【ヒエキヤマ】 3話 信頼

3話 信頼まとめ 山城を執務室に呼び出し、待っている提督 しかし、先に現れたのは... こちらのまとめを修正した最終決定版がpixivに上がっています 続きを読む
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桔山 海 @as_keito

そろそろ山城が来る時間だろうか。昨日は幸せな時間を過ごしてくれただろうか。 扶桑は改装設計図を喜んでくれていることだろうとは思う。山城の記念日に扶桑に贈り物をするなんて、傍から見るとおかしいように見える。

2014-11-12 22:05:30
桔山 海 @as_keito

しかし、山城を真の意味で幸せにするには。扶桑が喜んでくれること、これが必要なのであると私は考える。

2014-11-12 22:10:42
桔山 海 @as_keito

ある日、私が作戦で活躍した山城を「流石、山城だな」と労うことがあった。 しかし、その反応は「ああ、どうも」といった感じで、全く嬉しくないという感じではない。ただ、そこまで嬉しそうでもない。そんな微妙な反応だった。

2014-11-12 22:16:08
桔山 海 @as_keito

ただ、一度だけ「流石、扶桑の妹だな」と労うことがあった。 その時の喜びを隠し切れないほど嬉しそうな顔は私の目に焼き付いて離れない。

2014-11-12 22:20:56
桔山 海 @as_keito

またあの時の顔を見たいと思うが、かと言って些細なことでそれを言ってもその言葉の価値が下がってしまうような気がする。彼女に対する最大限の賛辞として取っておこうと思う。

2014-11-12 22:25:37
桔山 海 @as_keito

コンコン。 来た。やはり緊張する。急に体が熱くなってきた。

2014-11-12 22:34:45
桔山 海 @as_keito

「遠征の報告なのです」と電の声が外から聞こえた。 「ふー」と深く息を吐く。出来れば、じらして欲しくは無かった。 だがまあしょうがない。

2014-11-12 22:35:33
桔山 海 @as_keito

ドアを開けて電が入ってくる。 「無事成功で資材を収容中なのです」 「ご苦労、補給して休んでおくように」 電は机の上の、ある小箱を見つめながら、なんだか申し訳なさそうに口を開いた。

2014-11-12 22:40:46
桔山 海 @as_keito

「あの...司令官さんその...山城さんにそれ渡すのですか?」と指をさす。 「...な、よ、よくわかったな」 「電は指令官さんのことはよくわかっているのです」

2014-11-12 22:45:54
桔山 海 @as_keito

「...それもそうだな」 「それに山城さんが司令官さんのお気に入りなのはみんな知っていることなのです」 「み、みんなか...」

2014-11-12 22:50:38
桔山 海 @as_keito

そうだった。電は最初の一人だった。そして今、みんなと言えるまでの大所帯となることができたのは電のおかげと言っても差し支えないだろう。

2014-11-12 22:55:27
桔山 海 @as_keito

「電、今日私は山城にユビワを渡す。心から好きと思える人に会わせてくれてありがとうな」 電は一瞬私を見つめ「...なのです」と言って敬礼をして嬉しそうに部屋を出ていった。

2014-11-12 23:05:29
桔山 海 @as_keito

電は気分がいい時と「なのです」の前の言葉を省くことがある。今のは何が省略されているのだろうか。

2014-11-12 23:10:41
桔山 海 @as_keito

ユビワこそ渡せないが電もやはり特別な存在であることには変わりない。あまり、そのことを伝えたことなかったかもしれない。

2014-11-12 23:14:21
桔山 海 @as_keito

電が外に出てすぐに「はわわ」という声が聞こえてきた。 「コンコン」と再び、ドアを叩く音が響く。 「山城です」

2014-11-12 23:15:45