すばる長編

渋谷課長の恋
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クラゲ @04kurage

#100-8 ④ 金曜日 定時を少し過ぎた頃 俺は彼女の部署が有る階に向かう 彼女は見当たらんくて 知り合いに聞いたけど帰ったかもわからへん どうしようか途方にくれてたら “渋谷さん?” そこには経理のカスミちゃんがいた “葛西さん探してますか?”

2014-11-14 12:25:16
クラゲ @04kurage

#100-8 ⑤ 「う、うん…」 “ちょっと良いですか?” 喫煙所に入る “葛西さんと私同期なんですよ。知ってました?” 「え?そうなん?」 “渋谷さん私の事本当に興味無いんですね。ちょっと酷い…” 「すまん…」 “嘘ですよ。実は色々相談に乗ってたんです” 「え?」

2014-11-14 12:25:24
クラゲ @04kurage

#100-8 ⑥ “あ、因みに彼女、私の事は知らないのでご安心を” 「はぁ…」 “渋谷さん頑張ってください。彼女まだ社内にいますよ。渋谷さんならどこにいるかわかるんじゃないですか?” ヒラヒラ手を振って去っていった彼女 一つ思い浮かんだ場所目指して俺は走った

2014-11-14 12:25:34
クラゲ @04kurage

#100-8 ⑦ バンっ! って勢い良く扉開けて中を探すと資料で顔隠した彼女がおって チラッて俺見て逃げるから資料室で追いかけっこ 「待ってって」 『なっなんですか?なんで追いかけて来るんですか?』 「昨日LINEしたやん」 『しっ、知りません…』 「話あんねん」

2014-11-14 18:24:32
クラゲ @04kurage

#100-8 ⑧ 全然捕まえられへんし 「あーもう」 もう少しって思ったとき ガチャン 『キャッ…』 真っ暗になって何も見えんくなる 慌てて携帯取り出してライトをつけると しゃがみこんでる彼女 『こっ、来ないでください』 ってそれでも逃げようとするから咄嗟に捕まえる

2014-11-14 18:28:55
クラゲ @04kurage

#100-8 ⑨ 『離してください…』 「嫌やな。怖いんやろ?おとなしくしろって」 『怖くないです…』 「震えとるやん」 抵抗しなくなったと思ったら 鼻をすする彼女 「ごめん」 『渋谷さんは何も悪くないです…』 「俺、恋愛とか結婚とか全然興味なかってん。めんどいって思って」

2014-11-14 18:32:11
クラゲ @04kurage

#100-8 ①⓪ 黙って話聞いてる彼女 「やからいっぱい遊んだ。たまたま知った子とかその日一晩だけとか。こんなんいったらまた嫌われるな。やけどこれだけは信じて?あの日ここで停電した時から君だけやねん。俺の頭の中全部君。30過ぎたおっさんがやで」 ふーと一呼吸する

2014-11-14 18:36:06
クラゲ @04kurage

#100-8 ①① 「好きやねん」 沈黙が続いて 『ズルいです…私今…』 「ごめん」 『渋谷さんの事突き放せないのに…』 「せやな」 『嫌いって言えないです…』 小さい声で “好きだから…” って言った彼女 「ありがとう」 向き合って抱きしめると背中に手まわす彼女

2014-11-14 18:39:44
クラゲ @04kurage

#100-8 ①② 「まだ怖い?」 『少し…』 「ちゃんと守ったるよ」 『ふふふ』 少し笑った彼女 『渋谷さんらしくない』 「らしくないわ。でも君のせいや」 『え?』 「責任とってや」 そう言ってキスする その瞬間についた電気 離れると顔真っ赤にしてる彼女がいた

2014-11-14 18:44:01
クラゲ @04kurage

#100-8 ①③ バタン! って音して驚いて離れようとする彼女 「あかん」 更に力を入れて胸に収める 「停電やなかったみたいやな」 もうパニックな彼女 犯人はきっと… 『はっ離してください!』 「葛西さん」 『なんですか⁈』 「好きやで」 もう一回触れる唇

2014-11-14 18:46:45
クラゲ @04kurage

#100-8 ①④ 「おはよう」 『お、おはようございます』 「お前LINE無視すんのやめや」 『あ、すみません…』 週明けもう当たり前になってた早い時間の電車 俺を見つけて顔を真っ赤にしてる彼女がめっちゃ可愛い 意識してちょっと離れるからわざとその距離を詰める俺

2014-11-14 18:49:52
クラゲ @04kurage

#100-8 ①⑤ 「LINEは必ず返す事、あと敬語もなしって言ったやん」 『はい…』 「お昼待ってるから」 『あのっ…』 「何?」 『見られたりとか嫌だから…これ…』 差し出された小さな紙袋 『仕事終わったら取りに行きます』 そう言ってエレベーターを降りてく彼女

2014-11-14 18:54:44
クラゲ @04kurage

#100-8 ①⑥ 「何それ?」 「え?あぁ」 「ニタニタ気持ち悪い」 「お前の顔よりましやわ!」 「なんやねん。まぁ上手くいってよかったな」 「お、おう…」 「また話聞かせろや」 絶対に村上になんて聞かせんわ 「渋谷さん弁当ですか?あ、葛西さん…あっ」

2014-11-14 18:54:52
クラゲ @04kurage

#100-8 ①⑦ 「丸山なんで知ってんねん」 「え?なんでもないです!」 誰からか連絡が来てた金曜日は 今会うのはただ一人 投げつけて画面が割れて新しくした携帯に入っているのは彼女の名前だけ 「また既読無視かい…」 end…

2014-11-14 18:55:01
クラゲ @04kurage

#100 【番外編】① 勢い良く扉開けて入って言った渋谷さんを確認する 『着た?』 「う、うん」 『よし、そっとだよ』 そっと扉開けて二人して中に入る 音がせんように彼女が扉を閉める 「待てって」 なんて声がしてる 『丸山君今』 彼女の合図で電気を消した

2014-11-14 19:07:51
クラゲ @04kurage

#100【番外編】② 息を殺してると渋谷さんの声がしてて 聞いてるこっちまで恥ずかしくなる 肝心な相手さんの返事が聞こえへんかった 『丸山君』 合図されてスイッチを入れて サッと資料室から出る 咄嗟やったでおもいっきり扉の音させてもた 『ちょっと!丸山君!』

2014-11-14 19:10:47
クラゲ @04kurage

#100【番外編】③ 「ごめん!カスミちゃん」 『まぁ上手くいってよかった』 「ほんまやな」 『よし!お祝いに飲みに行こうか』 「え?う、うん」 葛西さんとカスミちゃんと俺が同期何て知らへん渋谷さん カスミちゃんに頼まれて協力した俺

2014-11-14 19:14:04
クラゲ @04kurage

#100【番外編】④ 最近雰囲気が変わったって評判のカスミちゃん 確かに話し方とか変わってるし めっちゃ綺麗になってる 目の前でお酒を豪快に飲む姿 友達の幸せに笑顔になれる子やなんて思わんかった 村上部長も大倉も渋谷さんも次々と幸せになってくし 「次は俺やとええな」

2014-11-14 19:16:58
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