- DD_crescent
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ざあ、という音と、身体が浸かっていた水が引いてゆく感覚…… ああ……此処は、ドックなの……? 私……私は……そうだ、如月に、刺されて。 提督の腕に抱かれて……提督の手も、服も、私の血で真っ赤に…… ああ、頭がまだぼうっとしてる……でも、起きなきゃ……
2014-10-12 12:52:40暗い……どうして照明が落ちてるの……ううん、照明だけじゃない……電力が、途絶えてる……? 鋼鉄の棺桶のようなドックから身を起こして、私は微かな非常灯の光を頼りにあたりを探り始めました…… 服……服もない……艤装もない……当たり前か……
2014-10-12 13:13:14……ざらざらしたタイル張りの床を、四つん這いでじわじわと移動する。 壁際の排水のための側溝。もうひとつのドック…… あった。ドックフロアと外部を隔てる大扉。 でも、開く……はずもなく…… 必死にかつて見たはずのこのフロアの光景を思い出す。 手動で……開閉させるスイッチは……
2014-10-12 13:54:36……駄目だ……思い出す限り、電源の落ちた状態で内部からこの大扉を開ける方法は、なかった気がする。 扉や壁面をくまなく探っても、それらしいものは見つからない…… 外部から、誰かが開いてくれるのを待つしかない…… ……艤装なしで、どれくらい耐えられるんだろう……
2014-10-12 13:58:49……人間なら、水がなければ3日ももたない…… 艦娘も、艤装なしなら大差はない、かも…… 水……はドックあがりの身体やドックを洗うための洗浄用の水が、出る。 飲用ではないけれど……そんなことは言ってられない。 飢えは、限界まで耐えるしかないけれど……
2014-10-12 14:04:38眠って消耗を抑えたほうがいいのかな…… でも、ほんとうに何が起きたんだろう……発電機の故障……? それとも……ううん、そんな、まさか…… 寝よう……きっとそんなに待たずとも、誰かが外からこの扉を開いてくれるはずです……
2014-10-12 14:20:00……あれからどれくらい経ったのか…… もう、日付の感覚も時間の感覚もなくなってしまった…… たぶん、このままだと飢えて死ぬより……気がふれてダメになって終わってしまうきがする……
2014-10-12 15:12:01