診断メーカーと遊ぶおねショタ140字SSセルフまとめ
貴方はおねショタで『ハッピーエンドの来ない悲恋こそ美しい』をお題にして140文字SSを書いてください。 shindanmaker.com/375517
2014-10-21 14:05:33「おねえちゃん」呼びかける声は涙に滲んでいる。女は背を向けたまま「帰りたい?」と問う。少年はぎこちなく「一緒に帰れるなら」と笑む。最早取り得ない選択である事を二人はよく知っている。荒野、海の果て、空の彼方。そのいずれより遠い、世界の外へ二人きりで、祝福なき旅路を共に往くと決めた。
2014-10-21 18:17:48少年の腕の中で女は最後の息を吐いた。吐息の上に少年の名が乗っていたとして、それを聞き取れるものはなかった。ゆっくりと失せていく体温の名残を慈しむように少年は女の頬を撫で、唇を重ねる。女は生きよと願った。望みを叶えるべきだと考える。とても無理だと感じる。どうしたいのかと思う。惑う。
2014-10-21 18:42:52道は分かたれていた。信条は交わらず、身体だけ交えた。とうに過ぎたこと、とお互いに自分に言い聞かせていた。年端もいかぬ貴族出の参謀と、彼の家庭教師であった女革命家。王統を挟んで争いあう二人の手の中で国は麻のように乱れた。乱れあった日々を思いながら互いの手を潰しあう。熾烈に過ぎる恋。
2014-10-21 19:52:13「これで終わり」とおねえちゃんがいい、僕はうなずくしかなかった。明日の汽車でおねえちゃんは東京に帰る。おねえちゃんの気まぐれで始まった事で、僕はきっとひと夏の遊び相手でしかなかった。すがりつくなんてことをしたら、「みっともないのやめなさい。男の子でしょ」と諭される。夏が、終わる。
2014-10-21 20:07:20「これで終わり」と告げた言葉に彼は大人しくうなずいた。そういう風にこの夏で育てた。これでいいのだ。みっともないのはごめんで、だけど少しだけ惜しいと思った。この後悔があるうちは一人で生きていける。明日の汽車で私は帰る。夏は終わる。この先の季節、もし彼が追ってきたら。甘い未来を願う。
2014-10-21 20:10:51知識力は物事をどれだけ知っているかではなく、自分が何を知らないかを分かっているかで測られるものらしい。何だって知っていると思い込む者こそ何も知らない。彼のことを掴んでいると思ってしまっていた時点で、私は間抜けなもの知らずだったという事だ。彼は私の元を去った。それが答えなのだろう。
2014-10-22 21:03:32戯曲概論の講義で「鶴女房」…いわゆる鶴の恩返しを扱った時、「嘘から始まった関係は必ず破綻する」という話をされた。物語においてと注釈が付いていたが、現実でその意味を痛感している。涙を堪えながら私をにらむ少年に対してどれだけ嘘を重ねてきたか。その大きく重たい質量を背負う時が来たのだ。
2014-10-23 12:25:07