【ヒエキヤマ】9話 扶桑の悩み
私の悩みは姉と呼ばれる人たちに聞くのが良さそうかと思います。私がすぐに思い浮かべたのは長門でした。続いて金剛、最上、翔鶴、伊勢。一人だけとは言わずにこの五人全員と話してみようかしら。 #9話_扶桑の悩み
2014-12-30 22:10:11「夕立、そろそろ帰りましょうか」 「はぁい」 夕立は行きの緊張した雰囲気とは打って変わって、帰りは終始にこにこした表情でした。お互いの好きな人について語り合いながら鎮守府に向かって歩いて行きました。好きなところ、表情、普段何してるかなど、たくさん話しました。 #9話_扶桑の悩み
2014-12-30 22:15:18私は一緒にいてくれる山城が好き。笑顔の山城が好き。甘えてくる山城が好き。あったかい山城が好き。尽くしてくれる山城が好き。優しい山城が好き。守ってくれる山城が好き。強い山城が好き。弱い山城が好き。頼ってくれる山城が好き。 許してくれた山城...好き。 #9話_扶桑の悩み
2014-12-30 22:25:33思えばたくさん溢れ出してきたものです。ふふ、これ全部山城の前で言ってみたらどんな顔するかしらね。私と山城はお互いに今までどこが好きなのか具体的に伝えることは少なかったように思います。出会ったその瞬間から恋人みたいなものでしたから。 #9話_扶桑の悩み
2014-12-30 22:30:41鎮守府に到着した夕立は自分の部屋に私を案内しました。私の部屋より夕立の部屋の方が寮棟に入ってから近いからです。時雨が先に帰ってきていることも考えてか、夕立はドアをノックします。しかし、中から返事は返ってきませんでした。 #9話_扶桑の悩み
2014-12-30 22:35:55ドアを開ける夕立は半分まで開けたところで動きを止めてそっと音を立てないようにして、ドアを閉じました。 隙間から見えた限り、どうやら山城と時雨は中で昼寝をしていたみたいです。 #9話_扶桑の悩み
2014-12-30 22:41:02ただ並んで昼寝しているくらいならまだよかったのですけど。山城が添い寝をするような形でした。これは夕立にとっては良いことではないでしょうね。 #9話_扶桑の悩み
2014-12-30 22:45:14夕立は、すたすた歩いて行き、寮棟の外に出ました。夕立について行くと、私に背を向けて歩いていた夕立が急に足を止めて、空を見上げ呟きました。 「山城さん...ずるいよ...でも、あたし、負けないから...」 #9話_扶桑の悩み
2014-12-30 22:50:20