「サプライズド・ドージョー」 #3

B・ボンド&P・モーゼズ作。ネオサイタマを舞台としたサイバーパンク・ニンジャ活劇「ニンジャスレイヤー」の私家翻訳物 詳細はこちら http://togetter.com/li/73867
ニンジャスレイヤー
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Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
第1巻「ネオサイタマ炎上」より。「サプライズド・ドージョー 3」
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
(訳者注:前回までのあらすじ……ドラゴン・ドージョーに放火するため、メガロ・ハイウェイを北へ向かっていたヒュージスリケンとアースクエイクのサイドカー付きハーレー、それを護衛するY-12型バイオヤクザたちのベンツ軍団12台は、ニンジャスレイヤーに突如襲撃を受けた)
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは時速200キロで疾走するベンツの屋根に回転しながら着地したかと思うと、操縦席に座るクローンヤクザに向かって、おもむろに手刀を突き刺した。厚さ2センチもあるソウカイ・ベンツの車体を、ユバドーフのように容易く貫通したのだ。
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「グワーッ!」突然天井から突き立てられた手刀が、クローンヤクザの頭蓋骨を熟れきったアボカドのように粉砕する。たちまち、頭を失った操縦ヤクザの首動脈から、緑色のクローン・バイオエキスが壊れたスプリンクラーのように噴き出し、ベンツの車内を鮮やかに染め上げた。
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
操縦ヤクザの操縦を失ったベンツは、また一台、中央分離帯のプラズマネオンサインに映し出されるオイランの顔へと飛び込んでゆき、爆発を遂げた。爆発の直前、ニンジャスレイヤーは爆炎を背に追いながら跳躍し、次のベンツへと飛び移る。
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
後ろでは、クローンヤクザたちの断末魔の悲鳴を覆い隠すように、重金属酸性雨がしとしとと振り、緑色のバイオエキスをハイウェイの下の水牛たちに届けていた。
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「ワッショイ!」ニンジャスレイヤーが、新たなベンツの屋根に着地する。時速210キロの風が、赤黒い忍装束をばたばたと吹き流す。そのシルエットは、まるでナラクのシニガミのよう。
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「殺せ!」ヒュージシュリケンは、クローンヤクザ軍団に単純明快な命令を下す。全ベンツのウィンドウから、一斉にクローンヤクザたちが身を乗り出した。双子のように同じ顔同じ髪型の三十人のヤクザが、まったく同じタイミングで胸元からチャカを抜き、一斉にマズルフラッシュを輝かせたのだ。
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「ワッショイ!」ニンジャスレイヤーはその攻撃を予測していたかのように、時速220キロで走るベンツの屋根を蹴って高く跳躍した。そして体をオリンピックの高飛び込み選手のようにキリモミ回転させながら、恐るべき勢いで三百六十度にスリケンを射出したのだ。
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
ニンジャの身体能力に、ソウカイ・ベンツのスピードが合わさり、恐るべき死の回転が生み出されたに違いない。ソウカイ・ベンツ軍団は、自慢のスピードゆえに墓穴を掘ったのだ。
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「イヤアアアーッ!」死のキリモミ回転、そしてスリケンの乱射。 「グワーッ!」「グワーッ!」「グワーッ!」「グワーッ!」「グワーッ!」「グワーッ!」「グワーッ!」 7人のバイオヤクザが死んだ。
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
ニンジャスレイヤーはまるでタツマキのように、キリモミ回転ジャンプを続けながら、ベンツからベンツへと飛び渡った。跳躍するたびに無数のスリケンが乱れ飛び、着地のたびに爪先がダイヤモンド製ドリルのようにベンツの屋根をえぐって、操縦ヤクザの頭をアボカドのように粉砕するのだった。
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「イヤアアアーッ!」「グワーッ!」「グワーッ!」「グワーッ!」「グワーッ!」「グワーッ!」「グワーッ!」「グワーッ!」
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
恐ろしい! ナムアミダブツ! なんたる殺戮! ワニの背中を飛び渡りながら矢を射たという、平安時代のニンジャ神話のような、恐ろしくも雅な殺戮劇が、酸性雨降りしきる夜のメガロ・ハイウェイに展開された。
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
12台のベンツは次々と脱落し、残すは、アースクエイクとヒュージシュリケンの乗るサイドカー付ハーレーの前方を守る1台のみとなった。ニンジャスレイヤーはキリモミ回転をやめ、残された一台のベンツの屋根にふわりと着地する。
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その上にすっくと立ち、胸元で威圧的に腕を組み、ぼろぼろのマフラーのようなニンジャ布を250キロの疾風にはためかせた。 「ヒュージシュリケン=サン、アースクエイク=サン。観念せよ。お前たちは、何故ドラゴン・ドージョーの場所を探している?」
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「馬鹿奴、答えるものか」とヒュージ。無言で拒絶を示すアース。 「ならば死んでもらう。慈悲は無い」ニンジャスレイヤーは、その場でゆっくりと回転を始め、足腰をバネのようにきりきりと収縮させた。ヘルタツマキを再びくり出すつもりなのだ。
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
ヒュージシュリケンも最後の賭けに出ようとしていた。頭の中でニンジャスレイヤーの動きを予測し、対抗策を練る。……まず、ニンジャスレイヤーの跳躍と同時に自分もサイドカーの上に立ち上がる。
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
…飛んでくるであろう三から五枚のスリケンをすべて指でつまみ、背後にそらす。万が一、六枚目が来た場合は後ろを向いて、背負っている巨大スリケンで身を守る。その後、全力で巨大スリケンを投擲するのだ。勝機はこれしかない。
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「ワッショイ!」ニンジャスレイヤーが跳躍する。ヒュージシュリケンもサイドカーの上に立つ。五メートル上空まで上昇した死のタツマキは、予想通り、闇を切り裂いてスリケンを投げつけてくる。
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
三枚、四枚、五枚、ヒュージは人差指と中指でこれをつまみ、背後へ受け流した。六枚目。ヒュージは背を向け、巨大スリケンで身を守る。
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
予想外の七発目。ヒュージは巨大スリケンで身を守る。八発目、九発目。何故だ? これではいつまでも反撃に転じられない。ニンジャスレイヤーはいつまでスリケンを投げ続けるのだ? 
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
ヒュージが巨大スリケン越しに空を見上げると、ニンジャスレイヤーは片腕をヘリコプターの羽根のようにまっすぐ伸ばし、回転の力で空中静止を実現していたのだ。もはや反撃に転じれない。このままニンジャスレイヤーは永遠にでもスリケンを投げ続けてくるだろう。
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「ここまでか! ナムアミダブツ!」ヒュージが辞世のハイクを読もうとしたその時、黒い風が吹いた。
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「イヤーッ!」闇を切り裂いて、空から巨大なカイト(凧)とそれに乗ったニンジャが出現し、ニンジャスレイヤーに襲い掛かったのだ。 「グワーッ!」予想外の攻撃を受けてニンジャスレイヤーは回転のバランスを崩し、ハイウェイの下へと真っ逆さまに転落して、水牛の群れをミンチ肉に変えた。
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コメント

オスツ🍣 @alohakun 2010年11月29日
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