同時多発瑞雲SS

各々が心に瑞雲を持っているように、瑞雲もまた多様性を持っているのだ
5
神結(かみゆい) @kamiyuilemon

そうだ、1の追加ボイスが100の瑞雲を生む……ゆめゆめ忘れる莫れ

2014-12-12 19:14:46

サンタクロース伝説

ほとんど職無しNICK @NICK18univers

日向「サンタクロース伝説は実は4世紀頃のローマ帝国におけるある瑞雲の逸話が元になっていることはよく知られているな」 霞(また始まった……)

2014-12-12 19:39:19
ほとんど職無しNICK @NICK18univers

初霜「えっ、日向さん、それってどういうことなんです?」 霞「あっ、初霜のバカ、そんなこと言ったら……」 日向「ふむ、初霜、サンタクロースに興味があるのかな」 初霜「はいっ。子供達にプレゼントを届けるなんて、素敵です」 日向「ふふ、初霜らしいな。では少し説明しよう」 霞(あちゃー)

2014-12-12 19:46:34
ほとんど職無しNICK @NICK18univers

日向「瑞雲は地球での知的生命誕生に関わり、人間が現れてからは共生して人間の文化形成に影響を与えてきたことは前に説明はしたな?」 初霜「はい、霞ちゃんから聞かされました」 霞「まさか初霜が瑞雲生物学にあんなに執心するとは思わなかったわ……」

2014-12-12 19:50:35
ほとんど職無しNICK @NICK18univers

日向「ローマ帝国もまさに瑞雲の生み出した文明の一つだと言えるだろう。例えば帝政ローマ以前の共和制ローマ。これは瑞雲の偵察結果を多元的に解釈するために当時貴族と呼ばれていた航空火力艦が議会を設立したのが元となっている」 初霜「瑞雲と政治形態にも関連があるんですね!」

2014-12-12 19:59:43
ほとんど職無しNICK @NICK18univers

日向「やがてローマはヨーロッパにおける最も偉大な航空戦艦の一人、カエサルによって帝政ローマへと体制を変えるが、これはカエサルが瑞雲の運用能力に極めて秀でていたため、共和制ローマと同じ、いや、それ以上に反映することができた」 初霜「航空戦艦カエサル…… すごい人なのね……」

2014-12-12 20:06:29
ほとんど職無しNICK @NICK18univers

日向「さらに時代は下り、4世紀。コンスタンティヌス帝はこれまでローマの神々の宗教ではなくキリスト教を国教とした。知っての通りイエスは水上機だ。ローマ帝国は数世紀に渡る瑞雲運用の歴史がある。おそらく相性が良かったのだろう」 霞「相性の良し悪しの問題なのかしら、それ……」

2014-12-12 20:13:59
ほとんど職無しNICK @NICK18univers

日向「キリスト教が広がっていく中で、ローマ帝国の瑞雲の歴史とキリスト教の水上機信仰が影響しあい様々な聖人の逸話が生まれることになった。サンタクロース伝説、正確には聖瑞雲伝説はその中の一つというわけだな」 初霜「聖瑞雲……?」 日向「教会から認められた奇跡を起こす水上機を指す」

2014-12-12 20:20:58
ほとんど職無しNICK @NICK18univers

日向「サンタクロース伝説の元となった聖瑞雲、今はもはや名前は伝わっていないが、水上偵察機にはあるまじき赤と白の塗装がされていたことは伝わっている。ルネッサンス美術においてはこの赤白の瑞雲が描かれている宗教画がいくつか見受けられる」 霞「瑞雲のカラーバリエーション……」

2014-12-12 20:25:10
ほとんど職無しNICK @NICK18univers

日向「その赤白の瑞雲はある夜、ローマの街を偵察に回っていた」 霞「何で街中を偵察する必要があるのよ」 初霜「その瑞雲は聖瑞雲だから人助けをしようとしてたのよ。何か困ってる人がいないか偵察してたんだわ」 日向「うむ、その通りだ。その瑞雲は補給を必要とする家を探しに偵察していたのだ」

2014-12-12 20:30:59
ほとんど職無しNICK @NICK18univers

日向「赤白の瑞雲は偵察飛行をしているうち、ある家を見つけた。そこでは三人の美しい娘と心優しい父親が食卓を囲んでいた。だが彼らの顔は穏やかなものではなく悲しみに沈んでいた。瑞雲が特殊なソナーを投下し声を拾ってみると、貧しさのあまり娘たちが嫁に出せないことに困っていたことがわかった」

2014-12-12 20:38:04
ほとんど職無しNICK @NICK18univers

日向「瑞雲はこの一家に補給支援しようと思い立った。もう真夜中であったが瑞雲にとっては夜間偵察は造作もないことだ。そして無論、夜間爆撃すら」 霞「は? 爆撃?」 日向「そうだ。瑞雲は機首を一気に下げ、その家に急降下爆撃を敢行した」

2014-12-12 20:45:45
ほとんど職無しNICK @NICK18univers

霞「いやいやいや、ちょっと待ちなさいよ。何で人助けっていうのに爆撃してるのよ。死こそが究極の救済であるっていうやつなの?」 日向「霞」 初霜「霞ちゃん」 霞「な、なによ……」 日向「キミはまだ瑞雲の何たるかをまだ理解していないようだ」 初霜「話は最後まで聞きましょ?」 霞「……」

2014-12-12 20:49:59
ほとんど職無しNICK @NICK18univers

日向「瑞雲はその家に急降下爆撃かけた。ある高度まで降下したとき、懸架していた250kg爆弾を切り離した。瑞雲のスピードも加わった爆弾はまっしぐらにその家に向かっていく」 霞「ああ……もう聞いてられないわ…… 惨劇よ……」

2014-12-12 20:55:45
ほとんど職無しNICK @NICK18univers

日向「強大な破壊力を誇る250kg爆弾はその家の窓をぶち破った」 霞「……!」 日向「そして爆弾はその家の暖炉に下げられていた靴下にすっぽり収まってしまった」 霞「……は?」 日向「瑞雲が投下した爆弾が暖炉に下げられていた靴下に入ったんだ」 霞「???????」

2014-12-12 21:00:33
ほとんど職無しNICK @NICK18univers

初霜「それってもしかして……」 日向「ああ、赤白の瑞雲が狙ったことだろう」 霞「…………」 日向「突然に250kg爆弾が飛び込んできたことに父親と三人の娘は驚き、そして喜んだ! 250kg爆弾と言えば当時非常に高価な兵器。これをローマ軍に売り払えばたくさんのお金が手に入る!」

2014-12-12 21:04:08
ほとんど職無しNICK @NICK18univers

日向「そうして250kg爆弾をローマ軍に売却したおかげで三人の娘は危うく身売りするところだったのを、無事に嫁に行かせることができたのだ」 初霜「めでたし、めでたし、ですね!」 日向「感動的な話だ。私もたまにこの物語を思い返すよ」 初霜「瑞雲の人助け、素敵……」 霞「…………」

2014-12-12 21:08:52
ほとんど職無しNICK @NICK18univers

日向「そういうわけでこれがサンタの元となった聖瑞雲伝説だ。だがこれで満足してはいけないぞ。世界にはもっと様々な瑞雲伝説が残っているのだからな」 初霜「はいっ。私、もっと瑞雲のこと知りたいです!」 日向「ふふ、そうか、嬉しいな。最上や霞もこれくらい意欲を持ってくれればいいのだが」

2014-12-12 21:12:28
ほとんど職無しNICK @NICK18univers

霞「私、部屋に帰って横になるわ……」 日向「どうした、具合でも悪いのか? この頃はだいぶ寒くなったからな。体に気をつけたまえよ」 霞「あんたらの話で頭が痛くなったの!!!!」 初霜「日向さん、霞ちゃんはああ言ってますけど……」 日向「うむ、彼女もいつか瑞雲を理解してくれるだろう」

2014-12-12 21:15:19

瑞雲歴史学

撫子 @Nadesico_Rumia

この記録は、私が国際瑞雲教会議を傍聴した際の記録を文字に起こしたものである。この記録が瑞雲教学の更なる発展、果ては人類の更なる発展に繋がれば幸いである。

2014-12-12 19:48:40
撫子 @Nadesico_Rumia

瑞雲教の興りはその一切が不明であるが、カエサルが著書「ガリア戦記」の第二巻にてベルガエ人の間に鋼鉄の鳥と呼ばれる謎のシンボルが存在していたことを記している。これが後の瑞雲とされており、ガリア三地区で最も勇猛であった彼らが瑞雲教を信仰していた可能性は極めて高い。

2014-12-12 19:49:23
1 ・・ 7 次へ