ベイマックス到来に寄せて~欧米アニメ「咀嚼」の20年、日本アニメ「哺乳」の20年

ベイマックスの「政治的正しさ」とクールジャパン - togetter.com/li/764958 の「まとめへの感想」から連想して徒然メモ。 (一応)漫画家の立場からの日本「漫画」についての個人意見でもあるので、「漫画」「アニメ」の用法は雑然と混じっています。 趣旨: 続きを読む
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田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)PCがなぜ求められるかを”理解”した上なら、それに反する作品もまた「PCについての表現」として「説得力」を持つ。ワカラナイと言うだけなら幼児の落書き。落書きももちろん「芸術」だし「商品」にもなる。しかし「文化」ではない。「文化」にならないと作者が乗る”業界”はやがて滅びる。

2015-01-04 19:59:54
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)人間が「表現」するものはすべて「芸術」。作者が人間でない事もある。対して「文化」は表現が「社会的繋がりをもったもの」。ここでの表現には「社会における位置づけ」があり、別々の作品にも歴史的・同時的”繋がり”がある。それがあったから自分がいる、と意識するのが「文化的創作」。

2015-01-04 20:09:54
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)PCを「否定」するにもまずPCの”定義”に加え”なぜ=歴史的文脈”を理解する必要。そこまで知れば「自分の分身”であるキャラはこのPCに遇される意義があるのか/ないのか」の選択が”真剣”になる。「自分に関係ない」と言う理解なき拒絶は、表現も「すべて他人事=偏見の塊」にする。

2015-01-04 20:35:30
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)今、漫画文化の中で「PCを真剣に考えた作品」を創る事は、10年20年後には「PCに従う」のでなく「PCを分かっている」次代の漫画家を生む原動力となり、”ベイマックスの様な大市場向け作品”を創れる土壌となり、業界は潤い、より多数の漫画に”機会”が出来る。それが「文化の繋がり」。

2015-01-04 21:05:58
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)「漫画の発表」は殆どそのまま「次の漫画家を作る事」、その素養を決める事への参加。「文化としての漫画」は生態系であり、農業の様なもの。前代との繋がり無く生まれる「漫画家」はほぼいない。自分の貰ったものは一代で使いつぶすと言う作者を否定はしないが、その「意味」は知るべきだ。

2015-01-04 21:14:03
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)いきなりPCと肩肘張らずとも”ベイマックスの様な”を出発点に、それに則った表現コードを多くの作者が試みれば、相互に参照され模倣される蓄積でいずれ漫画界全体のレベルが上がる。漫画は表現コードの多くが作者同士でも共有されているからこそ、どの漫画も多くの読者が「理解できる」。

2015-01-04 23:27:47
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)一人の漫画作者にとっても、読者が他作者の漫画を読む事は、自分の漫画をスムーズに読んで貰えるための一助になっている。「漫画」は個別に描かれていてもこう言う繋がりが同時的にも時差的にもあり、表現の”自生”の集積が全体を進化させる。漫画が「ただの芸術」でなく「文化」である所以。

2015-01-04 23:33:06
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)アメリカのPC表現も最初から「ベイマックスの様」だった訳ではなく、公民権運動の後、やはり80年代位までは「ぎこちなく」「表現を殺している」面が見えた。それがより”自然”に組み直されたこの20年の蓄積には、恐らく前述の様に日本アニメと言う「外部表現」の導入が寄与している。

2015-01-04 23:48:19
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)「シンプソンズ」は話のリアルさの一方で登場人物は肌がみな「まっ黄色」。あれもPCを侵犯せず、かつ縛られない方法の一つだったのだろう。日本アニメの表現も「アメリカに他意が無く」、かつ視聴者にも一定に日本アニメの”理解者”が増えていく中で表現コードを導入できた。

2015-01-04 23:56:41
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)日本のアニメ表現を咀嚼してPCをより生気あるものに進化させたのが「ベイマックス」で、それが「日本人も納得」な完成度ならば、今度はこちらが「いただく」番だろう。どう表現すれば「ベイマックスの見られる国」で通じるものになるかと言う広範囲なリサーチを既に済ませてくれているのだ。

2015-01-05 00:02:12