2014年11月12日

屋代聡さんのツイートでまとめたブック・ガイドVol.2=“「時間の統一」とナショナリズム”

屋代聡さんの“「時間の統一」とナショナリズム”に関する文献案内の連ツイに版元さんの紹介ページ(絶版のものはアマゾン)のリンクを加えてまとめました。 また、国立情報学研究所の情報サービス“Webcat Plus”で検索した著者のプロフィ ールページのリンクも付け加えました。リンク先ページ内の“この人物の本を検索”というボタンを押すと他の著作の検索結果が表示されます。
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屋代 聡 @yashirosatoru

フォロワさんから「時間の統一」とナショナリズムは関係あるのだろうかという質問が寄せられましたが、たいへん関係が深いのです。いくつか啓蒙書から専門論文まで紹介いたしましょう。

2014-11-11 01:44:27
屋代 聡 @yashirosatoru

近代国民国家において国民意識(ナショナリズム)が成立するためには、様々な国民化が必要です。ナショナリズム論、国民国家研究の古典『想像の共同体』においてアンダーソンは、その大前提として言語の統一、そして情報の統一を挙げています。

2014-11-11 01:45:24
リンク hayama-pub.net 書籍工房早山 | 出版社 - 定本 想像の共同体 ナショナリズムの起源と流行 [ISBN978-4-904701-08-9 C0020] - 2,100円 : Zen Cart [日本語版] :, The Art of E-commerce Zen Cart [日本語版] : 定本 想像の共同体 ナショナリズムの起源と流行 [ISBN978-4-904701-08-9 C0020] - ナショナリズム研究の新古典。増補版に書き下し新稿「旅と交通」を加えた決定版。アンダーソンのゼミで原著執筆時共に研究議論を重ねた最適訳者による翻訳。なお、本書は、2008年9月23日付『毎日新聞』朝刊読書面にて「ちょうど10年ごとに同じ編集者の手を経ながら、それぞれ別の版元から出た点にも運命的な面白さを感じます(一)。」と温かい言及を頂いています。 社会科学の冒

ベネディクト・アンダーソン (1936~:政治学・アジア研究)
他に
『比較の亡霊――ナショナリズム・東南アジア・世界』作品社
『三つの旗のもとに――アナーキズムと反植民地主義的想像力』NTT出版
『ベネディクト・アンダーソン グローバリゼーションを語る』光文社新書]
『ヤシガラ椀の外へ』NTT出版
など。
Webcat Plus
http://webcatplus.nii.ac.jp/webcatplus/details/creator/2253829.html

屋代 聡 @yashirosatoru

新聞および小説の流布によって、私たちは”ほぼ同時に同じ物事を同じように知り語る”ことができます。 均質な時間・空間意識がセットになってこそ、国民的同一性は醸成されてゆくのです。

2014-11-11 01:48:02
屋代 聡 @yashirosatoru

たとえば羽生くんが怪我したとか、何でそんなことが気になるんです?同じ日本人、日本の代表だからですよね?これまでも他国の選手が怪我することはあったでしょうけど、皆さん、誰も気にしてません。なぜです? 他国の選手だからです。そして日本のメディアが伝えないからです。

2014-11-11 01:49:19
屋代 聡 @yashirosatoru

そして今回「一斉に」羽生くんの心配やら、「健闘」について話しています。当り前のように思いますけど、他国ではこんなに話されていません。 羽生くんの怪我が皆に知れ渡り話しているということ自体が、時間の均質化、言語・情報の統一にもとづく国民意識の発動なのです。

2014-11-11 01:50:25
屋代 聡 @yashirosatoru

だって羽生くん、みなさんの知り合いでも何でもないですよ笑。それなのに彼を心配し応援したくなるのは、メディアなどによって国民の情報が均質化され、ナショナルな単位で物事を知らず知らず見るようになっているからです。 愛国心はこうやって作られるのです。

2014-11-11 01:52:20
屋代 聡 @yashirosatoru

暦を策定することは国民の生活習慣強制やリズム付与、心性醸成と不可分です。だからこそどのような政治権力も暦を司ろうとし独自の記念日を持つのです。明治維新の暦の変更、またフランス革命における共和暦制定、レーニンによるグレゴリ暦採用、スターリンによるソ連暦制定など言うまでもないですね。

2014-11-11 01:53:19
屋代 聡 @yashirosatoru

では関連する文献を挙げましょう。

2014-11-11 01:53:55
屋代 聡 @yashirosatoru

角山栄『時計の社会史』『時間革命』など。先ごろ亡くなったイギリス経済史の大家による「時間計測」の側面から歴史。前者はまさしく基本文献。後者は軽妙ですが、面白いと思いますよ。

2014-11-11 01:54:32
リンク www.yoshikawa-k.co.jp 時計の社会史 - 株式会社 吉川弘文館 安政4年(1857)創業、歴史学中心の人文書出版社 時計の社会史詳細をご覧いただけます。
リンク www.shinshokan.co.jp 新書館 | 書籍 詳細ページ | 時間革命 ,時間革命
屋代 聡 @yashirosatoru

また角山氏は英日の比較経済史の大家でもあり『茶の世界史』『「通商国家」日本の情報戦略 領事報告をよむ』『堺-海の都市文明』などの名著も是非。さらには著者の研究来歴を語った『「生活史」の発見―フィールドワークで見る世界 』は歴史学がどういうものか掴むのに向いています。

2014-11-11 01:55:19

角山 栄(1921~2014:経済史)
他に
『シンデレラの時計 人びとの暮らしと時間』平凡社ライブラリー
『茶ともてなしの文化』NTT出版
『新しい歴史像を探し求めて』ミネルヴァ書房
など。
Webcat Plus
http://webcatplus.nii.ac.jp/webcatplus/details/creator/86471.html

屋代 聡 @yashirosatoru

福井憲彦『時間と習俗の社会史』。時間の歴史を学ぶさい最初に手にとるべき1冊。12世紀に西欧で始まった機械仕掛けの時計による正確な時間計測とはいったい何なのか?時間と宗教と資本主義の関係が鮮やかに説明されます。時間をめぐる闘争がいかに世界を変えてきたか。絶対買いです。

2014-11-11 01:56:57
リンク www.chikumashobo.co.jp 筑摩書房 時間と習俗の社会史 ─生きられたフランス近代へ / 筑摩書房のウェブサイト。新刊案内、書籍検索、各種の連載エッセイ、主催イベントや文学賞の案内。

福井 憲彦(1946~:フランス近代史)
他に
『「新しい歴史学」とは何か』講談社学術文庫
『鏡としてのヨーロッパ』日本エディタースクール
『世紀末とベル・エポックの文化』山川出版社
『ヨーロッパ近代の社会史』岩波書店
など。
Webcat Plus
http://webcatplus.nii.ac.jp/webcatplus/details/creator/136565.html

屋代 聡 @yashirosatoru

もちろん歴史学における時間研究の先鞭をつけた論文をおさめた、次の1冊も挙げ ておきましょう。 ル=ゴフ『もうひとつの中世のために西洋における時間、労働、そして文化』。この中の「教会の時間、商人の時間」がル=ゴフが世界に認められた1本です。

2014-11-11 01:57:56

『もうひとつの中世のために‐西洋における時間、労働、そして文化』ジャック・ル・ゴフ 白水社http://www.hakusuisha.co.jp/detail/index.php?pro_id=02622

ジャック・ル・ゴフ (1924~2014:中世史)
他に
『煉獄の誕生』法政大学出版局
『歴史と記憶』法政大学出版局
『ヨーロッパは中世に誕生したのか?』藤原書店
『中世の身体』藤原書店
など。
Webcat Plus
http://webcatplus.nii.ac.jp/webcatplus/details/creator/2271981.html

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