ニンジャスレイヤー二次創作【ラン・コワード・ラン】#4

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

態勢を戻したリフレックスは反撃を試みようとし……ベリジェレントの構えを見てその考えを捨てた。今やベリジェレントはわずかに上体をのけぞらせ、虎視眈々と先の先を狙っていたからだ！古式ボックス・カラテである！「カモン！」「オコトワリだ！」37 #4215tk

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再び睨み合うアプレンディス二人を見るニンジャが二人。ミノタウルとミラーシェードである。「……この短期間にしては、よく仕上がっている」「だろう」呟いたミラーシェードに、ミノタウルがどこか誇らしげに頷いた。「実際、大したものよ」38 #4215tk

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「リフレックス＝サンはジュー・ジツが馴染んでいる。ベリジェレント＝サンに関しては……よくまあ、あそこまで複数のカラテを身につけられたものだ」「というより、馴染むワザのみを選びとっているのだな」ミラーシェードの疑問に、ミノタウルが答える。39 #4215tk

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「あの二人はアプレンディスどもの内でも成長著しい。少しハヤイがミラーシェード＝サン、昇級を打診すべきでは？」「フム」ミラーシェードが顎に手を当て、カラテ応酬を再開したアプレンディスたちに眼を細める。その時である。「ミノタウル＝サン、少しいいか」40 #4215tk

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「どうした、フューズフィンガー＝サン」後ろからかかった声に、ミノタウルは振り返る。そこにいたのは同僚のアデプト、フューズフィンガー。彼は厳しい面持ちをしていた。「ミッションだ。フライングイーグル・ヤクザクランにケジメつけさせに行くぞ」41 #4215tk

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「フライングイーグル」ミノタウルが顔をしかめる。「やはり黒か」「黒だ。奴ら、こっちに許可なく違法に薬物を横流ししてやがる」「成る程。ニンジャはどうだったか？」「三人いる」「面倒だな」「全く！」二人のアデプトの会話に、ミラーシェードが振り返る。42 #4215tk

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「フューズフィンガー＝サン。人員は揃っているのか」「ハイ。ひとまずは俺とミノタウル＝サンで」「あの二人を連れて行け」ミラーシェードは組手を行っているアプレンディス二人を指差す。フューズフィンガーは呆気にとられたようだった。43 #4215tk

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「ちょうどいい機会だ。実戦でどれだけやれるか試せ」「し、しかし」「交渉役はお前一人で充分だろう」「そりゃあそうですが」「良し」ミラーシェードは頷き、組手中のアプレンディスたちに号令をかける。「そこまで！」二人は飛び離れた。ベリジェレントが舌打ちする。44 #4215tk

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「リフレックス＝サン、ベリジェレント＝サン。ミッションだ」訝しげな顔のアプレンディスたちに、ミラーシェードは告げた。「フューズフィンガー＝サンと共にフライングイーグル・ヤクザクランに向かえ。ニンジャとのイクサの可能性もある。備えよ」45 #4215tk

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「イクサか」ベリジェレントがニヤリと笑みを浮かべる。「ちょうどいい。リフを殴れなかった憂さを晴らしてやる」「真面目にやれよ、ベル」嗜めるリフレックス。彼女は睨みを効かせる。「その名前で呼ぶんじゃねえ！」「お前に命令される謂れはないぜ」46 #4215tk

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「アー……それくらいにしろ、お前ら！」額を押さえていたフューズフィンガーが、気を取り直したように叱責する。二人は押し黙った。「ったく、緊張感のない……いいか、現場では俺の指示に従え！まずは交渉！イクサはその結果次第だからな！」「ハイ！」「……ハイ」47 #4215tk

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不承不承といった様子で返事をしたベリジェレントを、フューズフィンガーは一睨みした。背後でミノタウルが小さく肩を竦める。「まあ、あれだ。ガンバロ、フューズフィンガー＝サン」「ありがとよ」フューズフィンガーの返事は、少なからずうんざりとしたものだった。48 #4215tk

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「……で？どう落とし前つけるんだ？テメエんとこはよ」「アイエエエ……」やたらと広いフライングイーグル・ヤクザクランの一室。リフレックスはフューズフィンガーとヤクザクランのオヤブンのやりとりを後ろから眺めていた。横ではベリジェレントが欠伸を噛み殺している。50 #4215tk

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「お、落ち着いてください。これは下の奴らが勝手に」「ダマラッシェーッ！」「アイエッ！？」フューズフィンガーのニンジャスラングにオヤブンが失禁！その迫力に思わずリフレックスも身を竦める！ベリジェレントがそれを見て鼻で笑った。「ダッセ」小声で呟くのが聞こえた。51 #4215tk

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「くだらねえ言い訳してんじゃねっぞテメッコラー！下の責任は上が取る！常識だろうが！アアッ！？」乱暴に音を立て机に足をかけるフューズフィンガーに、オヤブンが震え上がる！もはや満足な返事もできぬ！（（（カワイソウになあ）））リフレックスは内心で同情した。52 #4215tk

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ミッションは順調に進んでいるように見えた。遠からずフューズフィンガーはこのオヤブンをケジメさせ、かなりの量のカネを引き出すだろう。しかしリフレックスの心は晴れない。この部屋には違和感がある。彼は左側の壁をこっそりと眺めた。調度品すらないサップーケイ。53 #4215tk

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「何やってんだよリフ」右からベリジェレントの声。声量を抑えつつも、怪訝な顔をリフレックスに向けている。「落ち着かないんだよ、この部屋」「またビビリか？チキンめ」「なんとでも言え」囁き返してから彼はベリジェレントの肩越しに壁を見る。やはりサップーケイ。54 #4215tk

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おかしい。オヤブンの居室がここまで何もないものか？やはり違和感しか……リフレックスは不意に顔を上げた。フューズフィンガーの怒声に紛れ、不自然な物音が聞こえた気がしたからだ。「オイ」「……ベル。やっぱこの部屋、変だ」「ア？」「左右の壁と天井。用心しろ」55 #4215tk

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ぴたり、とフューズフィンガーの動きが止まった。オヤブンの襟元を掴んだまま静かに威圧する。「なあオヤブン。あんたんとこにゃあニンジャがいるらしいな。そいつら今はどこにいる」「エ……」オヤブンが目を剥く。不意にリフレックスは悟り、叫ぶ！「アブナイ！天井！」56 #4215tk

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その時だ！「イヤーッ！」フューズフィンガー頭上の天井に穴が開き、赤装束のニンジャがアンブッシュ！「チィーッ！」フューズフィンガーはオヤブンから手を離しバク転回避！更に！「「イヤーッ！」」左側の壁から黄装束、右側の壁から青装束のニンジャが同時に出現！57 #4215tk

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エントリーしたニンジャたちは全く同時にスリケン投擲！「イヤーッ！」リフレックスは人差し指と中指でスリケンを受け止める！「イヤーッ！」ベリジェレントは……ゴウランガ！ハイキックでスリケンを蹴り返す！「グワーッ！？」青装束ニンジャの肩に命中！58 #4215tk

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「成る程。最初からこうするつもりだったか」フューズフィンガーが吐き捨てた。そしておもむろにアイサツ！「ドーモ。ザイバツ・シャドーギルドのフューズフィンガーです」「リフレックスです」「ベリジェレントです！」アプレンディスたちもまた続く！59 #4215tk

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「ドーモ。マゼンタアーマーです」オヤブンの前に立ちはだかった赤ニンジャがアイサツ！「イエローシールドです」リフレックスと相対した黄装束のニンジャ。「ヌゥーッ……シアンブレードです」スリケンを引き抜き、ベリジェレントを睨む青装束のニンジャ！60 #4215tk

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「イヤーッ！」シアンブレードのオジギ終了からコンマ0.5秒！最初に動いたのはベリジェレント！コロシ・キックでシアンブレードの首を狙う！「ヌウーッ！？」シアンブレードは咄嗟に腕を上げこれを防がんとす！しかし！「グワーッ！？」ALAS！鞭めいた苦痛が彼を襲う！61 #4215tk