「資源の再分配のための社会の仕組みをいかに構築するか」についての内田樹さんのツイート

格差の拡大による若年層の急激な貧困化は、アメリカにおいて貧困層の若者の兵役志願~従軍~帰郷~精神が壊れての自殺という負の連鎖を産みました。日本でも安倍政権が若者をアメリカと同様に連鎖に追い込もうとしています。政治が資源の再配分を全く考慮しないこの時代に、市民レベルでどんな再配分のための相互支援の仕組みをつくっていくか?内田先生の考えがツイートされています。
経済
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内田樹 @levinassien
『帰還兵はなぜ自殺するのか』(亜紀書房)amazon.co.jp/%E5%B8%B0%E9%8… の推薦文を書きました。イラクに派兵された若い兵士たちの帰郷後の「壊れ方」についての怖いほど細密なレポートです。
内田樹 @levinassien
アメリカの男たちはこの100年戦争に行っては「壊れて」戻ってくるということを繰り返してきました。戦争に大義があるうちはまだ保ったけれど、ベトナム、アフガニスタン、イラクと戦いに大義が失われるにつれて、兵士たちの「壊れ方」は救いのないものになっているようです。
内田樹 @levinassien
戦争で「壊れた」若者について僕がまず思い出すのはサリンジャーのthe Perfect day for bananafish 他の短編です。その一つに第一次世界大戦の従軍経験を誇らしげに語る父たちの世代に対して、作家の世代の兵士が告げることばがあります。
内田樹 @levinassien
「あなたがたがまるで英雄譚を語るような口調で誇らしげに戦争経験を語って来たせいで、われわれは戦争を止めることができなくなったのだ」。サリンジャーの世代の経験はアメリカにどのような教訓をもたらしたのか。『帰還兵はなぜ自殺するのか』を読む限り、アメリカは何も学習しなかったようです。
内田樹 @levinassien
陸軍の自殺防止会議の統計が教えているのは、自殺率がもっとも高いのは、20代後半で志願した「愛国者、失業者、ふたりの子持ち、医療保険失効者」で「軍隊に入って、人生をもう一度やり直したい」と思っている人たちだそうです。
内田樹 @levinassien
アメリカでは格差が拡大したせいで、貧困層の若者たちが保険や年金や除隊後の大学進学機会を求めて兵隊に志願せざるを得ない状況が作り出されています。経済合理性という「世界内部的」理由で、人間的条理の通らない「この世の外」に踏み込めば、精神が壊れるのは当然かも知れません。
内田樹 @levinassien
昨日平川君と話したのは、経済成長の終わりと定常経済への移行は経済の自然過程であるという話でした。別に日本だけが特別であるわけではなく、いずれすべての資本主義国で成長が止まる。人々がそれを恐れているのは、そのあとは国民資源の「フェアな再分配」の仕組みを作らなければいけないからです。
内田樹 @levinassien
「パイ」が増大しているときは再分配の方法がどれほどアンフェアでも、人はあまり気にしません。自分の「パイ」も増えているからです。でも、「パイ」の増大が止まったとき、あるいは縮減してくるとき、分配方法のアンフェアに対しての視線はいきなり厳しいものになります。
内田樹 @levinassien
そのとき社会的混乱を引き起こさないためには「パイ」が大きいうちに「フェアな再分配」の仕組みについて衆知を集めてプランを立てておくべきだったのです。でも、久しく「パイの増大」以外に解はないと思い込んでいたので、「社会的安定をもたらす再分配方法」については誰も、何もアイディアがない。
内田樹 @levinassien
アベノミクスというのは「資源の再分配のアンフェアネスを徹底的に進めることでパイを大きくする」方策です。成長が止まったとたんに社会的混乱が起きるように意図的に作り込んである。だから成長する以外に社会的安定の道がない。カオスを忌避するなら経済成長の夢にすがりつくしかない。
内田樹 @levinassien
いつになったらこの悪夢から人々は目覚めるのでしょう。
内田樹 @levinassien
平川君との暫定的結論は「再分配のための社会の仕組み」を政治が構想できない以上、とりあえず市民レベルで再分配をはかるしかないだろうということでした。そして、すでに多くの人々が自力で相互支援の仕組みを作り出そうとし始めています。
内田樹 @levinassien
その動きが同時多発的であり、かつ主導的な理論も組織も持たない運動であることに、僕は希望を感じます。イデオロギーではなく、身体実感をベースにして手作りされる運動の方がずっと持続力も創発性も豊だからです。
内田樹 @levinassien
凱風館はいま「雇用の創出」、「生きるための技術の伝授」、「相互扶助相互支援のネットワーク形成」をめざして動いていますが、それは19世紀の「空想的社会主義者」の夢想に近いものかもしれません。「一挙にかつ根源的に世界を変える構想以外は無意味だ」という批判に今度は抵抗してみたい。
内田樹 @levinassien
凱風館に似た相互扶助ネットワークはいま日本中のあちこちで、さまざまなサイズ、さまざまな形態で形成されつつあります。いくつかの運動体との出会いから、僕はその手応えを感じています。格差の拡大による若年層の急激な貧困化はこの流れを加速させてゆくことになるでしょう。
内田樹 @levinassien
@handainakano まず隗より始めよ、というのが社会改革の基本だと思います。来るべき社会のかたちはそれを担う運動組織において萌芽的に実現されている。だから、相互扶助的な社会はすでに相互扶助的な運動体によってしか実現されない。僕はそう思っています。

コメント

NTB006 @NTB006 2015年1月5日
日本はほぼ無資源国ですので何がどうなろうと資源の輸入だけは止められませんが、貿易赤字が増えれば分けるべきパイそのものが減っていきます。日本という国は必然として利益を上げ続けなければならず、日本経済には今の所上昇か下降しか許されていません。
武村 卓 @takukaji 2015年1月5日
まとめを更新しました。
武村 卓 @takukaji 2015年1月5日
まとめを更新しました。
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