日本海沿岸の海浜地帯で砂に埋もれて死んだ男の話
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『このように第二の犠牲者もまた己の直近の死を予期しえていたことは明白であります。さらに、彼のケースの場合、ロベカル氏の時にはなかった<介入者>の存在が観察されており』
2014-10-11 11:54:53『ここまでの2件については上段でも申しあげましたように、拙生のブロマガにて個別に、またより詳細に取り上げております。さて今回メインで取り扱うのは、つい2週間ほど前新潟市北部、やはり日本海沿岸エリアで命を落とされた、通称「ジダン氏」の事案についてであります』
2014-10-11 13:10:46『この一件をもって、これまで仮に表ざたにされることがあるにせよ、別個のものとして処理されても何ら不思議ではなかった2つの怪死とあわせ、これらの3つの事件が、ある醜悪な意思のもとに推し進められる、計画の一部であったことが、誰の目にも明らかな形となったわけであります』
2014-10-11 13:22:10『である以上は、この度の「殺し」は、彼らにとっては大きな墓穴となったといわざるを得ません。ここでこの3つの怪死事件における共通点をおさらいいたしますと、まず一つ目手してすべてが日本海沿岸で発生していること』
2014-10-11 13:24:51『第二に、これから「ジダン」氏の事案について述べていくことで触れることにもなりますが、三氏が三氏とも、きわめて奇怪な形で自らの死をその直前になって予見していることなどがあげられますが』
2014-10-11 13:27:28『今回の一件をもって、この3つをより強固な形として結びつけるものとして、3犠牲者の単純な意味での人間関係が、新たな材料として浮上いたしました』
2014-10-11 13:34:56『その事実は、拙生が第三の犠牲者の名前を、「ジダン」氏として紹介した段階から、お気づきになられた読者の方も少なくないかと思われます。断っておきますがこの呼称は拙生が勝手に用意したものではなく「ジダン」氏本人が自らの意思で生前使用していたニックネームなのであります』
2014-10-11 13:55:24『この「ジダン」および第一の犠牲者が同じく自らのアカウントで使用していた「ロベカル」というニックネームは、言わずもがな以前同一チームでプレイしたこともある世界的サッカー選手の名をそのまま流用したものであり』
2014-10-11 13:58:19『したがってこの両者にいかなる接点もなく、その呼称上の問題については単なる偶然の一致として片付けるのはむしろ無理のある話ということになるわけなのですが、実際そこのところのからくりについて解説いたしますと』
2014-10-11 13:59:38『第一の犠牲者こと「ロベカル」氏がさる社会人演劇サークル団体を主宰していたという事実はすでに述べたとおりなのでありますが、このサークルの実構成員、あるいは多かれ少なかれ何らかの形でそこに関与した外輪の有志は』
2014-10-11 14:05:12『お互いにその某サッカーチームに在籍していた選手の名称をコードネーム的に付け合い、ネット上のコミュニティサイトで交流する際にはその名を使用するという妙な決まりごとを有していたという事実があります』
2014-10-11 14:08:21『さてそれではこの「ジダン氏」もまた劇団の構成員であったのかというとどうやらそうではないようで、もう一つのパターンであるところの外輪部隊に属する人間であったようですが、彼のサークルとのつながりは深く』
2014-10-11 14:09:48『むしろその創生に大きくかかわり、のみならずリーダーであるところの「ロベカル」氏に深い影響を与え、「ロベカル」氏をして劇団創設に導きせしめた当の本人が彼であったという事実が、ここ数日の拙生の調査で判明してまいりました』
2014-10-11 14:12:11『「ジダン」氏は以前よりネット上において創作にまつわる活動を続けており、「ロベカル」氏はそれに一般ユーザーとして憧れを抱いていた部分があったようです』
2014-10-11 14:13:48『さて、次に第二の犠牲者であるところの「文学少年」についてであります。彼の場合は前にもお話しましたように、近年におけるネット上のニックネーム自体が確認されておりません。問題の演劇サークルと何らかのつながりを有していたかどうかは現時点では不明です』
2014-10-11 14:57:29『ただ、少なくとも、この「文学少年」と「ジダン」氏との間に、個人的なつながりがあったことだけは拙生の調査活動を通じてすでに判明しております。生前の「ジダン」氏と親しかったある人物の口を借りますと』
2014-10-11 15:07:23『「文学少年」がその身をおいていたレンタルルームと「ジダン氏」の直近の住所はかなり近く、時折駅前の繁華街などでともに遊び歩く光景が目撃されていたそうです。この証言は拙生にとっては痛恨のものといわざるを得ません』
2014-10-11 15:14:17『「文学少年」の死はいまから3ヶ月前、拙生はその2週間後にはこの怪死に不穏なものを覚え、調査活動を開始しております。その過程で「文学少年」の身辺については隅々まで洗ったつもりでおりましたのですが、この際「ジダン」氏の存在は拙生のレーダーにかかりませんでした』
2014-10-11 15:20:56『この段階でもし拙生が彼の存在を感知できていれば、何らかの手はずの末彼をその後迫りくる死の影から救い出すことも、不可能ではなかったかもわかりません。ただ悲しいかな「ジダン」氏の存在は、「文学少年」のサイドから追っていくプロセスでは容易には掘り起こせないところにあったのです』
2014-10-11 15:25:37『「文学少年」は私的にはほとんど交友関係を持たない人間で、ゆえに拙生が持ちえた彼に関する情報もその大部分が彼の行きつけであった喫茶店のマスターの証言に依存している状況にあります。このマスターは「ジダン」氏の存在などまったく知りえず』
2014-10-11 15:31:43『また他に拙生に彼のことを進言してくれるような「文学少年」の知己を拙生はついぞ見つけ出すことができませんでした。ある意味、至近的に「文学少年」を最も知りえた人物は、この「ジダン」氏本人であったのかもわからないのです。実に不幸なことであります。ただここで、また別の見方が出てきます』
2014-10-11 15:37:54『「文学少年」はそもそも「ジダン」氏を頼って上京したのかもしれません。上記のように彼は多額の借金を抱えており、実家も勘当同然に放り出されております。東京における友人と呼べそうな友人は特定できている限りでは「ジダン」氏のみで』
2014-10-11 15:55:22『また「文学少年」があえて「ジダン氏」の住居の近隣にあるレンタルルームを住処とした事実からも、「文学少年」の意図が見えてくるような気がします。「文学少年」が「ジダン」氏にどのレベルまでの依存心を有していたかはもはや知るすべもありませんが、生前の彼が見せただらしなく、甘えっぽい』
2014-10-11 16:06:01