisher_girl

■ブレッソンとゴダールの演出方法の違いについて教えて欲しい。→それだけで2時間くらいお話しできる話題です。2人の共通点は、俳優に対して何が出来るか明確な考えを持っていること。2人ともイニシアチブ、指導する立場だった。『中国女』は『バルタザール』の一年半後に撮られた作品で、(続く)

2010-11-24 21:05:25
かわせみ @kingfisher_girl

(続き)私にとっての開花の時期。ヴェロニクは私自身がインスピレーションになっている部分がある為、それだけで難しかった。『中国女』は役者たちを生きた材料にして作っているが、セリフがあったので、即興的に作られたわけではない。

2010-11-24 21:06:31
かわせみ @kingfisher_girl

■『バルタザール』や『中国女』の自分の姿を見ることで変わる部分は今あるか?→ありません。時には悲しくなったり、ホッとしたりするだけ。『中国女』に一緒に出演しているジュリエット・ベルトについても同じだと思う。

2010-11-24 21:07:58
かわせみ @kingfisher_girl

■(せっせとメモを取っていたら最後の質問を聞き逃してしまったので、答えだけ記述します。)→フィクションを通じることで真実にたどり着ける。祖父フランソワ・モーリヤックもそのように考えていたと思う。

2010-11-24 21:13:50
かわせみ @kingfisher_girl

有難う御座います。モヤモヤがスッキリしました。 RT @natsudane_k: @kingfisher_girl 最後の質問は「偉大なフィクションはすべてドキュメンタリーである、という言葉がありますが、ヴィアゼムスキーさんも同意されますか?」というようなものだったと思います。

2010-11-25 18:27:05
かわせみ @kingfisher_girl

最後に、司会の土田環さんがブレッソンの「あなたがあるがままに、あなたをそうぞうしましょう」という言葉を紹介して、約2時間にわたるアンヌ・ヴィアゼムスキー特別講義は幕を閉じました。

2010-11-24 21:21:44
かわせみ @kingfisher_girl

以上、長々と失礼しました。

2010-11-24 21:24:05
tonasa @tonasa

@kingfisher_girl ありがとうございます。面白かったです。結局僕は行けなかったので…。ブレッソンとゴダールの演出の違いについては気になりますね。ゴダールは言われてるほど即興で作っていたわけではないらしいという話はどこかで読んだ気がします。

2010-11-24 21:27:23
かわせみ @kingfisher_girl

@tonasa ありがとうございます。次回来日の際にはぜひとも「ブレッソンとゴダールの演出の違い」をテーマにした講演会を開いて欲しいですね。

2010-11-24 21:38:33
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