三連ツイノベ自選第３集

おーさん @osayas811

「罪人？」「おや、あなたも服役中ですね。では懲役が済んでから迎えにきます」そして死神は消えた。僕はあることを思い出し、彼女に聞いた。「初詣のときに君から借りたお賽銭、返さなかったけど、これって罪になるのかな？」「もちろん。終身刑よ。私のために一生働いてもらうわ」 #三連ツイノベf

おーさん @osayas811

聞いてください。私の初夢、人類が滅亡する夢だったんです。ある朝目覚めたら、地球上に私以外誰もいなくなっていました。ほら、夢って誰にも話さないと正夢になるっていうじゃないですか。だからあなたに話したんです。大丈夫ですよね？これであの夢が正夢になることはないですよね？ #三連ツイノベ

おーさん @osayas811

目が覚めると、地上には私の他に誰もいなかった。そんなはずはない。私は確かにあの人に話した。だからあの夢が正夢になるはずはないのに。だが、もしあの人に話したことも夢の一部だとしたら。結局私は夢のことを誰にも話していなかったのだとしたら。ああ、これも夢であってほしい。 #三連ツイノベ

おーさん @osayas811

僕、変な初夢を見ました。夢の中で、知らない女の人が自分の見た夢の話をするんです。その夢のことを誰かに話さないと、夢が現実になっちゃうからって。だから、目が覚めたら誰かに話してほしいって僕に頼むんです。でも、それがどんな夢だったのか思い出せなくて。変な夢ですよね。 #三連ツイノベf

おーさん @osayas811

俺は時間弁護士。時間を自由に進めたり戻したりすることができる。俺はこの力で常に事件を解決に導く。事件が起きたら、事件前に時間を戻して一件落着。困るのは、依頼を受けた事実がなくなるため、依頼人から報酬が貰えないこと。まあ、俺の記憶も消えてしまうから請求もできないが。 #三連ツイノベ

おーさん @osayas811

今日も一人の依頼人が俺の事務所を訪れた。ロボットメーカーの社長で、最近ライバル会社に商品の特許を狙われているそうだ。「あの会社は我が社が出願した日よりも前に戻って特許を取ろうと企んでいます」「そんなことが可能なのですか？」「向こうには専属の時間弁理士がいますから」 #三連ツイノベ

おーさん @osayas811

「では、こちらはもっと前に時間を戻して特許出願をしましょう」「すると相手もさらに戻すでしょう。キリがないですよ」その言葉は俺の耳には入らなかった。俺はすでに時間弁理士に対する闘争心に支配されていたからだ。だが、そんな思いも今は消えた。人類がアメーバに戻った今は。 #三連ツイノベf

おーさん @osayas811

彼女宛てのメッセージに既読が付かなくなった。それでも何度か送ってみた。「佳奈、俺が悪かった。連絡が欲しい」だが返事はなく、一ヶ月が過ぎた。もう諦めようと思い始めたある日、突然全てのメッセージが既読になった。そして1通の返信が。「私、佳奈じゃありません。レオナです」 #三連ツイノベ

おーさん @osayas811

佳奈のアカウントが誰かのものとすり替わったのか？レオナと名乗る女性が、佳奈と別人なのは確かだった。いつしか俺はレオナとメッセージをやり取りするようになった。レオナはなぜか食べ物や音楽の好みが佳奈とそっくりだった。俺は不思議な懐かしさを覚え、そしてレオナに恋をした。 #三連ツイノベ

おーさん @osayas811

俺はレオナをデートに誘った。だが彼女の返事は、「今はまだ外に出られないの」病気なのだろうか？知り合って半年経った頃、レオナから連絡が来た。「もうすぐ出られるから、会いに来て」それから数日後、佳奈からメッセージが届いた。「あなたの子を産みました。名前は玲央奈です」 #三連ツイノベf

おーさん @osayas811

明日はまなみと初めての旅行。ふたりで温泉に行く日を、僕はずっと夢見ていたんだ。まなみと出会ったのは半年前。自販機の前で僕が小銭を落としたとき、拾ってくれたのが彼女だった。それからも何度かその自販機の前で顔を合わせ、5度目に会ったとき、僕は思い切ってデートに誘った。 #三連ツイノベ

おーさん @osayas811

僕は明日のことで有頂天になっていた。気がつくとあの自販機の前の道にいた。まなみと出会った場所だ。通り過ぎようとしたとき、自販機のボタンが目に入った。「売り切れ」のランプが赤く光っている。それを見た途端、僕の幸せな気分は一気に崩壊した。「嘘だろ？じゃあまなみは……」 #三連ツイノベ

おーさん @osayas811

僕は自販機の前で茫然と立ち尽くしていた。「売り切れ」のランプが虚しく光っている。僕が最後の1個を買ったからだ。その自販機には、こう書かれていた。「あなたの望む夢が出てきます」僕が押したのは「恋人」のボタン。自販機にはこうも書かれていた。「夢は必ず覚めるものです」 #三連ツイノベf

おーさん @osayas811

私の双子の兄は、妹の私にとても優しかった。家でも学校でも、私たちはいつも一緒にいた。兄がいなくなってもう15年になる。最近、街で兄に似た人を見かけた。でもきっと見間違いだろう。なぜなら、兄は小学生のときに私が殺したのだから。だがもし本当に兄だったら、私はまた……。 #三連ツイノベ

おーさん @osayas811

この頃変な夢を見る。俺が妹に殺されかける夢だ。おかしなことに、その夢の中では、俺は子どもの頃すでに一度妹に殺されている。だが、なぜか生き返って大人になっている俺を見て、また殺さなくてはいけないと妹は思ったらしい。バカバカしい夢だ。俺が妹に殺される理由など何もない。 #三連ツイノベ

おーさん @osayas811

彼の中にもう一人の人格、つまり妹が生まれたのは彼が小学生のときです。彼は妹との共存を望みましたが、妹は違いました。兄を排除しようとしたのです。だが彼女に隠れて兄の人格は生き続けていた。現在ですか？二人とも死にましたよ。この体を支配するのは、僕一人で十分ですから。 #三連ツイノベf

おーさん @osayas811

急に仕事が忙しくなった。もう何日もまなみに会っていない。あいつ怒ってるだろうな。そのとき、俺の目の前に俺そっくりのロボットが現れた。彼が言う。「お前の記憶は全てコピーした。俺がお前の身代わりを務める」「本当か？助かる。じゃあ早速彼女に会って、機嫌を取ってきてくれ」 #三連ツイノベ

おーさん @osayas811

ようやく仕事が片付いた。やっとまなみに会える。すると、あのロボットがやってきた。「彼女にプロポーズしてOKをもらった」「そうか、ありがとう」「いや、結婚するのは俺だ」「バカな。お前は俺の身代わりだろ？」「身代わりはお前だ。記憶をコピーしたから勘違いしてるんだろう」 #三連ツイノベ

おーさん @osayas811

「お仕事大丈夫？」まなみに聞かれて俺は答えた。「ああ、ロボットにやらせてる。そいつ俺の身代わりのくせに、自分のほうが本物の俺だと勘違いしててさ」「ふーん。でも、タカシ最近変わったよね？前はコーヒー嫌いだったのに」「え、そうだっけ？」そんな記憶、コピーしてないぞ。 #三連ツイノベf