昨日発生していたサイトログインできない不具合は修正されております(詳細はこちら)

語学を教えるとは何か

2
It happens sometimes @ElementaryGard

昨日、山登りの即席ガイド役を務めさせていただいた経験から学んだことその1。今日日の若者はなんでもかんでも「うそまじぃ!?」と叫ぶという事実。

2014-12-03 13:11:12
It happens sometimes @ElementaryGard

何かを教えるとは、理科準備室に置いてある骨格標本に筋肉を少しづつつけていって「さあ右ひざを持ち上げてごらん。動くだろ。面白いだろ」と育てていく(この形容でいいのかな)のに似ている。すでに立ったり座ったり歩いたり屈んだりできる者にすればまだるっこしいことこの上ない。

2014-12-03 13:18:12
It happens sometimes @ElementaryGard

屈むとはどういう動作なのかをいちいち自覚して体を動かす者はいない。そこを食い下がって自分の体のどの筋肉とどの筋肉が作用しあって「屈む」が可能になっているのかを意識化していく。

2014-12-03 13:19:25
It happens sometimes @ElementaryGard

>誰でも歩くことはできるが、歩くときの筋肉の動きを説明できる人は少ない。呼吸は生存に必須の要件であるが、そのメカニズムを解明できる人はまれである。生活に必要な活動であればあるほど、その過程は無意識の底に沈んでいる。

2014-12-03 13:23:02
It happens sometimes @ElementaryGard

>しかしこれらの生得の活動の場合とはちがって、幼児期を過ぎてからの外国語学習では、意識の底にやがては定着し知らず知らずに働くことになる頭の動きを一度は自覚し、組織的に学習することが必要である。

2014-12-03 13:23:29
It happens sometimes @ElementaryGard

伊藤和夫『英文解釈教室』のまえがきから。ただ伊藤先生がすっかり見落としていることがあります。ここで彼が指摘しているのは外国語を「読む」ときのメカニズムの意識化であって、「書く」メカニズムは眼中にないことです。

2014-12-03 13:25:31
It happens sometimes @ElementaryGard

そして外国語を「書く」とき(あるいは「話す」とき)障壁として立ちふさがるのが母語。母語のメカニズムを意識化する努力をしないまま「書く」「話す」と、ネイティヴには理解不能な代物を生み出してしまう。

2014-12-03 13:27:26
It happens sometimes @ElementaryGard

そういう実例を知りたい向きは、お近くの駅に行って英語の標識案内を眺めてみることをお勧めします。日本語からの直訳のため、英語ネイティヴにはなんともヘンテコに映っている代物です。いやいいたいことはわかるんだけど、なんでこんな言い回しなんだろうと思われています。

2014-12-03 13:29:09
It happens sometimes @ElementaryGard

なぜああいう英語標識でいっぱいなのか?日本語をわかっていないからです。日本語の「くせ」をそのまま英語に置きかえてしまっている。究極完璧言語が存在しない以上、どんな言語も完全ではなく、癖がある。母語の癖をどこまで自覚できるか。

2014-12-03 13:32:20
It happens sometimes @ElementaryGard

一番わかりやすい例はPLEASE。駅の英語標識には必ずPLEASEがある。あれ大半はいらないのに。日本語の「~てください」に頭が引きずられてPLEASEをどうしても入れたくなるのでしょう。

2014-12-03 13:34:06
It happens sometimes @ElementaryGard

pleaseは命令の響きを伴うときもあります。"Anne Sherley, please solve this math problem." "Yes, Miss, Stacy."とか、学校の先生が生徒に何かをやらせるときはpleaseが頻出。

2014-12-03 13:36:36
It happens sometimes @ElementaryGard

pleaseは要するにI want you to と同じニュアンス。「アン、この数学の問題を解いてみて」「はい先生」

2014-12-03 13:39:08
It happens sometimes @ElementaryGard

中学一年から英語を学びはじめる。たいていのひとは。私は実は小学校のとき英会話教室に通わされていたんだけど、そのおかげで何か有利だったかというと、そういう実感ぜんぜんないです。で中学英語でPlease=どうかとパターン化して教えてしまうために、今のような英語標識が氾濫している。

2014-12-03 13:41:09
It happens sometimes @ElementaryGard

>医師の診断の仕方に触診というのがあります。患者の身体の状態を観察し、あちこち触れたり押したりして、そのときの患者の反応から病因を探るという 診察方法です。

2014-12-03 13:54:20
It happens sometimes @ElementaryGard

>しかし、医師の触診と素人がやる触診の間には決定的な違いがあります。素人は皮膚の色が黄色っぽいとか、押すと中のほうで鈍痛を感じるという程度のことしかわかりません。

2014-12-03 13:55:38
It happens sometimes @ElementaryGard

>ところが、医師は『この部位をこの角度から押すと刺すような痛みを感じるということは膵臓に炎症が生じている疑いがある』というような判断がつきます。

2014-12-03 13:56:02
It happens sometimes @ElementaryGard

>実は、英語もこれと全く同じことが言えるのです。英文を人体にたとえると、目で見える英単語(=身体の各所)の下に「目では見えないもの(=皮膚の下に 隠された臓器)が存在していて、

2014-12-03 13:56:48
It happens sometimes @ElementaryGard

>英文の正誤(=人体の正常・異常)は、その「目では見えないもの(=皮膚の下に隠された臓器)」によって左右されているのです。 『英語ベーシック教本』(薬袋善郎)のまえがきから

2014-12-03 13:57:30
It happens sometimes @ElementaryGard

まさにそのとおりなんですが、母語(日本語)について同じ自覚を抱くに至らない点で伊藤和夫と大差がない。

2014-12-03 13:58:36