暗い色で統一されたアンティークな室内を、シャンデリアが照らしあげる。その中で、豪勢な椅子に座り、強化ガラス越しに試合場を見下ろすのは、黒い髪を短く刈上げ、スーツを着た男。顎の髭がダンディさを増している。彼の名は西条友則。西条財閥の現総帥にして、西条友喜の父親である。
2015-01-05 01:04:56西条財閥。今大会のスポンサーであり、BST社、美島サイエンシーと並び、崩壊後の東京を支える三大企業の一つ。それを支配し、更なる発展をもたらしているのが、この男なのである。その背後のドアがコンコン、とノックされる。「入れ。」威厳溢れる声で総帥が答える。緊張した空気が部屋に漂う。
2015-01-05 01:09:37「ウィーッス!弐羽巧、召喚に応じただ今参上いたしましたぁー!」その空気をぶち壊し入ってきたのは、スーツを着崩した三白眼の女性、弐羽巧。「こちらへ。何故呼ばれたかはわかっているな。」しかし、西条父は態度を崩さない。何度もしてきたやり取りだ、慣れた物である。
2015-01-05 01:15:35「ま、まさか娘さんをわざと逃がしてその間にサボってパチンコ打ってたことがばれてたんですか!?く、靴でも何でも舐めます!首だけは勘弁してください!」ジャンピング土下座!総帥は気にも留めずブランデーを一口含む。表情一つ崩さない。「わかっているだろう、トーナメントのことだ。」
2015-01-05 01:22:18「はあ。」土下座は継続。気のない返事だ。「友喜を勝たせるなって話なら、もう何度も聞きましたぜ!もう耳にたこができてますよ!」できていない。「それもある。だが、それ以外だ。なにやら、怪しい動きをするものが居る。気付いているな。」立ち上がり、弐羽と目を合わせる西条父。
2015-01-05 01:27:10これには流石の弐羽も真面目にならざるをえな……「ええー!?初めて聞きましたぜ!ほんとですかその話!」西条父も態度を崩さない。「ああ、確かだ。それと、参加者の身元を調べてみたが、何人か、正体のわからぬ者が居る。」
2015-01-05 01:31:17「美島か、轟か……関わっているのはその辺りだろう。トーナメントを勝ち上がると同時に、そいつらの上に誰がいるのか……調べてもらいたい。できるな。」ようやく土下座状態を脱し、弐羽が答える。「いやー、きつい仕事ですね!でもま、やりましょう。首は嫌ですからね!首は!」
2015-01-05 01:34:29「端末に情報を送っておいた。誰から調べるかは、お前に任せる。私を失望させるな。」「わかってますって旦那ぁー!おりぁ無敵ですぜ!」眼下では開会式が既に始まり、選手紹介に入ろうとしていた。「おっと、そろそろ時間がやべえ!じゃ、行って来やす!」
2015-01-05 01:44:25「うむ、では頼んだぞ。」走って部屋を出て行く弐羽。足音が聞こえなくなったのを確認してから、総帥は一言呟いた。「……疲れるな……奴と喋るのは……。」
2015-01-05 01:49:09「ほうほう、これが参加者の……」情報を確認しながら、試合場に向かって弐羽は走る。「身元不明の参加者……数多いなー!えーっと……ワタナベ、藍川、カザマ、トリニダート……それと……」歓声が響き、弐羽の声を掻き消した。
2015-01-05 01:53:56「いやー、遅れてすんませんした!」……最後の選手紹介が終わり、司会が声を張る。『では、お待たせしました皆さん!これより自キャラ女体化トーナメント2015を開始したいと思います!では、トーナメント表の発表です!』割れんばかりの歓声と共に、スクリーンにトーナメント表が映し出される!
2015-01-05 02:00:23トーナメント表が見れない人がいたようなので、画像でも張っておきます。第二話時点でのトーナメント表だぞ! p.twipple.jp/kIbEy
2015-01-05 02:11:45『集められた16名の闘士が、この表の通り、最後の一人になるまで闘い続けます!ヒューッ!』ヒューッ!割れんばかりの歓声の中、弐羽はもう一度端末に目を落とし、最後の名前を確認する。
2015-01-05 02:04:23「それと……真野来人か。ヘっ!丸裸にしてやるぜ!」……こうして、自キャラ女体化トーナメント2015の開催式は終了した。果たして勝ち上がるのはどの自キャラなのか……?不穏な影を落としつつ、遂に戦いが、始まる!
2015-01-05 02:08:01