10周年のSPコンテンツ!

インタビュー・ウィズ・ニンジャ (ブラッドレー・ボンド=サン)

『ナショナル・ストーリーテリング』誌による、ニンジャスレイヤー執筆者のひとりブラッドレー・ボンド=サンに対しての貴重なインタビュー記事。 フィリップ・モーゼズ=サンに対してのインタビューはこちら。 http://togetter.com/li/74063 続きを読む
ニンジャスレイヤー
11
NJSLYR / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「インタビュー・ウィズ・ニンジャ:『ナショナル・ストーリーテリング』誌による、執筆者ブラッドレー・ボンドへの貴重なインタビュー記事」
NJSLYR / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
ーー「例えばそれは、ミルクを満たしたガラス瓶に、蜂蜜を混ぜ込むようなものだ」。彼はいきなり、そんな寓話から切り出した。「人は闘えば傷つき、命を奪われることもある。そのネイチュアは軽視したくないと思った」ブラッドレー・ボンドの気難しげな顔立ちは、ただそれだけで我々にとっての謎だ。
NJSLYR / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
ブルックリンの外れのびっくりするほど質素な一室で、彼は我々のインタビューに応じた。筆者の隠しきれない興奮に、彼はまるでガンダルフか何かのように、いたずらっぽく笑い、一方である時にはーーそう、今この時のようにーー謎めいた沈黙で、こちらの好奇心をシャットアウトしてみせる。
NJSLYR / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
デリバリーのアンチョビ・ピザにタバスコがわりのソイソースを振りかけたものを終始ほおばりながら、彼はしかし、事前のイメージよりも随分饒舌に、ニンジャスレイヤーという巨大な神話的物語の構成要素と今後の展望について語ってくれた。
NJSLYR / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
ーー今回、じつに十年越しの刊行となったわけですね。 「その通り。ゴロツキから私とフィリップの世界を買い戻すのに、ずいぶんかかってしまったよ。だが、おかげで当時は考えもつかなった多層的なプロットが用意できたと思う。必要な時間と思いたい。これを日本ではサイオー・ホースというのだがね」
NJSLYR / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
ーーやはり、読者の一番の興味は、いかにしてこのネオサイタマという世界が誕生したか、そこだと思うんですが。 「だろうね。まず聞かれるのは、なぜトーキョーじゃないのか?って事だが。みんな、『アキラ』の時代の風俗がいまだに幅を聞かせていると勘違いしているんだ」
NJSLYR / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「サイタマっていうのは、東京湾を埋め立てて作られた巨大な人工の陸地なんだよ。すでに今この時代においても、かの土地が日本の経済の中心となりつつある。そのリアリティを踏まえていかなければいけないと思ったのさ。」
NJSLYR / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
ーーサイバーパンク作品からの影響はかなり色濃いと思うのですが、 実際は?「そうだね…いや、むしろ、そういった過去の偉大な作品群も、あの国の極彩色のネオンと、テンプルやシュラインのリチュアルが共存する特異性にインスパイアされたものだ。私もそうだ。影響源は、リアルな日本そのものさ」
NJSLYR / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
ーー希代のダークヒーローとして認知された、我らがニンジャスレイヤーについて。 「最初に生まれたのは言葉だった。ニンジャスレイヤー。ニンジャを殺す。知っての通り、ニンジャ達は日本という国を支配する半神のような存在。それを殺すなんて、なんたる反骨の精神か、とね。そこから全て始まった」
NJSLYR / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「まずニンジャスレイヤーと、あの恐ろしい『忍』『殺』のメンポが生まれた。フィリップがサンフランシスコから送って来たラフスケッチを見て、私は稲妻に打たれたようになった。なにかが私たち2人の脳に降りて来たような感覚だった」
NJSLYR / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「すぐに、彼の永遠のライバルであるダークニンジャ、そして宿敵ラオモト・カンが生まれた。昔から彼らヴィランを知っていたような感覚だったよ。とても、とても不思議だった」
NJSLYR / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
ーーあなた方は、殺すことについて特別なこだわりを持っていませんか?つまり、ヴィランを容赦なく……。 「その通り。それは意識してやっている。ニンジャの闘いは、アメリカンヒーロー達の馴れ合いめいた小競り合いとは違うんだ。なにしろ、ニンジャをスレイ(殺す)するんだ。嘘はダメだ」
NJSLYR / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「ぼくらは、アメリカンコミックのヒーロー達が、同じ相手と何十年も戦い続けるあのやり方にまったく納得がいかない。人は闘えば傷つくし、死ぬんだ。それは取り返しのつかない事なんだ。その描写を避けるというのは、その……人間の生命を軽視する事になりかねない。」
NJSLYR / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
ーーなるほど。しかし、たとえばアースクエイクやコッカトリスのような魅力的なニンジャが1エピソードですぐに殺され、永遠に退場するというのは、それはもう衝撃というか。 「その思い切りが大事なんだ。恐れちゃいけない。容赦なく殺されるからこそ、彼らヴィランの命はまぶしく輝くんだよ」
NJSLYR / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
ーー地下鉄の風景やグラフィカルな日本語看板の描写も、他の日本を題材にした作品群と比較して、画期的に踏み込んでいますね。 「日本に住んでいる私の甥が常にフレッシュな写真や映像を送って来てくれるんだ。私はリアリティをとにかく重視したい。それが物語に重みを加える。中途半端はダメなんだ」
NJSLYR / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
ーーエピソードに途中から触れる読者には、例の『ニンジャソウル』の概念が把握しづらい事もあると思います。この場で説明してみては? 「それはとてもいい提案だね。まず、古事記に書かれた平安時代が始まりだ。あの時代を支配していたのがニンジャ達だ。しかし彼らの支配にも終わりは訪れる」
NJSLYR / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「闘争に敗れたニンジャ達は、キンカク・テンプルでハラキリ・リチュアルを行った。このあたりの経緯は、おいおい作中で徐々に語られる事にもなるだろうが……。ハラキリをしたニンジャたちは、肉体の檻を離れ、時間を飛び越えて、数千年後のネオサイタマにジャンプする」
NJSLYR / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「そして、ネオサイタマを生きる人々の魂に、彼らは融合するわけだな。これによって、現代の人々の中から、異常な身体能力を有した存在が現れる。これがニンジャソウルのカラクリなんだ。そんなニンジャ達を集め、ネオサイタマを牛耳るに至った存在がラオモト・カンのソウカイ・シンジケートだ。」
NJSLYR / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
ーーニンジャスレイヤー=フジキド・ケンジの苦悩も物語の重要なポイントですね。 「そう。彼はサラリマンだった。家族の為にカイシャにいのちを捧げる無力な市民が己の存在意義すべてを奪われ、復讐の二文字を背負わされた。こんな恐ろしい事はない。彼の魂に救済は訪れるのか。見守ってほしい」
NJSLYR / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
ーーダークニンジャ=フジオ・カタクラについて。 「彼は血も涙もないプロフェッショナルであり、ある意味、ニンジャスレイヤーの鏡でもある。彼のカタナ「ベッピン」には大きな秘密がある。ラオモトの懐刀でありながら、彼自身の目的も潜ませている。とてもミステリアスな存在なんだ」
NJSLYR / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
ーーラオモト・カンについて。 「彼に関しては暴君のステレオタイプを極めようと思った。権力欲に取り憑かれた大組織のドンであり、そして、実は彼自身、部下の力など必要としていない。突き抜けた悪意によって、典型からはみ出す存在だ。いずれ彼のニンジャソウルの秘密も明らかになるだろう」
NJSLYR / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
ーーユカノ、ナンシー・リー、二人は対照的なタイプではありますが、どちらも一筋縄ではいかないヒロインです。 「ヒロインについては非常に注意深くデザインした。嬉しい言葉だね。ユカノはゲイシャ的な日本人女性の特徴をよく表しているという意見もあるが、むしろそこから逸脱する女性だ。」
NJSLYR / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「非常に現代的な視点を盛り込んであるんだ。彼女は『待つ女』ではない。自ら剣を取って戦う女性なんだ。ナンシーもしかり。彼女は常に油断のならぬ存在で、時にはニンジャスレイヤーを己の目的の為に利用し、翻弄する。だが、だからこそニンジャスレイヤーとの間には独特なエロティシズムが漂うんだ」
NJSLYR / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
ーーラオモト・カンが引用する警句は独特なものが多いですね。日本という国のエキゾチズムと哲学的考察にあふれている…。 「そうだね。ミヤモト・マサシは武人であり哲学者でもあった。我々アメリカ人が物質文明の中で置き去りにした思想だ。それを悪の権化のような男が用いる。悪にも思想が必要だ」
NJSLYR / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
ーーネオサイタマという街は、きらびやかで混沌とした魅力を持つ一方、貧者が奴隷のような境遇に置かれたディストピアでもありますが。 「そう。あれはフィクションでもなんでもない。今まさに日本という国で起こっている人間阻害の現状であり、我が国においてもそれは対岸の火事とは言えない状況だ」
残りを読む(7)

コメント

コメントがまだありません。感想を最初に伝えてみませんか?

ログインして広告を非表示にする
ログインして広告を非表示にする