ツイッター小説 お気に入りセレクト 2010/11/29
「真の清純派デビュー!」のコピーに惹かれ、久々にAVを買ってきた。画面には驚くほど清楚な女性。ボクはゴクリと唾を飲む。男優が女優に迫る。すると彼女は彼にビンタした。「私はそんな安い女じゃないわ!」映像がそこで途切れる。しばらくして、ボクは騙されたことに気づいた。 #twnovel
2010-11-29 22:23:52テロリストが究極の化学兵器を開発し、地球全土が滅亡の危機に晒された。飲み会で会話の途切れた瞬間の空気を集めて圧縮し、弾頭に注入したのである。その効果たるや凄まじく、半径数キロ内の人類は圧倒的な気まずさに精神を破壊されてしまうのだ #twnovel
2010-11-29 22:43:14#twnovel プチトマト刑事はトマトのヘタに糸を結んだ。トマトを垂らしダウジングを始める。一方、同僚のチノパンは社会の窓を全開にして股間に意識を集中した。トマトが地面に落ち、そこを掘り返すと凶器が出てきた。勝ったつもりでいる刑事だが、単なる偶然であることを、まだ彼は知らない。
2010-11-29 22:52:30ふかふかの羊に、皆が群がりました。温かいねえ、そう目を細め、寄り添う皆の温もりは、ふかふかに遮られ、羊までは届きません。皆の温もりを感じたくて、羊はふかふかを全部剃り落としました。ふかふかじゃない羊に寄ってくるものはぴたりと居なくなり。羊は寒いよ、となきました。 #twnovel
2010-11-29 23:10:28#twnovel おやすみの前に。こんばんは、アナウンサーの星孝夫です。コピーを取っていて、うっかり指を切ってしまいました。アルバイトの女性に絆創膏を持ってきてもらったら「紙で切ると痛いんですよね。うわあ痛そう、痛そうー」。実はあまり痛くなかったのですが、私、ちょっと泣きました。
2010-11-29 23:15:37#twnovel 毎日毎日誰に読まれるあてもなく小説を書き続ける友人がいる。賞に投稿するわけでもなく、仲間内で積極的に見せ合うこともなく。そんな執筆活動をもう五年も続けている。どうして書くのかと訊ねたところ、「自分の書く小説が読みたいから」と当たり前のような顔をして彼は言った。
2010-11-29 23:17:20「迷子の迷子のお嬢さん、そこから先は行き止まりだ。こちらの明るい方へお進みなさい」「迷子の迷子のおじいさん、明るい方は燃えているのよ」少女は老人の手を取った。「迷子の迷子のおじいさん、暗い方に行きましょう。あれはお布団の中の暗さなの。きっと気持ちよく眠れるわ」 #twnovel
2010-11-29 23:23:42ドアを開けるとモトカノが立っていた。大きな瞳、長い睫―すごくかわいい。問題はこれが僕のモトカノじゃないってことだ。恋人なんていた試しがない。「ぼ、僕とつきあってください」モトカノに一目ぼれした僕は言ってみた。「モトカノに何言ってるのよ」彼女は寂しそうに笑った #twnovel
2010-11-29 23:48:10