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魔の階 最終対話 『豪奢なる広間の場』

左右と中央、三本の上り階段から繋がる場。ありとあらゆる贅を尽くされた調度の並ぶ広間に、動くものはただ三人。
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《蛇》 @SatanaDio

「おっと、暴力は反対だよ」 両手を上げてひらひらと。共にあげられたワイングラスの中身が揺れる。 「生憎と私は口先で生きてきたのでね、そちらはからっきしなのだよ」 肩を竦め、唇の端を吊り上げる。

2014-10-16 20:04:19
《狼》ウィス @StairwayWis

姿を変えながらの言葉。《蛇》はどうやら不定形らしいとは声にはせず思う。林檎、ワイングラス。「ああ」その問いには即答する。「簡単に殺されてやるつもりはないけどな。『魔王』がいる限り人間は一つになるしかない。『魔王』を殺す為に『群れ』を作る。人間はそうでもしないと群れられない」

2014-10-16 20:51:17
《狼》ウィス @StairwayWis

「もし俺が『魔王』になって人間たちに殺されることがあったとして。その後には俺以上の『魔王』がこうして選び出される事になる。次の『魔王』よりもその次の『魔王』がより大きな害悪として人間を結果的にでも纏め上げることが出来るなら、俺はその踏み台になっても良い」

2014-10-16 20:54:03
《狼》ウィス @StairwayWis

「もし俺が『群れ』に殺されることもなく生き永らえるならそれだけ『群れ』は大きく成熟する事になる。『魔王』は最後に殺される事が役目だとは思うけど単に殺されれば役目を達せるとは考えてない」 「暴力反対は俺もそうだ。言った通り俺は戦えない。『烙印』に貰った力も『烙印』相手じゃな」

2014-10-16 20:58:02
《狼》ウィス @StairwayWis

「……ただ、俺は戦えないけど、それでも十分に『脅威』にはなれる」《蝙蝠》に目を向ける。「あんたは?」短い問いを楽器の持ち手に向ける。

2014-10-16 20:59:49
《蝙蝠》音成カイ @teudev

「今戦おうという気は俺もないな。暴力反対とはいわん、決着がつかなければその手段を取ることも検討するさ。が」 頬杖をといた。肘かけに指を休めるように腕を置く。 「今は話の途中で純粋なパワーを競っているわけでもない。よって必要性は感じない」 両者に向かい合うように背を正す。

2014-10-16 22:32:20
《蝙蝠》音成カイ @teudev

「脅威は暴力とは限らない。ディアの言う《肉の宴》も使い方次第で脅威になりうるだろうさ。それを踏まえたうえで『脅威』と呼ぼうか」 目を細める。 「人間を束ねる存在であるためには人間にとって脅威であることが不可欠だと俺は思っているよ。そして《烙印》も力も使いようだし加減がいる」

2014-10-16 22:42:03
《蝙蝠》音成カイ @teudev

「脅威が大きすぎれば立ち向かう力をくじかれるし弱すぎれば団結しない。バランスが崩れれば脅威と認知されるより先にどちらかが滅ぶ。それじゃあ意味がない」 眼鏡を外しマフラーでぬぐう。フレームのゆがみを正す。 「容易くはなかろう。だからこそどちらの言葉にも同意できる部分は多々ある」

2014-10-16 22:48:07
《蝙蝠》音成カイ @teudev

「誰がふさわしくて誰がふさわしくないかを問答するなら意味は感じないな。烙印をもちこの場に来ている時点で魔王となれる要素があるとみなされているわけだ。それぞれの考える魔王らしさも異なるが、どれも間違いではないはずだ」 眼鏡をかけなおし二人を交互に見た。 「だから俺はこう考える」

2014-10-16 22:51:58
《蝙蝠》音成カイ @teudev

「誰が魔王になれば《烙印》を持つ全員の望みを果たせるか、だ」 レンズに入った小さなヒビを通して、シグナルレッドは少し歪んでいた。

2014-10-16 22:53:15
《狼》ウィス @StairwayWis

「なるほど」《蝙蝠》の言葉は単純でわかりやすい。「『烙印』も使いようだってのは考えてなかったな。確かにそうだ」納得を頷きで示す。続く声には、目を上向けた。 「『魔王』が全員の望みを果たす道か。俺はここに来る前に一人と会った。二人もそうなら『烙印』は全部で六つだな」確認する。

2014-10-17 01:17:55
《狼》ウィス @StairwayWis

「なら、分かった。《狼》の望みは『群れ』を守ることだ」それがこの『烙印』の意味だ。「人間の『群れ』を可能な限りすぐに作らせるだけの害悪であること、人間の『群れ』を破綻させずに持続させること、人間の『群れ』をできる限り成熟させ、人間に負い目を抱かせること無く殺されること」一息置く。

2014-10-17 01:21:39
《狼》ウィス @StairwayWis

「俺が会ったのは《蜥蜴》だ。《蜥蜴》の願いは人間たちに憎まれて恨まれて殺される事。俺は『魔王』として、《蜥蜴》を憎んで怨んで殺して殺した後も憎み続ける事を約束した。《蜥蜴》は『魔王』に一番に憎まれるのならそれでも良いと言っていた、けど、二人がそれが出来るかは分からない」

2014-10-17 01:24:48
《狼》ウィス @StairwayWis

「……《狼》の望みは、『魔王』に対する要求と受け取ってもらってもいい。ただ俺は約束は守りたい、《蜥蜴》は俺が殺す、そう必ずと言ってここに来た。安請け合いだとは思って無い」一度言葉を切る。二人に眼を向ける。「俺が抱えた二つだ。あんたは?」《蛇》に向かって問いかける。

2014-10-17 01:27:48
《蛇》 @SatanaDio

「ふむ。貴方の言葉は中々どうして通じやすい。私は駄目だね、どうしても回りくどい言い方をしてしまう。しかしこれも性分だからね、許して欲しい」 軽く肩を竦めれば、ワイングラスを傾ける。一口、二口と飲み下して空にする。薄い唇を舐める。

2014-10-17 01:40:15
《蛇》 @SatanaDio

「私の望みと、レディ、フェジニド嬢……《山羊》である彼女の望みは先程、語った通りだ。赴くままに欲を貪る人間たちから生まれたるそれらを私が喰らう」 「甘言で唆す。人は容易くその気になるだろうよ、さすれば意識の統一など簡単だろうさ」

2014-10-17 01:42:39
《蛇》 @SatanaDio

《狼》の投げ掛けを受ければ、一つ頷きを返す。 「《蜥蜴》。その方の望みはとても私や《蝙蝠》、カァイには……んん、カイだったかね。彼には果たせそうにないとも思えるが」 憎むだけなら容易かろう。殺すだけなら容易かろう。そこに特定の個人が絡んでいなければ、の話だが。

2014-10-17 01:45:01
《蝙蝠》音成カイ @teudev

「相違ないな。俺が来る前にあった烙印の持ち主は《蠍》一人。約束をしたのも彼だけだ」 《狼》の確認に答える声は[シ]を保つ平坦のまま。 「群れの遵守。集団を守る。人間という大衆を維持し育てるための指揮と統率が目的だと受け取ればいいか?」

2014-10-17 12:29:09
《蝙蝠》音成カイ @teudev

「ディアと……《山羊》はフェジニドと言うのか。その二人の願いである統率の方法はあくまでも手段の一つに感じる。俺に欲を食らおうという気がないからだろう。ゆえに全面同意はしかねる」 ワイングラスに口をつける様子を眺め首を傾ぐ。 「カイだ。発音しにくければ好きに呼んでくれていい」

2014-10-17 12:30:18
《蝙蝠》音成カイ @teudev

「……なるほど。ウィスと《蜥蜴》の約束はなかなか他者が果たすには難しいものがあるな」 眉間のシワを深くした。しばし喉の奥で息をうならせる。 「俺自身の望みは単純だ。魔王となり人間がいかにして団結を強めるのかを眺めたい。何をすればどう答えるのか。それが知りたい。純粋な興味だ」

2014-10-17 12:31:24
《蝙蝠》音成カイ @teudev

「《蠍》は──」 また一拍。 「おそらく魔王としての望みは持っていなかったよ。だが恐怖ゆえに発揮する力を烙印に選ばれた。背を押されるように段差を昇ったようだ。魔王になる事も死ぬことも、どちらも選べずにいた。アガルは……《蠍》はただ怖かったんだろう」

2014-10-17 12:33:52
《蝙蝠》音成カイ @teudev

「友達になら殺されてもいい。助けてくれ。そう言っていた。お互いに初めての友達だ」 一つ息をつく。 「これは私情だろう。だが烙印の持ち主を殺すことは魔王にしかできない。俺の望みは他の誰かに叶えられても彼の願いは俺が魔王とならなければ叶えられない。譲る気はないのは、それが理由だ」

2014-10-17 12:41:33
《狼》ウィス @StairwayWis

向けた先の《蛇》の言い回しはやはりよく分からない。「人の欲ってだけならわかるけどな。食うとかの話になるとよくはわからない。ただ人間を甘言で唆して一つにってのもやり方によってはできるだろうな。人の欲をあんたが制御出来て人の『群れ』に瓦解を来さないのなら俺個人はあんたに譲っても良い」

2014-10-17 20:29:15
《狼》ウィス @StairwayWis

「そっちも」《蛇》から《蝙蝠》に目を向ける。「人間がどうやって結束するかに興味があってそれを現実にできるなら俺は文句はない。どっちにしたって結果的に『魔王』が人間に対して害として存在してそれを殺す為だろうが何だろうが人が一つになるのなら良い。俺の望みはカイが言った通りだからな」

2014-10-17 20:33:13
《狼》ウィス @StairwayWis

一度口をつぐむ。「『魔王』にならないと出来ない事をそれぞれが、だな」そして六つの『烙印』満たせるものが此処に居るのかどうかだ。 「二人がどうかはわからないから、俺は俺の出来るだろう事を言う」テーブルに寄りかかったまま案が浮かべばすぐに口にした。隠す意味など無い。

2014-10-17 20:36:32
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