#SFっぽい怪談　まとめ

いぐあな・創作アカ @sou_igu

ワープ可能積載量ってあるだろ。大概の船はギリギリまで荷物を積むけど、たまに宇宙空間に出た後、重量が越えているときがある。調べても原因が解らない。そういうときは船の隅に酒の入った杯を置いて『すみません。降りて下さい』と頼むんだ。宙港で売っている酒はそれ用なんだよ #SFっぽい怪談

森村直也＜出歩けない隠居＞ @hpjhal

歯医者で遅くなっちゃって。近道しようとして聞いちゃったの。防空壕の前で。 何を？ 人間の声みたいな。でも不明瞭で聞き取れないの。 本物、かな？ 異空間からのメッセージのほうがロマン。 どっちも嫌だわ。 ね、銀歯直した？ そうだけど。 おめでと。霊感少女の誕生ね。 #SFっぽい怪談

いぐあな・創作アカ @sou_igu

ねぇ時間旅行していると時空間で妙なモノを見るのよ。首長竜とか、大きな毛むくじゃらの猿人とか、太い蛇とか。もしかして、アレが時空間の裂け目から一時的に「こんにちは」して写真に撮られたりするんじゃない？ #SFっぽい怪談

いぐあな・創作アカ @sou_igu

『お足元にお気をつけ下さい』抑揚の無い声が頭に響き、私は驚いて席に着いた「聞こえましたか？」マスターが笑う「フロア担当のマネージャーロボだと言われてます」「ロボットの幽霊ですか？」「オーナーが相棒と呼んで、とても大切にしてましたので。魂が宿ったのではないかと」 #SFっぽい怪談

いぐあな・創作アカ @sou_igu

難波船の実況見分をした時の話な。一族で宇宙航路を開拓していたらしくて、そこを宇宙海賊に襲われ、貴重な航路データを奪われたらしいんだ。しばらく見分してたら、いきなり家族の立体映像が流れて終わったら声がこう言った「ワタシノメモリーヲ、アナタノキオク二タクシマス」 #SFっぽい怪談

いぐあな・創作アカ @sou_igu

「スペースサルガッソって本当に不気味ですよね。宇宙船の残骸があんなに…。もしかしたら、船乗りの幽霊も集まっているんじゃないでしょうか…」怯えながら若い船員がシフトの交代にブリッジに行く。俺は船の窓辺に置いたグラスに酒を注いだ「邪魔が入ったな。もう一杯どうだ？」 #SFっぽい怪談

いぐあな・創作アカ @sou_igu

「航海していると突然目の前に青い空が現れる。緑の草原に波の立つ海。本物かと思ってハッチを開けるだろ。宇宙空間に流されてお陀仏さ」「なんですか？それ」「その星の住人のポカで突然、爆破された惑星の幽霊って話だよ。自分の地表に住む生命が欲しくて彷徨っているわけさ」 #SFっぽい怪談

いぐあな・創作アカ @sou_igu

すっきりと晴れた秋晴れの下、神主の御幣が舞う。奴の鼻の上を二度、三度。頭を下げた俺達の上を二度、三度。航海の安全と商売繁盛を願う祝詞が流れる「出航日和だな」俺達は真新しい宇宙船のタラップを登った。ハッチの横の外壁をポンと叩く「これから、宜しく頼むぜ、相棒」 #SFっぽい怪談

いぐあな・創作アカ @sou_igu

宙港のロビーの立体スクリーンにニュースが流れる。とある繁栄していた開拓惑星が政変の末に地殻変動で壊滅したという「喧嘩ばっかりしてるから、嫌になって出て来ちゃった」隣でおかっぱ頭の赤い着物の女の子が首を傾げる「次はどの惑星に住もうかしら？」 #SFっぽい怪談

いぐあな・創作アカ @sou_igu

知ってるか？転送装置で人を送るときは、必ず、その人＋αの余裕がプログラミングされているんだと。でないと転送された先で、その人が怪我したり、病気になったり、不幸に見舞われるんだってさ。何で？何か、その人を護る『見えないナニカ』を置いて行ってしまうかららしいぜ #SFっぽい怪談

森村直也＜出歩けない隠居＞ @hpjhal

その男は独自の理論を構築し、物体の空間偏在化によるワープを実現させた。ワープは瞬く間に世の中に広がった。同じ頃、黄金律の肉体をもつ女優は『声』が聞こえるようになったと週刊誌に打ちあけた。怪奇現象と世間が騒ぐその片隅で、男はにやりと笑う。コツがあれば簡単だよ、と。　#SFっぽい怪談

森村直也＜出歩けない隠居＞ @hpjhal

鳴らないはずの着メロの「もしもし」聞こえてきた声に立ち止まる。それは聞けるはずのない声で。返答できずにいた僕に「もしもーし」同じ調子で呼びかける。「まいっか。海くんが好きだよ。生まれ変わっても」きっとそれは網の世界を巡る亡霊。けれど。「僕も。もう君がいなくても」 #SFっぽい怪談

いぐあな・創作アカ @sou_igu

仮想空間にダイブする。事故死した彼のアバター。もう私しかアクセスしない彼の分身。その彼の口が動く「大丈夫、俺はいつまでも君を見守っている」入力されてないはずの言葉に驚くと彼は消え運営管理からのメッセージが届いた「このアバターは契約期間終了につき消去しました」 #SFっぽい怪談

森村直也＜出歩けない隠居＞ @hpjhal

やっとの思いで停戦までこぎつけた。史上稀な戦闘のない時代の幕開けである。意気揚々と事務局に戻った僕の肩をぽんと叩くのは、軌道エレベータ会社の社長だった。「困るね、エレベータが動かなくなる」戦場で採取される無垢で生きのいい魂が、起動エレベータの重力制御に必要だと。 #SFっぽい怪談

いぐあな・創作アカ @sou_igu

初期のダイブには稀に仮想空間から戻って来なかった奴がいたらしい。奴等は仮想空間を今、幽霊のようにさまよっているんだと。夜中に一人で長時間ダイブしていると、奴らにどこからダイブしているか嗅ぎ付けられて身体を…『IDNo.――様がログアウトしました』 #SFっぽい怪談

添嶋譲 @literaryace

救難信号を発していた宇宙船を確保した。信号は1日以内に発したようだが、乗組員は全員死亡が確認されており、死後1カ月経過していた。他に生命体の形跡も船内の物理的余裕もなく、詳細は不明。ただ、信号を解析すると「お母さん助けて」と幼い子どもの声が確認されたいうことだ。 #SFっぽい怪談

稲野巧実 @opentweetbox

眠る時にすうっと吸い込まれる感覚、あれをブラックホールに魂が吸い込まれていると言う奴が居る。ブラックホールに吸い込まれると時間が永遠に感じるそうじゃないか。目覚めて動き出す事と矛盾してる。『そりゃ、ホワイトホールから吐き出されたからさ。ようこそ』世界が笑い、青ざめるは自分独り。

森村直也＜出歩けない隠居＞ @hpjhal

技術者の酔狂で作られた超広帯域アンテナラジオを二台。真ん中にアンプとスピーカー。まずラジオをミリ波帯の周波数に合わせる。ラジオの距離は十ｃｍを目安に。ハウリングを拾ったら、ミリ単位で調整する。運が良ければ聞けるだろうよ。遥か夜空の彼方に行ってしまった誰かの声を。 #SFっぽい怪談

森村直也＜出歩けない隠居＞ @hpjhal

これが新発明、猫の世界を再現するヘッドセットだ。猫の可視光を合成表示するゴーグル型ディスプレイ。猫の可聴域を拾う猫耳型高性能マイク。視力聴力も再現した。どうだい猫の気持ちは。「猫って、変なとこ凝視しますよね」そうだね猫の魅力の一つだ。で、君は何を見ているのかな？ #SFっぽい怪談

稲野巧実 @opentweetbox

念願の宇宙船の乗務員になった時、近所の老女が訪ねてきた。「宇宙船で女の頼みは断っては駄目。エンジンに飛び込めと命じられても従いなさい」無茶と私が言えば、老女は言った。「宇宙船は女性。好みの男に拒絶されて拗ねでもしたら、全員宇宙の藻くずだ」老女の夫と息子は宇宙船で謎の死を遂げていた

いぐあな・創作アカ @sou_igu

クレバスに落ちてしまった時のこと、動けない俺をロボが助けてくれた。ヒーターで氷を溶かして飲ませてくれ『ボス、大丈夫。必ズ助カル』ずっと声を掛けてくれた「救助隊が言っていた。ロボは落ちた衝撃で全壊してたって。でもヒーターは使ったばかりのように暖かかったってさ」 #SFっぽい怪談

森村直也＜出歩けない隠居＞ @hpjhal

旦那が亡くなって犬が寂しがるから、気休めにね。写真を元にした立体映像の『思い出ホログラム』っていう。犬も喜んでよかったんだけど、最近ちょっと変でね。書斎に行ったり庭に出たり、旦那が生きてた頃みたいに。え？　メーカーはどこかって？　えーと。青森県下北半島ですって。　#SFっぽい怪談

いぐあな・創作アカ @sou_igu

ようこそ仮想裏神社へ。何をされに来たなんて野暮は訊きません。大丈夫、今やネットは24時間全世界に繋がっているのです。今この瞬間、貴女の憎い相手とも。会員登録サービスの藁人形と五寸釘をどうぞ。五徳と帷子と櫛はこちらです。さぁ憎い相手を思い浮かべて心臓を一打ち… #SFっぽい怪談

添嶋譲 @literaryace

その日、突然システムが停止してしまい現場は大混乱でした。一人しかいない担当者に連絡が取れないのです。連絡先すら消えてしまっていました。 #twnovel その日は彼の子供の初めての誕生日でした。サーバ達が相談して止まったのです。僕達のマスターの大事な日だからね。 #SFっぽい怪談

いぐあな・創作アカ @sou_igu

学生の頃、私と彼はメールソフトのキャラにルカと名前付けてママ、パパと呼ばせて使っていた。でも私達は別れ、私はルカをPCから削除した。社会人になって数年、私は彼と再会した。連絡先を交わして帰るとPCに新着のメールが来てた「ママ、私、ルカ。またパパと私を可愛がって」 #SFっぽい怪談